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2010年8月 6日

ヒシ(菱)は、女神さまの好物?

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 菱形【ひしがた】と呼ばれる形がありますね。◆のような形です。この名は、ヒシという植物に由来します。ヒシは、葉や果実の形が、◆のような形をしています。
 ヒシは、水草です。淡水の池や沼に生えます。スイレンなどと同じく、葉を水に浮かべます。根は、水底の土にあります。長い茎で、水上の葉とつながっています。
 ヒシの果実は、食用になります。ゆでたり蒸したりして食べるそうです。
 日本では、少なくとも奈良時代から、ヒシの果実を食べていたと考えられます。万葉集に、ヒシが登場するからです。『君がため浮沼【うきぬ】の池に菱摘むと』と詠まれています。「あなたのために、わざわざ水上のヒシを摘むんだよ」という意味ですね。
 もちろん、摘んだヒシ(の果実)は、食用にしたのでしょう。生活が厳しい時代に、食べられる物を、食べずに済ませたとは考えにくいです。
 アイヌの人たちも、ヒシを食用にします。アイヌ語では、ヒシの果実をペカンペといいます。「水の上にあるもの」という意味だそうです。
 ヒシを収穫する前に、アイヌの人たちは、お祭りをします。ヒシの実りを感謝し、採取のお許しを願うお祭りです。それだけ、ヒシが重要な食料なのですね。
 ヒシが分布するところでは、どこでも、食用に重視されたようです。日本のヒシと同じ種は、東アジアに広く分布します。「中央アジアや南アジアにまで分布する」説もあります。正確には、ヒシの分布は、わかっていません。
 日本のヒシと同種、または、近縁のヒシ属の一種が、中央アジアや南アジアに分布するのは確かです。ラテン語の学名では、Trapa bispinosa【トラパ・ビスピノサ】という種だろうといわれます。この種も、現地で食べられています。
 Trapa bispinosaの果実は、「ある女神の好物だ」と言い伝えられます。インドの女神、ラクシュミーです。ラクシュミーは、仏教に取り入れられて、吉祥天となりました。
 仏教は、いにしえの平城京で栄えましたね。奈良の薬師寺に、吉祥天の美麗な図が伝わります。吉祥天は、日本のヒシもお気に召したでしょうか。
図鑑↓↓↓↓↓には、ヒシが掲載されています。
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過去の記事でも、水辺の植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
雑草か食草か? コナギとミズアオイ(2010/06/04)
スイレンとハスはどう違う?(2006/07/13)
たくましく生きる食虫植物タヌキモ(2005/11/04)
などです。

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