2008年11月20日
ヒヨケザルの新発見、メガネザルの再発見
東南アジアから、二つの嬉しいニュースが届きました。新種の発見と絶滅したと思われた種の再発見です。
新種のほうは、ヒヨケザルというグループの哺乳類です。サルと付いても、ヒヨケザルは、サル(霊長目【れいちょうもく】)ではありません。皮翼目【ひよくもく】というグループです。皮翼目は、ヒヨケザル目【もく】とも呼ばれます。
これまで、ヒヨケザルには、二種しかいないと考えられていました。フィリピンヒヨケザルとマレーヒヨケザルです。ところが、マレーヒヨケザルのほうに、三種以上の種が含まれるとわかったのですね。DNA(遺伝子)を分析した結果です。
マレーヒヨケザルは、マレー半島、タイ、インドネシアのスマトラ島やジャワ島などに分布します。これほど広い地域に、一種しか分布しない、と思われていました。
それが、地域ごとに、違う種である可能性が、高くなりました。このような発見は、嬉しい驚きですね。反面、心配も出てきます。狭い範囲にしか分布しない生き物は、絶滅するおそれが高いからです。発見したての生き物を、滅ぼしたくありませんね。
再発見のニュースは、メガネザルに関するものです。こちらは、本物の霊長目です。ピグミーメガネザルという種が、再発見されました。非常に小型の、夜行性のサルです。
この種は、80年以上も、未確認でした。最後に確認されたのは、1920年代です。絶滅と思われたのは、無理もありません。
再発見の舞台は、インドネシアのスラウェシ島(セレベス島)です。もともと、ピグミーメガネザルは、スラウェシ島のごく一部にしか、いなかったようです。
その地域では、20世紀の後半に、大規模な森林伐採が行なわれました。このため、ピグミーメガネザルは、激減しました。彼らは、森林がないところでは、生きられません。
再発見は、喜ばしいですね。けれども、ピグミーメガネザルの危機は、去ったわけではありません。生息地の破壊が続けば、今度こそ、彼らは、絶滅してしまうでしょう。
ヒヨケザルとも、メガネザルとも、長く共存したいものです。
ヒヨケザルの新種のニュースと、ピグミーメガネザル再発見のニュースは、以下にあります。
"空飛ぶサル"は2種だけではなかった(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/11/10)
"絶滅"の霊長類、インドネシアで発見(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/11/17)
過去の記事でも、DNA(遺伝子)分析の結果、わかった新種や、絶滅したと思われたのに再発見された種を、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
絶滅種?のシカとカエルが、再発見される(2008/10/14)
百種を越える魚類が発見される(2008/9/30)
アフリカ中部で、新種の鳥を発見(2008/8/19)
新種・珍種がざっくざく、南硫黄島【みなみいおうとう】(2008/6/10)
などです。
松沢千鶴
パーマリンクhttp://blog.zukan.net/blog/2008/11/20-post_1130.php
トラックバックhttp://blog.zukan.net/MovableType4/mt-tb.cgi/1703
コメント