2009年9月21日
桐一葉、落ちて天下の秋を知る?
日本の秋の季語に、桐一葉【きりひとは】というのがありますね。この言葉の大もとは、中国にあります。元は、「一葉【いちよう】落ちて天下の秋を知る」でした。大きな桐の葉が落ちる様子が印象深かったのでしょう。
ところが、ここで言う「桐」は、今の日本のキリではありません。アオギリ(青桐)という、別の種です。アオギリは、漢字では梧桐とも書かれます。
アオギリは、アオギリ科、またはアオイ科に属します。キリは、キリ科(異説もあります)です。分類上は、遠縁です。では、なぜ、同じ「桐」の字が付くのでしょうか?
本来、中国で「桐」と呼ばれたのは、アオギリだったと見られます。アオギリは、中国で尊ばれた木でした。「アオギリの木に、鳳凰が住む」という伝説が生まれたほどです。
アオギリの特徴の一つに、大きな葉があります。ヒトの手のような形をしています。これに似た葉の木に、多く「なんとか桐」という名が付けられました。尊いアオギリに、あやかろうとしたのでしょう。キリ科のキリも、中国名を「泡桐」と付けられました。
中国から日本へ、「桐」という字が伝わった時、どこかで取り違えが起きました。アオギリではなく、キリのほうに、「桐」の字を当ててしまいました。
おかげで、アオギリのものだった伝説も、キリに当てられました。日本では、「キリの木に、鳳凰が住む」といわれますね。中国でアオギリが尊ばれるように、日本では、キリが尊ばれます。「桐一葉」という季語も、普通には、アオギリでなく、「キリの葉が落ちる」と解釈されています。
アオギリも、日本で大事にされないわけではありません。例えば、あるアオギリの林が、国の天然記念物に指定されています。静岡県下田市のアオギリ自生地です。アオギリの自生地としては、ここが、世界最北だといわれます。
アオギリの分布は、謎が多いです。元来、日本に自生したのか、昔に大陸から持ち込まれたのか、わかっていません。最近の分子生物学を使えば、何かわかりそうです。優先順位が低い研究かも知れませんが、どなたか、やってくれないものでしょうか。
図鑑↓↓↓↓↓には、アオギリもキリも掲載されています。
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インターネット生物図鑑-zukan.net-
http://www.zukan.net
ぜひご利用下さい。
過去の記事で、アオギリと同じく「桐」の字が付くキリや、アブラギリなどを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
桐油は、キリ(桐)からは採れない?(2009/07/10)
桐【きり】の名前で、きりきり舞い?(2009/05/08)
セキヤノアキチョウジとは、どんな意味?(2008/09/05)※「キリツボ」という別名を持つアキチョウジを取り上げています。
などです。
松沢千鶴
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