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2010年4月19日

所属はどこですか? カサガイたち

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 春は、潮干狩りの季節です。娯楽と実益を兼ねて、海辺へ行く方もいるでしょう。今回は海岸でよく見られる生き物を紹介します。
 海辺の岩に、小さな円錐【えんすい】形の貝殻が、貼り付いているのを見たことがありませんか? ちょっと見たところでは、フジツボに似ています。
 これらの「円錐形の貝」は、フジツボの仲間ではありません。見た目どおり、貝の仲間です。フジツボは、貝よりもエビやカニに近縁です。
 これら円錐形の貝たちは、カサガイ(笠貝)と総称されます。昔の人がかぶった笠に似るからです。よく見ればフジツボとは、形が違います。時おり位置を動くのも、フジツボとの違いです。フジツボは、一度、付いた場所から離れられません。
 貝には、二枚貝と巻貝とがありますね。カサガイは、巻貝の仲間です。専門的には、軟体動物門【なんたいどうぶつもん】腹足綱【ふくそくこう】というグループに属します。
 巻貝の仲間なのにカサガイの殻は、巻いていませんね。なぜでしょう?
 じつは、カサガイと呼ばれる種は、すべてが同じグループに分類されるのではありません。いくつもの遠縁なグループにカサガイ型の種がいます。ただし、どの種も、腹足綱に含まれるのは同じです。腹足綱の中で、どのグループに属するかが違います。
 おそらく、最も多く「カサガイ」型の種が含まれるのは、腹足綱カサガイ目【もく】というグループです。このグループは、原始的な形の巻貝と考えられています。「巻貝が、巻くようになる前の姿」を残しているわけです。
 他に、例えば、有肺目【ゆうはいもく】カラマツガイ科の「カサガイ」たちがいます。このグループは、「普通の巻貝のはずが、巻かなくなった」と考えられています。
 カサガイ目の「カサガイ」も、有肺目の「カサガイ」も、外見はそっくりです。すみかも、同じ海岸です。同じように見えても体の構造は違います。
 「カサガイ」の分類はまだ途上です。腹足綱の分類自体が、組み替えの最中だからです。前記の分類も変わる可能性があります。小さな貝の分類も難しいのですね。


図鑑↓↓↓↓↓には、カサガイ目【もく】のウノアシ、マツバガイ、ヨメガカサが載っています。
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ぜひご利用下さい。

過去の記事で、「カサガイ」と紛らわしいフジツボ、カメノテを取り上げています。また、「カサガイ」と同じく海の岩場に棲む巻貝(アワビなど)や、有肺目の巻貝(カタツムリ)も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
フジツボは富士壷? 藤壷?(2008/09/29)
アワビという種名の貝はいない?(2008/01/14)
カタツムリの殻は右巻き? 左巻き?(2007/06/18)
などです。

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