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2008年10月17日

歌うガ(蛾)が、存在する?

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 日本人は、昔から、昆虫の鳴き声を、鑑賞してきました。特に、コオロギの声は、日本の秋の風景に、溶けこんでいますね。
 鳴く昆虫は、コオロギや、セミばかりではありません。思いがけない昆虫が、鳴くことがあります。例えば、ガ(蛾)の仲間です。
 「ガが鳴く」なんて、多くの人には、初耳でしょう。何種かのガは、実際に、鳴きます。ただし、それは、ヒトに聞こえる音とは、限りません。
 アワノメイガというガがいます。最近の研究で、このガは、「超音波で鳴く」ことが、わかりました。超音波ですから、ヒトには、聞こえません。
 アワノメイガが鳴くのは、雄(オス)が、雌(メス)を誘うためです。求婚(プロポーズ)のために、鳴くのですね。その点は、コオロギの仲間と同じです。雄しか鳴かない点も、同じです。鳴くのに翅【はね】を使うことも、同じです。
 しかし、アワノメイガは、鳴くのに、鱗粉【りんぷん】も使います。使うのは、特別な形の鱗粉です。翅の一部分に付いています。これをこすり合わせて、超音波を出します。「鱗粉を使って鳴く」昆虫は、これまで、知られませんでした。
 この超音波は、とても小さい音です。そのため、すぐ近くに雌がいないと、聞こえません。それでは、不便そうですね? これには、理由があります。
 大きな音では、敵にも、聞こえてしまいます。ライバルの雄にも、聞こえるでしょう。敵に襲われたり、ライバルに雌を奪われたりしないように、小さい音なのです。
 アワノメイガ以外にも、雌を誘うため、同じように鳴くガが、いるそうです。それらのガについては、まだ、研究途上です。
 雌を誘う以外の理由で、鳴くガもいます。スズメガ科の数種のガは、「敵を脅すために、鳴く」といわれます。こちらの鳴き声は、ヒトにも聞こえます。「ちっちっ」とか、「きいきい」などと聞こえるようです。
 自然界は、きっと、ヒトの知らない音で、満ちているのでしょうね。


 「超音波で鳴く」アワノメイガの研究報告は、以下にあります。
 「蛾の密やかなラブソング:鱗粉による発音のメカニズムと交尾行動における機能の解明」(東京大学 農学生命科学研究科)



図鑑↓↓↓↓↓には、アワノメイガと同じメイガ科のクロスジノメイガ、シロオビノメイガ、ニカメイガ、モモノゴマダラノメイガが掲載されています。
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ぜひご利用下さい。


 過去の記事でも、ガ(蛾)の仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 アシナガバチ? いえ、カシコスカシバです(2008/09/15) 
 木に化けて冬を越す? シャクガ(2007/12/14)
 虚々実々の駆け引き、ガ(蛾)対コウモリ(2007/07/13) 
 木に付いた卵の正体は?(2007/03/07)
ミノムシ(蓑虫)は鳴く?(2006/11/15)
などです。

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