図鑑.netブログ- zukan.net -

http://blog.zukan.net/blog/

2016年6月10日

ガ(蛾)は、どうやって暗闇で見る?

ico_weather_hare.gif

 ガ(蛾)は、夜に活動する昆虫として、知られますね。暗い中で、どうやって障害物にぶつからずに、飛ぶのでしょうか? ガの眼を調べてみたところ、その表面が、特殊な構造をしていることがわかりました。電子顕微鏡で観察すると、見えてきます。
 ガの眼の表面は、びっしりと、微小な突起で覆われています。この突起に、秘密があります。この突起のおかげで、光の屈折率が高くなります。わかりやすく言えば、眼に到達したすべての光が、反射されずに、眼の中に入ってゆきます。
 少ない光でも、広範囲から集めることができれば、それなりに、物を見ることができるでしょう。夜に飛ぶガにとって、とても適した仕組みですね。
 しかも、このガの眼の構造は、可視光(ヒトの眼に見える光)だけを集めるのではありません。紫外線から、近赤外線までを、集められるとわかっています。ガたちは、ヒトの眼に見えない光まで見て、利用している可能性があります。
 このようなガの眼の構造は、光の屈折率を高める以外の効果もある、とわかってきました。例えば、水をはじく効果があります。雨の中を飛ぶのに、便利でしょうね。
 また、意外なことに、微小な突起のある表面は、なめらかな表面より、すべりやすいことがわかりました。もし、他の昆虫が、ガの眼に取りつこうとしたとしても、つるつるとすべって、取りつくことができません。ほこり避けにも、なりそうです。
 このように、ガの眼の構造には、素晴らしい特性が、いくつもあります。このために、それは、モスアイ構造―moth eye、ガの眼という意味―と呼ばれて、人間の役に立つのではないかと、研究されています。中には、実用化されたものもあります。
 それは、光の屈折率が高いことを、利用するものです。モスアイ型無反射フィルムと呼ばれます。モスアイ構造を持った、薄いフィルムです。
 このフィルムを、物の表面に貼れば、光をほとんど反射しなくなります。液晶ディスプレイなどに、利用できますね。光の反射がなくなって、見やすくなります。
 ガは、嫌われることが多い昆虫ですが、その造形は、素晴らしいものです。

図鑑↓↓↓↓↓には、日本に分布するガ(蛾)が、二十種ほど掲載されています。
ban_zukan.net.jpg

インターネット生物図鑑-zukan.net-


 過去の記事でも、ガ(蛾)の仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
野蚕【やさん】とは、野生のカイコか?(2015/12/25)
黄金の糸をつむぐ虫、クリキュラ(2015/12/18)
洞窟に棲むガ(蛾)がいる?(2015/11/6)
富士山の謎のガ(蛾)たち(2015/10/30)
絶滅寸前の害虫? ニカメイガなど(2015/8/21)
などです。


http://blog.zukan.net/blog/2016/06/10-610_8.php
トラックバックhttp://blog.zukan.net/MovableType4/mt-tb.cgi/8077

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL
http://blog.zukan.net/MovableType4/mt-tb.cgi/8077

コメント

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)