2011年9月 9日
アキノタムラソウは、タムラソウと近縁か?
/ ![]()
植物の中には、種名に「秋の~」と付くものがあります。アキノキリンソウ(秋の麒麟草)、アキノタムラソウ(秋の田村草)、アキノノゲシ(秋の野芥子)などです。
これらの種には、それぞれ、似た種名の別種があります。アキノキリンソウに対しては、キリンソウ(麒麟草)が、アキノタムラソウに対しては、タムラソウ(田村草)が、アキノノゲシに対しては、ノゲシ(野芥子)があります。
既存の種名に、「秋の」を付けたのですから、これらは、当然、秋に見られる植物だと思いますよね。「姿も似る」と思うのが、普通でしょう。ところが、そうとは限りません。
例えば、アキノキリンソウと、キリンソウとを、比べてみましょう。
アキノキリンソウは、名のとおり、秋に花を咲かせます。キリンソウは、初夏から夏に、花を咲かせます。この点はいいのですが、アキノキリンソウと、キリンソウとは、姿が似ていません。黄色い花が咲く点が、共通しているだけです。
しかも、アキノキリンソウと、キリンソウとは、近縁でもありません。アキノキリンソウは、キク科に属します。キリンソウは、ベンケイソウ科です。
アキノタムラソウと、タムラソウとの場合は、もっと、違いがはなはだしいです。
アキノタムラソウは、初夏から秋が花期です。タムラソウは、秋が花期です。「秋の」が付かないタムラソウのほうが、秋に咲く、不思議なことになっています。
アキノタムラソウと、タムラソウとは、外見も、まったく似ていません。アキノタムラソウは、細長い柄に、オドリコソウに似た花が、ぽつぽつと咲きます。タムラソウのほうは、アザミにそっくりな花が咲きます。「棘のないアザミ」という表現が、ぴったりです。
さらに、分類も違います。アキノタムラソウは、シソ科です。タムラソウは、キク科です。これほど違う種に、なぜ、共通する種名が付いたのかは、わかっていません。
アキノノゲシと、ノゲシとの場合は、これまでの例とは、違います。この二種は、同じキク科に属します。姿も似ています。花期は、アキノノゲシのほうが、秋です。ノゲシは、春から秋にかけてです。このくらい似ていれば、種名が似るのも、納得できますね。
図鑑↓↓↓↓↓には、アキノキリンソウ、キリンソウ、アキノタムラソウ、タムラソウ、アキノノゲシ、ノゲシが掲載されています。
![]()
インターネット生物図鑑-zukan.net-
http://www.zukan.net
ぜひご利用下さい。
過去の記事でも、紛らわしい種名を持つ植物を取り上げています。また、今回取り上げたキリンソウについても、載っています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
キリンソウの名の由来は?(2011/07/01)
「ウコン」に御注意(2011/06/17)
芝【しば】と柴【しば】との違いは?(2011/05/20)
ヤマブキ(山吹)? いえ、違います(2011/04/29)
シャガは、「日本のアイリス」か?(2011/04/22)
などです。
松沢千鶴
パーマリンクhttp://blog.zukan.net/blog/2011/09/09-99_5.php
トラックバックhttp://blog.zukan.net/MovableType4/mt-tb.cgi/6224
コメント