2009年7月 6日
汚いなんて言わないで、日本の糞虫たち
お食事中の方は、ごめんなさい。今回は、排泄物のお話です。
世界には、動物の糞を食べる昆虫が、たくさんいます。有名なのは、『ファーブル昆虫記』に登場する「タマオシコガネ」でしょう。フンコロガシと呼ばれる、あの昆虫です。動物の糞を丸めて、転がします。食べるために、そうやって、糞を運びます。
残念ながら、日本には、ファーブルのタマオシコガネは、いません。けれども、動物の糞を食べる昆虫は、たくさんいます。タマオシコガネと同じ、コガネムシの仲間(甲虫)も、多いです。センチコガネ、エンマコガネ、ダイコクコガネなどです。
糞を食べる昆虫のうち、甲虫目【こうちゅうもく】に属するものを、通称で糞虫【ふんちゅう】と呼びます。英語でも、dung beetle(糞コガネムシ)と呼ばれます。
糞虫には、甲虫目コガネムシ科に属する種が多いです。エンマコガネ、ダイコクコガネ、マグソコガネなどです。他に、センチコガネ科に属する種も、多いですね。センチコガネや、ムネアカセンチコガネなどです。
ただし、ムネアカセンチコガネについては、分類に議論があります。また、この種は、「糞よりも、腐肉や朽ちた植物質など、他の物をよく食べる」といわれます。幼虫は、糞を食べるようですが、成虫が糞を主食にするのかどうかは、不明です。
日本には、糞を丸める糞虫はいないのでしょうか? います。ダイコクコガネの仲間が、そうです。しかし、丸めた糞を転がすことは、しません。土の中に糞を集めて、そこで丸めます。丸めた糞は、幼虫の食べ物になります。
糞虫は、一見、ただの汚い虫に見えますね。が、生態系の中では、大切な役割を果たしています。排泄物の分解を進めて、植物などの栄養を、豊かにするのです。「汚い」仕事を、進んで引き受けてくれている、といえます。
エンマ(閻魔)コガネやダイコク(大黒)コガネなど、糞虫には、神さまの名前が付いたものがいます。これらの名の由来は、わかっていません。もしかしたら、「汚いけれども、大切な仕事」をしている彼らに、敬意を示したのかも知れませんね。
図鑑↓↓↓↓↓には、糞虫の仲間として、クロマルエンマコガネ、センチコガネ、マグソコガネ、ミヤマダイコクコガネ、ムネアカセンチコガネが掲載されています。
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過去の記事でも、甲虫目【こうちゅうもく】の昆虫を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ハナムグリは、甘党のコガネムシ?(2009/04/03)
コガネムシは、自然体験の宝物(2008/07/14)
日本の陰の昆虫王者? マイマイカブリ(2006/08/05)などです。
松沢千鶴
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