2008年11月11日
超深海でも活発なのは、シンカイクサウオ?
二〇〇八年の十月、日本のそばの海で、新たな発見がありました。水深が約7700mもある超深海で、活発に動く魚の姿が撮影されました。場所は、日本の茨城県沖です。日本海溝【にほんかいこう】という、世界中でもきわだって深い海です。
撮影されたのは、シンカイクサウオという魚だろうといわれます。正確な種名は、わかりません。もしかしたら、シンカイクサウオに似た別種かも知れません。
このニュースで、驚くべきことはいくつかあります。まず、約7700mもの超深海で、生きた魚の動画が撮れたことです。もう一つは、これほどの深海に、17尾もの魚が集まってきたことです。さらに、超深海の魚が意外に活発なことです。
深海の中でも、6000mを越える海は、特に変わった世界です。この深さでは、水圧が600気圧を越えます。こんな圧力のもとでは、普通の生き物の細胞は壊れてしまいます。細胞どころか、それを作る蛋白質【たんぱくしつ】自体が壊れます。
シンカイクサウオは、そんな超深海で生きられる数少ない魚です。今のところ「世界で最も深い海に棲む魚」の一種です。8000m近い海に棲めます。同じくらいの深さに棲めるのは、ヨミノアシロ、カイコウビクニンなどごく限られた種の魚です。
ちなみに、甲殻類(エビやカニの仲間)などは一万mの深さにも棲んでいます。
シンカイクサウオは、6000mより浅い海に現われることはないそうです。完全に、超深海に適応しているのでしょう。蛋白質さえ壊れる世界に、どのように適応しているのかはよくわかっていません。鰾【うきぶくろ】がないのは知られています。
一部で、シンカイクサウオはカサゴの一種と報道されています。これは、間違いとは言いきれませんが正確とも言えません。広い意味では、シンカイクサウオはカサゴの仲間です。カサゴ目【もく】クサウオ科に属するからです。
けれども、シンカイクサウオは、食用魚のカサゴとはずいぶん違います。超深海に適応しているからです。カサゴの一種というよりは、クサウオ科の一種としたほうがよいでしょう。こういう特殊な生き物は、どのように説明したらいいのか悩みます。
約7700mの超深海で撮影された魚のニュースは、以下にあります。
超深海で生きた魚類の撮影に成功(産経ニュース 2008/10/21)
図鑑↓↓↓↓↓には、今回、撮影されたのと同じカサゴ目【もく】の魚が何種か掲載されています。
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インターネット生物図鑑-zukan.net-
http://www.zukan.net
過去の記事でも、深海の生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
タスマニア沖で、二百以上の新種を発見(2008/10/14)
ウミユリ(海百合)は、海底に咲く花?(2008/08/25)
本当にあった不思議なカレイの話(2008/01/25)
新種のクシクラゲ?発見(2007/06/13)
などです。
松沢千鶴
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こんにちは、
2009年4月6日にこの深海魚の標本が公開されましたね。
ホルマリン浸けにされると生きていた時の姿と印象が変わりますね。
超深海に生息しているだけに引揚げた時点で死んでしまうのが悲しいです。
私のブログ
「超深海7700mに棲む深海魚シンカイクサウオ (YouTubeおもしろ爆笑動物館)」で
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コメントとトラックバック、ありがとうございます > チョモさん。
YouTubeの画像、見てみました。本当に、おたまじゃくしみたいな形ですね。
いつか、深海魚も、生きた姿で引き揚げられるようになると、いいですね。