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2010年9月 3日

クズ(葛)の葉は、「うらみ」がましい?

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 クズは、秋の七草の一つに挙げられますね。秋の七草は、万葉集の山上憶良【やまのうえのおくら】の歌に由来します。奈良時代から、はるばる現代にまで伝わっているわけです。日本の文化遺産の一つでしょう。
 けれども、クズの花をしげしげと眺めたことのある人は、少ないのではないでしょうか? クズは、葉がよく茂るので花が隠れやすいのですね。
 クズの花は、フジ(藤)の花と形が似ています。同じマメ科だからです。房になるところも、似ていますね。ただ、色は違います。クズのほうが赤っぽいです。
 フジの花は、ぶら下がって咲きますね。クズの花は、それと対照的に房を持ち上げて咲くことが多いです。時には、つるの具合で下がって咲くこともあります。
 クズの花は、食べられることを御存知ですか? ゆでて酢漬【すづけ】にしたり、天ぷらにしたりすると美味しいそうです。目に美しく、香りも良く、味も楽しめる一品です。クズが雑草になって、困っているなら、試してみたいものですね。
 万葉歌人の山上憶良は、クズの花を愛でました。しかし、他の歌人たちは、クズの花よりも、葉を重視したようです。特に目立つ葉とは思えないのになぜでしょう?
 それは、クズの葉の裏が白いことに、理由があります。風が吹くと、葉がめくれて、白い裏が見えますね。その様子に、秋らしい、わびしい風情を感じたようです。裏が見える「裏見」と「恨み」とを掛け言葉にした和歌がたくさんあります。
 有名な歌として、『恋しくばたずね来てみよ和泉【いずみ】なる信太【しのだ】の森のうらみ葛の葉』があります。これは、「キツネがヒトの女性に化けて、ヒトの男性と結婚した」伝説に関わる歌です。正体がばれたため、キツネは、この歌を詠んで、姿を消します。
 一般的には、このキツネの名は、「葛【くず】の葉」だとされます。これは、おそらく、後付けの説です。歌のほうが、先にあったのでしょう。恨みを述べるのに、「葛の葉」を使うところが、風流ですね。そこから、人々が、想像力を働かせたのだと思います。
 私たち現代人も、たまには、秋の草木に風流を感じたいですね。

図鑑↓↓↓↓↓には、クズ、「葛の葉」伝説に登場するキツネが掲載されています。
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ぜひご利用下さい。

過去の記事でも、秋の七草を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
常夏の花とは、どんな花?(2008/8/20)
古代の「朝顔」は、キキョウ(桔梗)?(2008/08/08)
フジバカマは桜餅【さくらもち】の香り?(2007/9/10)
などです。

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