図鑑.netブログ- zukan.net -

http://blog.zukan.net/blog/

2015年8月17日

沢瀉は、オモダカではない?

ico_weather_ame.gif / ico_weather_kumori.gif

 日本の水辺の植物の一種に、オモダカがあります。浅い水中に育つ植物です。水田にも、よく生えています。水中から茎を伸ばして、葉や花を付けます。葉の形に特徴があるため、オモダカは、花より葉のほうが目立ちます。葉は、細長い矢尻型をしています。
 歌舞伎に詳しい方であれば、「おもだか」という植物名に、聞き覚えがあるでしょう。歌舞伎役者の屋号の一つに、澤瀉屋【おもだかや】がありますね。植物のオモダカから、取られた屋号です。沢瀉(旧字体で、澤瀉)というのが、オモダカの漢字名です。
 澤瀉屋の紋は、植物のオモダカを意匠化したものです。紋には、たくさんのバリエーションがあります。どの紋も、特徴ある形の葉を、うまく意匠化しています。
 澤瀉屋とは関係なく、普通の家の家紋でも、沢瀉紋【おもだかもん】が使われることがあります。日本では、平安時代から、オモダカが、文様に使われてきました。
 中世には、武士が、好んで沢瀉紋を用いたようです。その理由は、オモダカの葉が、矢尻型をしているためだといいます。武芸に縁が深い草だと思われたのでしょう。
 歌舞伎役者の澤瀉屋という屋号は、何に由来するのでしょうか? ある歌舞伎役者の生家が、薬屋で、薬草の澤瀉(沢瀉)を商っていたからといわれます。
 現代でも、沢瀉【たくしゃ】と呼ばれる漢方薬があります。ところが、漢方薬の沢瀉は、オモダカを指すのではありません。別種の植物が、沢瀉の材料です。
 その植物とは、サジオモダカです。オモダカ科サジオモダカ属に属する一種です。オモダカのほうは、オモダカ科オモダカ属に属します。同じ科に属するので、サジオモダカとオモダカとは、近縁な種同士です。水辺に生えることも、同じです。
 サジオモダカも、もともと、日本に自生している野草です。オモダカと同じく、水田にも、よく生えています。葉の形が、匙【さじ】(=スプーン)に似ることから、この名が付きました。オモダカと近縁でも、葉の形が、まるで違います。
 漢方薬の沢瀉は、オモダカではないのに、なぜ、歌舞伎役者の屋号は、澤瀉屋になったのでしょうか? オモダカのほうが、紋にするのに格好良いからでは、と思います。

図鑑↓↓↓↓↓には、オモダカ掲載されています。ban_zukan.net.jpg
インターネット生物図鑑-zukan.net-


 過去の記事でも、オモダカを取り上げています。また、オモダカ以外の、日本の水辺に生える草も、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
雑草だけど薬草、ミゾカクシ(2014/12/5)
タカサブロウ(高三郎)とは、人の名か?(2013/6/28)
シカクイ? フトイ? クサイ? 藺【い】の仲間たち(2011/7/8)
「かおばな」の正体は、ヒルガオ(昼顔)?(2010/6/18)
雑草か食草か? コナギとミズアオイ(2010/6/4)
などです。


http://blog.zukan.net/blog/2015/08/17-817_7.php
トラックバックhttp://blog.zukan.net/MovableType4/mt-tb.cgi/7774

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL
http://blog.zukan.net/MovableType4/mt-tb.cgi/7774

コメント

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)