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2015年8月28日

ミナミイシガメの不自然な分布

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 今回は、日本の淡水域に棲むカメを紹介しましょう。ミナミイシガメという種です。種名のとおり、ニホンイシガメと近縁な種です。同じイシガメ科イシガメ属に属します。分類には異説がありますが、イシガメ科なのは、間違いありません。
 この種は、日本国内で、不思議な分布をしていることで、知られます。北から挙げれば、千葉県、滋賀県、京都府、大阪府、トカラ列島の悪石島【あくせきじま】、沖縄諸島の沖縄本島と久米島、慶良間【けらま】諸島の阿嘉島【あかしま】と座間味島【ざまみじま】、宮古列島の宮古島、八重山諸島の石垣島と西表島と波照間島と与那国島にいます。
 こんなに飛び飛びなのは、明らかに、不自然ですね。もともと、自然にミナミイシガメが分布していたのは、八重山諸島の石垣島、西表島、波照間島、与那国島だけだと推定されています。その他の地域には、人為的に移入されたと考えられています。
 ミナミイシガメは、日本国外にも、広く分布します。中国の南部、台湾、インドシナ半島北部にいます。これらのうち、台湾にいる個体群が、昭和の初期に、近畿地方に移入された記録があります。このため、滋賀県、京都府、大阪府に野生化している個体群は、台湾の個体群に由来すると推定されています。
 千葉県、トカラ列島、沖縄諸島、慶良間諸島、宮古列島にいるミナミイシガメは、八重山諸島の個体群と、亜種レベルで同じだとされます。もともと、八重山にいるミナミイシガメには、ヤエヤマイシガメという亜種名が付いています。このヤエヤマイシガメが、千葉やトカラ列島、沖縄、慶良間などに、移入されたのですね。
 ミナミイシガメが、各地に移入された経緯については、よくわかっていないことが多いです。千葉県やトカラ列島などにいる個体群には、ヤエヤマイシガメばかりでなく、台湾や、中国大陸に由来するものが、混じっているかも知れないといわれます。
 このように、人為的な移入のせいで、ミナミイシガメの本来の分布は、わかりにくくなってしまいました。ニホンイシガメなどの在来種にとっても、これは、災難だったでしょう。ミナミイシガメと、すみかや食べ物を奪い合うことになってしまったからです。

図鑑↓↓↓↓↓には、ミナミイシガメに近縁なニホンイシガメが掲載されています。ban_zukan.net.jpg
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 過去の記事でも、日本のカメを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
クサガメは、外来種か?(2010/12/3)
カメの腹筋? セマルハコガメ(2009/9/28)
貴重な日本の固有種、リュウキュウヤマガメ(2009/2/16)
イシガメが絶滅寸前?(2007/11/19)
スッポン(鼈)の故郷はどこ?(2007/2/23)
などです。


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