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2010年12月20日

幸せな共生の形、ドロバチとダニ

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 ダニといえば、普通は嫌われ者ですね。他の動物の血を吸ったり、アレルギーの原因になったりするからです。
 ところが、最近、他の動物の役に立つダニが発見されました。二〇〇八年のことです。
 そのダニは、キタドロバチヤドリコナダニという種名です。名のとおり、キタドロバチというハチ(蜂)の巣に棲みます。
 キタドロバチは、ミツバチなどと違い、集団生活をしません。単独で暮らします。母親になるハチが、独力で、子のために巣を作ります。このハチの巣に、キタドロバチヤドリコナダニが棲むことは、以前から知られていました。
 ダニは、巣の中で、キタドロバチの幼虫の体液を吸って育ちます。これでは、ただの寄生虫に見えますね? でも、通常、体液を吸われても、キタドロバチの幼虫には害はありません。逆に、ダニは、幼虫を守る働きをするとわかりました。
 キタドロバチには、恐ろしい敵がいます。その敵を、ダニが退治してくれるのです。
 キタドロバチの敵とは、クロヒラタコバチという別の種のハチです。このハチは、キタドロバチの巣に侵入して、キタドロバチの幼虫に卵を産みつけます。クロヒラタコバチの幼虫が孵化【ふか】すると、キタドロバチの幼虫を食べてしまいます。
 ここで、ダニの出番です。ダニは、押し入ってきたクロヒラタコバチを攻撃します。おおむね、七匹以上のダニがいればクロヒラタコバチを殺せるそうです。
 ダニは、いわば、キタドロバチの用心棒です。キタドロバチの幼虫は、守ってもらうかわりに、自分の体液を与えるわけです。ギブ・アンド・テイクが成り立っていますね。
 ダニは、昆虫に似ていますが、昆虫の仲間(昆虫綱【こんちゅうこう】)ではありません。クモ綱【こう】ダニ目【もく】に属するものを、ダニと総称します。
 ダニの仲間は、二万種以上いるといわれます。数が多いだけに、暮らし方も多様です。キタドロバチヤドリコナダニのように、他の生き物の役に立つダニは、他にもいるでしょう。こんな面白い生態は、解明が進んで欲しいですね。


図鑑↓↓↓↓↓には、ハチの仲間が、十種以上掲載されています。
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キタドロバチと、キタドロバチヤドリコナダニとの関係は、以下のページに詳しく載っています。
ダニを用心棒にするハチがいた! ~アトボシキタドロバチとキタドロバチヤドリコナダニとの相利関係~(森林総合研究所のサイト内ページ)
過去の記事でも、共生する生き物同士を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
光るイカは、ホタルイカだけじゃない?(2009/6/22) ※イカと細菌の共生です。
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キチョウの雄(オス)が雌(メス)になる?(2007/09/03) 
※キチョウ(チョウの一種)と細菌との共生です。
腸内細菌が進化の決め手? マルカメムシ(2007/06/21) 
※マルカメムシ(カメムシの一種)と細菌との共生です。
海中のサンタクロースはエビ?(2006/12/10) ※エビの一種と魚との共生です。
花が咲かないのに実がなる? イチジク(2006/10/06) 
※イチジクとイチジクコバチ(ハチの一種)との共生です。
などです。

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