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2011年10月 7日

盗人みたいにこっそり付く? ヌスビトハギ

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 森の中や、草の茂ったところを通ると、衣服に、植物の果実が付いてくることがありますね。植物の中には、動物の体にくっつきやすい果実を付けるものがあります。動物に運んでもらって、広い範囲に子孫を増やそう、という狙いです。
 ヌスビトハギ(盗人萩)は、そういった植物の代表的なものです。ヌスビト(盗人)という名が、面白いですね。こんな名が付いたのには、二つの説があります。
 「この果実の形が、盗人の足跡に似るから」というのが、一つです。もう一つの説では、「ヒトや、その他の動物にこっそり付く様子が、盗人のようだから」といいます。どちらの説が正しいのかは、わかっていません。
 どちらにせよ、ヌスビトの名は、果実がくっつく様子から付けられたようです。そこが一番、目立つ特徴だからでしょう。では、ハギ(萩)のほうの由来は?
 ヌスビトハギの花は、ハギの花の形に似ています。同じマメ科だからです。花が似るために、ハギの名が付きました。
 とはいえ、ハギの一種かといえば、そうは言い切れません。ハギとは、マメ科ハギ属に属する種の総称だからです。ヌスビトハギは、マメ科ヌスビトハギ属に属します。「外見が似ていて、分類的にも近縁だけれど、少し違う」ややこしい関係です。
 ヌスビトハギ属には、ヌスビトハギと似た種が、いく種も含まれます。おまけに、同じヌスビトハギの中でも、変異が多いです。亜種も、いくつもあります。このため、ヌスビトハギ属の種を確定するのは、容易ではありません。
 じつは、ヌスビトハギとは、マルバヌスビトハギという種の一亜種です。マルバヌスビトハギには、他にも、ケヤブハギ、ヤブハギなどの亜種があります。いろいろな亜種を含めたマルバヌスビトハギは、日本国外にも、広く分布します。
 お隣の中国では、ヌスビトハギ属の植物を、薬に使うそうです。日本のヌスビトハギにも、薬効があるのでしょうか? だとすれば、ヌスビトハギは、不名誉な名にもかかわらず、人の役に立つことになりますね。

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過去の記事でも、マメ科の植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
淀殿草【よどどのくさ】とは、どんな植物?(2011/4/14)
タンキリマメで、痰【たん】が切れる?(2011/1/10)
エニシダは、魔女の帚【ほうき】になる?(2009/4/6)
藤(フジ)のつるは右巻き?左巻き?(2007/4/19)
ハギという植物はない?(2005/9/27)
などです。

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