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2010年11月29日

楓【かえで】? いえ、楓【ふう】の木です

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 公園などの木には、種名のプレートが付いていることがありますね。「この木は、何という名前かな?」と調べるのも楽しいものです。
 ところが、種名が付いていても、困ることがあります。種名が、漢字で書かれている場合です。動植物の漢字名には、複数の読み方があるものが少なくありません。
 例を挙げてみましょう。「楓」という漢字です。日本語ではこの字は、「かえで」と読まれることが多いですね。カエデ科カエデ属の植物を指します。
 けれども、「楓」には、別の読み方もあります。「ふう」という読みです。「ふう」と読んだ場合は、マンサク科フウ属の植物を指します。カエデとは、まったく違う植物です。
 漢字の故郷の中国では、「楓」の字は、フウのほうを指していました。それが、日本に伝わった時、間違えてカエデに当てられてしまいました。
 日本には、もともとフウ属の植物はありませんでした。フウ属とカエデ属とは、遠縁ですが、葉の形が似ます。このため、「楓」が、カエデだと誤解されました。
 中国には、フウ属の一種であるフウという種が、自生します。現在では、日本でも、フウを見ることができます。人間により移植されたからです。
 フウ属の一種に、モミジバフウ(紅葉葉楓)という種名のものがあります。日本の公園にあるのは、フウよりも、モミジバフウのほうが多いようです。モミジと名に付いても、カエデ属ではありません。フウ属です。紛らわしいですね。
 モミジバフウは、北米大陸の原産です。このため、アメリカフウ(アメリカ楓)という別名があります。日本には、大正時代に移入されました。
 フウ属の植物は、不思議な分布をしています。中国や台湾などの東アジアに二種、トルコなどの西アジアに一種、北米から中米の東部に一種、という具合です。大陸がつながっているのに、中央アジアやヨーロッパには、自生種がないようです。
 似た分布の植物は、他にも知られます。「このような分布は、地球の歴史と関わりがある」と考えられています。フウ属を調べれば、地球の秘密がわかるかも知れません。


図鑑↓↓↓↓↓には、フウ属の一種のモミジバフウが掲載されています。
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ぜひご利用下さい。

過去の記事でも、読み方により、違うものを指す生き物の名前を、取り上げています。また、フウ属のように、不思議な分布の生き物も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ヨーロッパ独りぼっち? レンギョウ(2010/03/12)
生き別れの親類が再会? ヤマボウシとハナミズキ(2008/05/19)
大山椒魚(オオサンショウウオ)は冬眠しない?(2007/02/05)
などです。

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