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2013年3月29日

「海棠【かいどう】の睡り、未だ足らず」とは?

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 日本で春の花といえば、何といっても、サクラですね。サクラと近縁な植物にも、春に花咲く種が多いです。今回は、それらの中から、カイドウの仲間を取り上げましょう。
 カイドウ(海棠)と呼ばれる植物には、複数の種が含まれます。ハナカイドウ(花海棠)、ミカイドウ(実海棠)、ノカイドウ(野海棠)、ツクシカイドウ(筑紫海棠)などです。
 前記のカイドウのうち、ハナカイドウとミカイドウとは、中国原産です。ノカイドウは、日本の九州にしか自生しません。ツクシカイドウは、もとは、日本の九州と、海外の中国からインドに分布しました。日本の野生ツクシカイドウは、現在、絶滅しています。
 「○○カイドウ」は、どの種も、花が美しいです。このために、観賞用に植えられます。ハナカイドウやミカイドウなどは、観賞用に、中国から日本へ移入されました。
 生き物の世界では、似た種名であっても、遠縁であることが、よくあります。けれども、「○○カイドウ」の場合は、みな近縁な種同士です。どの種も、バラ科リンゴ属に属します。私たちが食べるリンゴと、とても近縁です。ちなみに、サクラもバラ科です。
 リンゴと近縁なのは、例えば、ミカイドウの果実を見れば、納得できます。ミカイドウの果実は、小さなリンゴにそっくりです。食用のリンゴの中に、ヒメリンゴという、小さなリンゴがありますよね? ぱっと見たところでは、あれと区別しがたいです。
 ミカイドウの果実は、食べられます。この果実が特徴的なために、ミカイドウと名づけられました。では、ハナカイドウは? とりわけ、花が美しいために、名づけられました。
 ミカイドウと違って、ハナカイドウには、あまり果実が付きません。ハナカイドウの花は、雌しべが退化しているものが多いからです。
 カイドウ類の花は、古来、中国で、ひときわ愛でられました。それを表わす故事成語が、「海棠の睡【ねむ】り、未だ足らず」です。中国の歴史上、著名な美女の楊貴妃を、海棠の花にたとえた言葉です。さて、この「海棠」は、どの種のカイドウでしょうか?
 美女のたとえであるからには、ハナカイドウと答えたくなりますね。しかし、現在の有力な説では、中国原産の一種、ホンカイドウ(本海棠)だろうといわれています。

図鑑↓↓↓↓↓には、ハナカイドウが掲載されています。
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過去の記事でも、故事成語や諺【ことわざ】に登場する生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
マタタビは、ヒトも食べられる?(2012/03/09)
魚か鳥か? シマアジ(2011/03/14)
センダン(栴檀)とは、どんな植物?(2009/05/04)
トンビは猛禽【もうきん】か(2006/11/17)
ヨシとアシは同じもの?(2006/09/08)
などです。

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