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2010年6月11日

「つまま」の正体は、タブノキ?

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 今年、二〇一〇年は、平城京遷都千三百年祭ですね。奈良時代の文化に、関心が寄せられています。奈良時代は、万葉集が編纂【へんさん】された時代です。
 万葉集には、たくさんの動植物が登場します。その多くは、現在とは違う名で載ります。正体がわかっていない動植物もいくつかあります。
 長らく、正体が議論されたものに「つまま」があります。これを歌った短歌が、万葉集に一首あります。大伴家持【おおとものやかもち】が、越中【えっちゅう】に赴任している時に作った歌です。越中とは、現在の富山県ですね。
 歌によれば「つまま」とは、海岸に生えて、大木になる植物でした。これは、タブノキだという説が有力です。タブノキは、日本土着の植物です。私が調べた範囲では、石川県の能登地方に、タブノキを「つままのき」と呼ぶ方言が残っています。
 タブノキは、海岸によく生える木です。山にも生えます。けれども、雪深いところには、生えません。東北や北陸では、海岸沿いにしか生えないようです。常緑樹で、大木になります。万葉集の「つまま」と特徴がよく一致します。
 タブノキと似た木にクスノキがあります。クスノキとタブノキとは、同じクスノキ科に属します。似るのも道理ですね。ややこしいことに、タブノキを、「くすのき」と呼ぶ地方もあります。「くすたぶ」、「いぬぐす」、「たまぐす」などの呼び名もあります。
 じつは、万葉集など奈良時代以前の文献にある「くすのき」の一部は、タブノキを指すという説があります。奈良時代以前には、クスノキは、日本で一般的な木ではなかったからというのです。これは、どういうことでしょう?
 「クスノキは、日本土着の植物ではなく、大陸から人間が持ち込んだ」説があるのですね。そうだったとしても、それは、歴史時代に入る前のことです。だとしたら、奈良時代にはクスノキは、まだ、広く日本に根づいていなかったとも考えられます。
 昔は、タブノキとクスノキとが、あまり区別されなかったのかも知れませんね。あるいは、最初に「くすのき」と呼ばれたのは、現在のタブノキかも知れません。


図鑑↓↓↓↓↓には、タブノキとクスノキが載っています。
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ぜひご利用下さい。

過去の記事でも、クスノキ科の植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
この木なんの木、ナンジャモンジャの木?(2009/05/29)※地方によっては、クスノキを「ナンジャモンジャの木」と呼びます。
猛毒を食べる? アオスジアゲハ(2009/05/01
などです。

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