2009年6月 5日
カジカガエルは、河の鹿(シカ)?
日本の文化の一つに、「生き物の声を楽しむこと」がありますね。特筆すべきは、「鳥類以外の声も楽しむこと」です。昆虫やカエルなど、小動物の声です。
日本以外の国でも、鳥の声を楽しむことは、多いです。けれども、昆虫やカエルの声を「美しい」と聴く国は、少ないですね。どういうわけか、日本では、「虫の声を愛でる文化」が発達しました。そのために、虫籠【むしかご】という物も、発達しました。
昔の日本人は、昆虫以外の小動物も、「虫」と呼びました。両生類や爬虫類などです。コオロギなどと同じく、カエルの声を愛でるのは、自然な流れだったかも知れません。
中でも好まれたのが、カジカガエルの声です。このカエルは、渓流に棲みます。高く澄んだ声で鳴きます。あえて文字で書けば、「フィーフィー」という感じです。
この鳴き声は、ニホンジカの声に似るとされました。ニホンジカの雄(オス)が、繁殖期に出す声です。このことから、河鹿【かじか】と名づけられました。
江戸時代には、カジカガエルを飼うための、専用の容器までできました。河鹿籠【かじかかご】です。むろん、声を楽しむために飼いました。風流ですね。
ところが、「その声の正体が、カジカガエルだ」とわかったのは、歴史的には、最近のようです。これは、カジカガエルの外見が、目立たないからです。
彼らの体色は、渓流の石にそっくりです。目前の石の上にいても、気づきにくいです。このために、「渓流の魚が鳴く」と誤解されたこともありました。
カジカという種名の魚がいますね。渓流に棲む魚です。この種名は、「鳴く」と誤解されたために付きました。実際には、この魚は、鳴きません。
現在では、魚類のカジカは、漢字で鰍【かじか】と書きます。しかし、語源は「河鹿」のようです。紛らわしいので、本家のほうは、種名「カジカガエル」になりました。
万葉時代や平安時代に、単に「かはづ(かわず)」といえば、カジカガエルを指したようです。春のウグイスと並んで、和歌に歌われました。現代では、彼らのすみかが、減りつつあります。彼らを滅ぼしたら、日本の文化の一端を滅ぼすことになるでしょう。
図鑑↓↓↓↓↓には、カジカガエルが掲載されています。また、ニホンジカや、魚類のカジカも載っています。
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インターネット生物図鑑-zukan.net-
http://www.zukan.net
ぜひご利用下さい。
過去の記事で、カジカガエルと関連のあるニホンジカや、魚類のカジカを取り上げています。また、カジカガエルと同じアオガエル科のカエルも取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
平凡なカエルが危機に? アオガエル(青蛙)たち(2008/05/26)
秋に美味しい鰍【かじか】(2006/11/13)
シカの角は何本枝か?(2005/09/26)
などです。
松沢千鶴
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