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2010年2月 5日

昔は神さまだった? アビ

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 日本は、八百万【やおよろず】の神々がいる国ですね。昔の日本人は、ありとあらゆるものに神が宿ると考えたようです。動植物が神とされることも多くありました。
 瀬戸内海のある地方では、アビという鳥の仲間が神とみなされたことがありました。正確には、アビ科に属するシロエリオオハムという鳥です。
 アビ科の種はみな水鳥です。カモのように水に浮いて泳ぎます。けれども、アビとカモとは近縁ではありません。カモはカモ科に属します。
 日本で見られるアビ科の種は、アビ、シロエリオオハム、オオハムなどです。日本の多くの地方では冬鳥です。春から夏は、シベリアなどの北方にいます。
 シロエリオオハムが、日本で神とされたのは魚がいる場所を教えてくれたからです。彼らは、魚のいる海域に集まるのですね。魚食性だからです。漁師さんたちは、彼らの群れを目印に漁をしました。シロエリオオハムは、阿比神【あびがみ】と呼ばれたそうです。
 阿比神が教えてくれたのは、もっぱらイカナゴという魚でした。細長い魚です。成魚になると、全長が25cmくらいになります。幼魚のうちに、漁獲することも多いです。インナゴ、コウナゴ、カマスゴなどの方言名で知られています。
 イカナゴの漁は現在も続いています。しかし、アビ漁(シロエリオオハムの群れを目印にする漁)は、絶えてしまいました。日本に来るシロエリオオハムの数が減ったからです。もはや、魚に群れるほどのシロエリオオハムは瀬戸内海では見られません。
 彼らが減った原因は、主に環境破壊と考えられています。まず、彼らが食べるイカナゴが減りました。海底の砂を取りすぎたことが、イカナゴが減った原因だろうといわれます。イカナゴは、砂がない海には棲めません。砂にもぐって休眠するからです。
 アビ漁が行なわれた頃の瀬戸内海では、自然保護のお手本が見られました。神とまで呼ぶ鳥を、大切にしない人などいるはずがありません。豊かな海で、イカナゴを分け合うのは、鳥にとっても人にとっても、幸せなことだったろうと思います。
 自然環境の破壊は、文化まで破壊するのですね。悲しい実例です。


図鑑↓↓↓↓↓には、アビが掲載されています。
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 過去の記事でも、海に棲む鳥を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
都鳥【みやこどり】の正体は、ユリカモメ?(2009/01/23)
オオワシとオジロワシには、流氷が似合う(2008/02/08)
カモメは冬にしかいない?(2006/10/23)

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