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2010年6月21日

日本初の大発見、セイスイガイ(勢水貝)

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 二〇一〇年の四月、日本の近海で、新種の貝が発見されたという報道がありました。これは、たいへん珍しいグループに属する種です。貝類の進化を知るために、重要です。大発見なのに、あまり話題にされませんでした。ここで紹介しましょう。
 発見された貝は、正式な日本語名(標準和名)を、セイスイガイと名づけられました。この貝が採集された時、使われた船の名「勢水丸」にちなんだそうです。
 セイスイガイは、軟体動物門【なんたいどうぶつもん】単板綱【たんばんこう】に分類されます。普通の貝も、同じ軟体動物門に属します。が、その下の綱【こう】のレベルで、分類が違います。二枚貝なら、二枚貝綱【にまいがいこう】に分類されます。巻貝なら、腹足綱【ふくそくこう】に分類されます。
 これまで、日本近海では、単板綱に属する種は未発見でした。セイスイガイが、どのくらいの大発見なのか、私たちヒトの例でたとえてみましょう。
 ヒトは、脊索動物門【せきさくどうぶつもん】哺乳綱【ほにゅうこう】に属します。通称、哺乳類と呼ばれるグループですね。たとえて言えば「日本列島に一種も哺乳類がいなかったのに、初めて、哺乳類に属する種が見つかった」というのと同じレベルです。
 セイスイガイの外見は、カサガイという巻貝の仲間にそっくりです。けれども、カサガイは、腹足綱に属します。単板綱とは、体の構造がまったく違います。カサガイについては、「所属はどこですか? カサガイたち」(2010/4/19)を参照して下さい。
 セイスイガイは、なぜ、今まで見つからなかったのでしょうか? 深海に棲むからです。約800mの水深から採集されました。三重県の志摩半島沖です。
 単板綱の種は、世界中で三十種ほどしか見つかっていません。じつは、生きている種より、化石のほうが先に発見されました。単板綱は、絶滅したグループだと思われてきたのです。それが、一九五〇年代に、生きている種が発見されました。
 つまり、単板綱の種は、生きている化石です。三億年以上前に栄えて、ごくわずかが生き残ったと考えられています。こんな新種が、まだ見つかるのは楽しいことですね。


図鑑↓↓↓↓↓には、残念ながら、セイスイガイは載っていません。かわりに、セイスイガイと同じ軟体動物門【なんたいどうぶつもん】の生き物が、七十種以上載っています。
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ぜひご利用下さい。

新発見のセイスイガイのニュースは、以下に載っています。
志摩沖に新種の貝 三重大研究員ら日本近海で(中日新聞 2010/04/10)
「生きた化石」新種貝発見 三重大研究員ら(西日本新聞 2010/04/09)
3億年前に絶滅の新種貝を公開 三重大研究 グループが発見(西日本新聞 2010/04/10)※セイスイガイの画像があります。

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