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2010年12月18日

奇跡の復活! クニマス

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 とても嬉しいニュースが、飛び込んできました。「絶滅したと思われたクニマスという魚が、生きていた」というのです。
 クニマスは、サケ科の魚です。世界中で、日本の秋田県の田沢湖にだけ分布していました。最後に田沢湖でクニマスが確認されたのは、1940年ころです。それ以来、約70年が経ちました。世界からクニマスは消えてしまったと思われました。
 ところで、再発見された場所は、田沢湖ではありません。山梨県の西湖【さいこ】です。富士五湖の一つですね。なぜ、こんな離れた場所に、クニマスがいるのでしょうか?
 じつは、1935年ころ、田沢湖から西湖へ、クニマスの卵が持ち込まれたことがあるそうです。その時の子孫が、生き残っていたと考えられます。
 クニマスについては、詳しいことがわかっていません。調査が進む前に、絶滅した(と思われた)からです。「サケ科の中で、どの位置に分類されるのか」という、基本的なことさえ不明です。以前から、「クニマスは、独立種なのか?」という議論がありました。
 クニマスは、同じサケ科の中の、ヒメマスという種に似ています。このため、「クニマスは独立した『種』ではなく、ヒメマスの『亜種』だ」という意見があります。
 いっぽう、「クニマスはヒメマスに似るが、伝承によれば、生態が違う。独立種だ」という意見もあります。ヒメマスの亜種とすれば、クニマスのラテン語の学名は、Oncorhynchus nerka kawamuraeです。独立種ならば、Oncorhynchus kawamuraeです。
 この議論には、永遠に決着がつかなと考えられました。クニマスの生きた個体が、もはや見られなかったからです。しかし、再発見のおかげで調査が進むでしょう。
 なお、ニュースによっては、「クニマスは、ベニザケの亜種」と説明しています。これは、間違いではありません。ヒメマスとベニザケとは、同じ種だからです。正確には、ベニザケのうち、海へ下らずにずっと淡水で過ごすものをヒメマスと呼びます。
 再発見されても、クニマスの将来は、安心できません。おそらく、個体数は、とても少ないはずです。早急に、彼らを保護する手だてが進んで欲しいですね。


クニマス再発見のニュースは、以下に載っています。
絶滅種クニマス、70年ぶり確認=秋田・田沢湖の固有種、山梨・西湖で-京大教授ら(時事通信、2010/12/15)


図鑑↓↓↓↓↓には、日本のサケ科の魚が、五種ほど掲載されています。
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ぜひご利用下さい。

過去の記事でも、「絶滅か?」と思われた生き物の再発見を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ミフウズラは、ウズラじゃない?(2009/03/24)
ヒヨケザルの新発見、メガネザルの再発見(2008/11/20)
絶滅種?のシカとカエルが、再発見される(2008/10/14)
新種・珍種がざっくざく、南硫黄島【みなみいおうとう】(2008/06/10)
ダイトウウグイス復活!(2008/05/29)

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