図鑑.netブログ- zukan.net -

http://blog.zukan.net/blog/

2012年12月10日

ハオリムシ(羽織虫)の分類は?

ico_weather_hare.gif

 深海生物がお好きな方なら、ハオリムシという名を聞いたことがおありでしょう。主に深海に棲む無脊椎動物です。英語名のチューブワームで呼ばれることもあります。
 英語名のとおり、ハオリムシは、細長い管(チューブ)の中で、生活しています。管は、海底の岩などに付いています。管の中の体は細長く、眼も口もありません。
 眼がないのは、不思議ではありませんね。深海生物ですから。でも、口がないのは、どういうわけでしょうか? 食べ物を、どうやって食べるのでしょうか?
 ハオリムシは、そもそも、「食べる」ことをしません。このため、排泄【はいせつ】もしません。口ばかりでなく、肛門も、消化器官もありません。
 では、どうやって、生きるための栄養を得ているのでしょうか? 他の生物が作る栄養を、もらって生きています。そのための生物が、ハオリムシの体内にいます。
 それは、硫黄酸化細菌【いおうさんかさいきん】という、微生物です。ものすごい数が、ハオリムシの体内に棲みます。ハオリムシの体重の半分近くが、硫黄酸化細菌の重さだといわれます。この細菌を、体内に棲ませる代わりに、栄養を受け取っています。
 口も肛門も消化器官もないなんて、想像を絶する生き物ですね。このために、ハオリムシは、どこに分類されるのか、長いあいだ議論されてきました。
 一時期、ハオリムシのために、有鬚動物門【ゆうしゅどうぶつもん】という分類グループが提唱されました。門【もん】とは、とても大きな分類グループの単位です(「生物分類の、目【もく】や科とは、なに?」(2009/08/12)を御参照下さい)。
 これほど、他の生物とは、かけ離れていると考えられたわけです。けれども、その後の研究で、それほどかけ離れてはいないらしいと、わかってきました。
 現在では、ハオリムシは、環形動物門【かんけいどうぶつもん】に属するとされることが多いです。ゴカイに近縁だと考えられています。あの、釣り餌にするゴカイです。
 分類が変わっても、ハオリムシが、貴重な生物であることは、変わりません。今後、さらに研究が進めば、もっと驚きの発見が、あるかも知れませんね。
過去の記事でも、環形動物【かんけいどうぶつ】の仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
泳ぐゴカイがいる?(2011/02/14)
海の毛虫も蝶(チョウ)になる? ウミケムシ(2010/03/15)
ミミズは、土中の働き者(2009/10/09)
オーストラリアのサンゴ礁で、数百の新種を発見(2008/09/25)
海中のクリスマスツリー? イバラカンザシゴカイ(2005/12/09)
などです。

http://blog.zukan.net/blog/2012/12/10-1210_3.php
トラックバックhttp://blog.zukan.net/MovableType4/mt-tb.cgi/6709

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL
http://blog.zukan.net/MovableType4/mt-tb.cgi/6709

コメント

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)