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2009年5月15日

卯月【うづき】に咲くから、ウノハナ?

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 「卯【う】の花の匂う垣根に~」という歌がありますね。初夏の季節を歌ったものです。この歌に登場する「卯の花」とは、どんな植物でしょうか?
 ウノハナの正式な種名は、ウツギ(空木)です。歌にあるとおり、初夏に、白い花を咲かせます。日本に自生する樹木です。昔は、生垣によく用いられました。
 なぜ、ウツギが、生垣にされたのでしょうか? 「刈り込みに強い」のが理由の一つです。垣根のために刈り込んでも、花をいっぱいに咲かせます。
 他にも、理由があります。昔は、ウツギの花が、農作業の目安にされました。
 ウツギの花は、梅雨が始まる前の時期に咲き始めます。農業には、雨が重要ですね。天気予報がない時代には、良い目安だったのでしょう。現在でも、地方によっては「ウツギの花盛りに、田を作れ」といった言い伝えがあります。
 ウノハナという別名は、このような言い伝えと関係があるようです。一般的には、「卯月に咲くから、卯の花」といわれますね。卯月とは、旧暦の四月のことです。現在の暦では、五月頃に当たります。確かに、この頃は、田植えの準備をする季節です。
 ウツギの花は、白く、細かいですね。この姿が、米粒を連想させたようです。このため、田を作る目安として、代表的な花になったのでしょう。
 正式な種名のウツギのほうは、木の中心部に中空の部分があることから、「空木」となりました。マルバウツギなどの近縁種にも、同じ特徴があります。
 以前、ウツギは、ユキノシタ科ウツギ属とされました。今は、アジサイ科ウツギ属とされることが多いです。同じウツギ属には、マルバウツギなど、いくつかの種が属します。
 ところが、ウツギ属ではないのに、「○○ウツギ」という種名の植物が、たくさんあります。コゴメウツギ、ツクバネウツギ、ドクウツギ、ノリウツギ、ハコネウツギ、フジウツギ、ミツバウツギなどです。少しでも似ていれば、「○○ウツギ」にされたようです。
 日本人は、よほど、ウツギが好きなのでしょう。万葉集にも、卯の花(本当のウツギ)の生垣があった、と書かれています。日本文化に、深く根ざした植物ですね。



図鑑↓↓↓↓↓には、ウツギと同じウツギ属のマルバウツギが掲載されています。また、名前が紛らわしいコゴメウツギ、ツクバネウツギ、ドクウツギ、ノリウツギ、ハコネウツギ、フジウツギ、ミツバウツギも載っています。
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 過去の記事でも、農作業の目安にされた生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 藤(フジ)のつるは右巻き? 左巻き?(2007/04/19)
 ハンゲとハンゲショウの関係(2006/07/01)
 田植えを促【うなが】す? ホトトギス(2006/05/03)


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