図鑑.netブログ- zukan.net -

http://blog.zukan.net/blog/

2010年8月20日

万葉時代のハイカラ植物? ケイトウ

ico_weather_kumori.gif


 ケイトウ(鶏頭)という植物がありますね。日本人なら、おそらく、誰もが見たことがあるでしょう。名のとおり、ニワトリ(鶏)のとさかに似た花が咲きます。花壇などに、よく植えられます。野生化して、道端などに咲いているものもありますね。
 ケイトウは、日本の原産ではありません。原産地は、熱帯アジアのどこかだといわれます。はっきりとは、わかっていません。古い時代から、栽培されているからです。
 ケイトウが日本に入ったのは、奈良時代以前です。なぜ、それがわかるかといえば、万葉集にケイトウが登場するからです。
 万葉集では、ケイトウは、「からあゐ【からあい】」と呼ばれます。漢字で書けば、「韓藍」です。「韓の国から来た藍」という意味ですね。当時のケイトウは、外国から伝わったばかりだったのでしょう。知識人が誇る、ハイカラな植物だったのだと思います。
 熱帯アジア原産の植物が、千三百年ほども前にすでに日本に来ていたとは驚きですね。単に花を観賞するためだけに、ケイトウは伝えられたのでしょうか?
 そうではないようです。ケイトウは、染色にも使われた形跡があります。万葉集の歌に、『秋さらばうつしもせむと わが蒔【ま】きし 韓藍の花を』とあるからです。この歌にある『うつし』とは、「色を移す」意味です。
 万葉の人は、着物を染めるのに植物を使いました。ケイトウも、普通に考えれば、衣服の染色に使ったのでしょう。だから、染料植物と同じく、藍【あい】の名で呼びました。
 けれども、ひょっとしたら、違う染色に使ったかも知れません。食べ物の染色です。
 ケイトウの原産地に近い(と思われる)インドでは、ケイトウを、赤いカレーを作るのに使ったといいます。現在でも、インド・パキスタン国境地帯のカシミールでは、「料理にケイトウの花を使う」と聞いています。アフリカでも、ケイトウを食べるそうです。
 日本でも、ケイトウの花が、食用にされたことがありました。奈良時代より、だいぶ下りますが、江戸時代初期の料理書に、ケイトウのレシピが載っています。
 万葉の人は、どんなふうにケイトウを使ったのでしょう? 訊いてみたいですね。
図鑑↓↓↓↓↓には、ケイトウが掲載されています。
ban_zukan.net.jpg
インターネット生物図鑑-zukan.net-
http://www.zukan.net
ぜひご利用下さい。

過去の記事でも、昔、染色に使われた植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
雑草か食草か? コナギとミズアオイ(2010/06/04)※万葉集で、『苗代のこなぎが花を衣【きぬ】に摺【す】り』と歌われます。
アヤメ? いえ、カキツバタです(2010/05/14)※万葉集で、『かきつばた 衣【きぬ】に摺【す】りつけ』と歌われます。
源氏物語のヒロインも嘆く? ムラサキの運命(2008/06/06)
ツユクサの青は、染めものに使える?(2007/08/29)
などです。

http://blog.zukan.net/blog/2010/08/20-820_4.php
トラックバックhttp://blog.zukan.net/MovableType4/mt-tb.cgi/5835

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL
http://blog.zukan.net/MovableType4/mt-tb.cgi/5835

コメント

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)