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2012年2月24日

民話に登場? カクレミノ(隠れ蓑)

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 今回は、面白い種名の植物を紹介しましょう。カクレミノです。民話に登場する魔法の道具「隠れ蓑」に由来する種名です。植物のカクレミノは、日本に自生します。
 カクレミノの外見は、普通の樹木です。とりたてて変わった姿ではありません。では、なぜ、こんな種名が付いたのでしょうか? 葉の形により、付いたといわれます。
 カクレミノの葉は、形に特徴があります。若木の頃と、老木になってからとでは、形が変わります。若木の頃は、三つから五つに先が分かれていて、カエルの手のような形をしています。老木になると、分かれがなくなり、普通の楕円形の葉になります。
 若木の葉の形が、民話の「隠れ蓑」に似ているというのですね。豊かな想像力に基づく名前だと思います。私では、ちょっと、思いつきません(笑)
 カクレミノは、日本の神話にも登場するといわれます。古事記や日本書紀にある「みつながしは【みつながしわ】」という植物が、カクレミノだとされることが多いです。
 古事記や日本書紀では、仁徳天皇の皇后が、紀の国【きのくに】(現在の和歌山県)へ、「みつながしは」を採りに行ったと書かれます。「みつながしは」は、神聖な宴会に使う植物でした。その葉を、食器に使ったのだろうとされます。
 「みつながしは」の正体は、いろいろと議論されてきました。カクレミノではないという説もあります。他の候補としては、オオタニワタリ、マルバチシャノキ、アカメガシワなどの植物が挙げられます。どれも、食器に使えそうな、大きめの葉の植物です。
 カクレミノが「みつながしは」の有力候補になったのは、現在でも、カクレミノの方言名に、「みつながしわ」や「みつでがしわ」というものがあるからです。しかも、地方によっては、神前に供物を捧げる時、カクレミノの葉を使う習慣がありました。
 とはいえ、いくつかの謎が残っています。例えば、カクレミノは、仁徳天皇のいた都(奈良県)にも分布します。それなら、なぜ、わざわざ、紀の国まで採りに行ったのでしょうか? カクレミノではない、紀の国にしかない植物だったのでしょうか?
 古代の謎と、現在も生きる植物とが結びついています。ロマンを感じますね。
図鑑↓↓↓↓↓には、カクレミノが掲載されています。
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過去の記事でも、古事記や日本書紀に登場する植物を取り上げています。また、カクレミノ以外に、「みつながしは」の正体ではないかといわれる植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
現代では嫌われ者? スギ(杉)(2012/02/10)
古事記に登場するカシの木(2012/02/03)
アカメガシワの芽は、なぜ赤い?(2010/4/12)
日本一の大輪の花、ホオノキ(朴の木)(2006/05/19)※ホオノキは、「みつながしは」の正体とされることがあります。
などです。

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