2012年1月27日
イチイ(一位)は、位の高い木?
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冬でも、青々と葉を茂らせている木を、常緑樹と呼びますね。日本には、たくさんの常緑樹があります。その中の一種が、イチイです。イチイ科イチイ属に属します。
イチイは、北海道から九州まで分布します。どちらかといえば、寒い地方に多いです。北海道や東北で、よく見られます。街路樹などにされることも、多いです。
イチイとは、変わった種名ですよね。この名の由来には、いくつかの説があります。有力なのは、「昔、イチイの木材を、笏【しゃく】の材料にしたから」という説です。
笏とは、朝廷で、威儀を正すために用いる物でした。そのために、「一位」という高い位が与えられたといわれます。この説が正しいとは限りません。他の説もあります。
イチイには、オンコ、アララギなどの別名があります。オンコとは、北海道などでの方言名です。よく誤解されますが、アイヌ語名ではありません。
アイヌ語では、イチイは、クネニと呼ばれるそうです。クネニの意味は、「弓になる木」です。アイヌの人たちは、伝統的に、イチイで、狩猟用の弓を作りました。
イチイ属の他の種で、同じ用途にされたものがあります。ヨーロッパイチイです。
ヨーロッパイチイは、名のとおり、ヨーロッパに分布します。ヨーロッパでは、旧石器時代から、この木で弓が作られてきました。古い地層から、ヨーロッパイチイ製の弓が見つかっています。中世のヨーロッパでも、この木の弓が、武器に使われました。
イチイ属のラテン語の学名Taxusは、弓という意味を持ちます。ヨーロッパイチイが、弓に使われたことに由来します。
ヨーロッパイチイと、日本のイチイとは、外見が似ます。どちらも常緑樹で、赤い果実がみのります。果実の赤い部分―仮種皮という部分です―は、食べられます。
両種は、木材の性質も似ています。成長が遅いために、材が稠密【ちゅうみつ】になり、丈夫な木材となります。弓に使われるのは、それなりの理由があるのですね。
イギリスの古い教会には、ヨーロッパイチイがあることが多いそうです。神聖な木とみなされたのでしょう。笏にされた日本のイチイと、どこかしら通じますね。
図鑑↓↓↓↓↓には、イチイが掲載されています。
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過去の記事でも、神聖視された常緑樹を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
仏像の材料になったのは、何の木?(2011/11/04)
サカキ(榊)は、神さまの木?(2008/12/22)
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などです。
松沢千鶴
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