図鑑.netブログ- zukan.net -

http://blog.zukan.net/blog/

2014年2月10日

海中の羽根ペン? いえ、ウミエラです

ico_weather_hare.gif

 海の中には、ひらひらと触手を広げて、食べ物を待つ生物が、たくさんいます。今回は、そのような生き物の一つを取り上げましょう。ウミエラ(海鰓)です。
 ウミエラとは、刺胞動物門【しほうどうぶつもん】花虫綱【はなむしこう】ウミエラ目【もく】に属する生き物の総称です。サンゴのように、多くのポリプが集まって生活する、群体生物です。でも、サンゴの仲間とは、遠縁です。同じ刺胞動物ですが。
 そもそも、ウミエラという名が、不思議ですね。この名は、ウミエラの外見に由来します。多くのウミエラは、真ん中に一本の軸があり、それを海底に突き立てています。その軸から、両側に枝が出て、その枝の上に、たくさんのポリプが付きます。
 この様子が、水中でひらめく鰓【えら】に見えたのでしょう。大きな鳥の羽毛のようにも見えます。ウミエラの英語名を、sea pen(海のペン)というのも、そこに由来します。昔、ヨーロッパで使われた「羽根ペン」に似ているために、この名が付きました。
 ウミエラの仲間は、浅い海から深海にまで、生息します。日本周辺の浅い海には、ヤナギウミエラ、トゲウミエラなどの種がいます。深海にも、何種ものウミエラがいます。
 どこに棲むウミエラであっても、生態がわかっているとは、言いがたいです。人間にとって、害にも益にもならない(と思われている)ため、研究が進んでいないからです。
 浅い海のウミエラは、昼間は、体を縮めて、海底の砂の中に隠れていることが多いです。とはいえ、昼間に、まったく姿が見られないわけではありません。時には、昼間に体を伸ばして、ゆらゆらしていることもあります。
 ウミエラがゆらめくのは、海水の流れに乗ってくるプランクトンを、うまく捕らえて食べるためだと考えられています。このため、彼らが体を伸ばすのは、潮の流れの都合がいい時ではないかといわれます。しかし、本当のところは、まだ不明です。
 私は、足がつく浅い海で、ウミエラの仲間を見たことがあります。普通、ウミエラの仲間は、これほど浅い所にはいません。生物には、このように、例外が付きものです。なぜ、あんなに浅い海にいたのか、ウミエラに聞いてみたいところです(笑)

図鑑↓↓↓↓↓には、残念ながら、ウミエラは載っていません。かわりに、日本近海に棲む刺胞動物が、二十種以上が掲載されています。
ban_zukan.net.jpg
インターネット生物図鑑-zukan.net-


 過去の記事でも、刺胞【しほう】動物の仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
毒のあるサンゴがいる?(2013/6/24)
海中の植物園? サンゴの仲間たち(2011/8/1)
刺す海藻? いえ、クラゲです(2010/8/2)

刺すイソギンチャクがいる?(2010/2/22)
管の中の花? ハナギンチャク(2009/4/27)
などです。


http://blog.zukan.net/blog/2014/02/10-210_4.php
トラックバックhttp://blog.zukan.net/MovableType4/mt-tb.cgi/7161

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL
http://blog.zukan.net/MovableType4/mt-tb.cgi/7161

コメント

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)