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2011年10月17日

宿主をあやつる、フクロムシの驚異

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 寄生生物という名の響きは、ちょっと怪しげですよね。実際、寄生生物には、私たちの想像を絶する生活ぶりのものが多いです。
 今回は、そのような寄生生物の仲間を紹介しましょう。フクロムシです。
 磯で、カニやヤドカリの腹部に、袋状のものが付いているのを、見たことがありませんか? それは、フクロムシの一種かも知れません。
 フクロムシの仲間は、海に棲みます。カニ、エビ、ヤドカリなどの節足動物に寄生します。最も目にする可能性が高いのは、おそらく、ウンモンフクロムシという種でしょう。この種は、磯によくいるイソガニ、イワガニ、ヒライソガニに寄生するからです。
 ウンモンフクロムシは、一見、カニの卵のように見えます。カニの腹部から、フクロムシの体の一部がはみ出して見えるため、「卵を抱いている」と勘違いされやすいです。
 カニの卵のように見える部分は、フクロムシの体の一部です。エキステルナと呼ばれます。この部分には、フクロムシ自身の卵が、いっぱい詰まっています。
 フクロムシの本体は、カニの体内にあります。こちらは、インテルナと呼ばれます。インテルナは、植物の根のように、カニの体中に張り巡らされています。この部分が、カニから栄養を奪います。カニにとっては、災難ですね。
 災難は、他にもあります。寄生された宿主は、繁殖ができなくなるのです。
 なぜ、そうなるのでしょうか? 繁殖とは、とてもエネルギーを使う行為だからです。フクロムシにとっては、宿主から取れる栄養が、減ることになります。「そんな行為は許せない」とばかりに、フクロムシは、宿主の繁殖能力を奪います。
 ウンモンフクロムシに寄生されたカニが、雄だった場合は、さらに悲劇的なことになります。雄なのに、雌のようにふるまうカニになります。まるで卵を抱く雌のように、カニは、フクロムシのエキステルナの世話をします。
 宿主のカニは、結局、フクロムシの繁殖の手伝いまでさせられます。外見からは、袋のようにしか見えない生き物が、ここまでするとは、自然の驚異の一つですね。

図鑑↓↓↓↓↓には、ウンモンフクロムシの宿主となるイソガニ、イワガニ、ヒライソガニが掲載されています。
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ぜひご利用下さい。

過去の記事でも、寄生生物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ススキの下で、何を思う? ナンバンギセル(2010/09/10)
恐るべき?社会寄生、トゲアリ(2010/07/12)
年に二回、花が咲く? エゴノキ(2010/05/28)
ハリガネムシ(針金虫)は、ヒトに寄生する?(2008/08/27)
キチョウの雄(オス)が雌(メス)になる?(2007/09/03)
などです。

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