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2016年7月22日

セミの翅【はね】の秘密

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 今年の夏、セミ(蝉)の声を聞きましたか? 子供の頃、セミ取りをした経験のある方も、多いでしょう。「声を頼りにセミを探しても、なかなか見つからない」という経験をしたことがないでしょうか? 気がつくと、目の前の木に止まっていたりします。
 木に止まったセミの姿は、明らかに見えにくいです。セミの写真を取ろうとしたことがある方は、よくおわかりでしょう。セミの体色は、さほど、木に似ているとは思えませんのに、木の皮に溶け込んだように見えます。
 その秘密は、セミの翅【はね】にあります。ミンミンゼミやヒグラシなどの、透明な翅のセミでも、翅が光を反射しません。おかげで、セミの輪郭が、背景に溶け込んでしまいます。同じように透明なガラスと比べると、セミの翅の無反射性が、顕著です。
 セミの翅が、ガラスのように、光を反射してきらりと光れば、もっとセミが見つけやすいでしょう。セミの翅は、敵に見つかりにくいようにできています。
 どういう仕組みで、そうなっているのでしょうか? 電子顕微鏡で、セミの翅を見てみると、微細な構造が見えてきます。セミの翅は、とても小さな突起で、びっしりと覆われています。この構造は、ガ(蛾)の眼の構造と似ています。
 ガの眼の構造については、以前、このブログで取り上げましたね(ガ(蛾)は、どうやって暗闇で見る?(2016/6/10))。ガの眼のように、微小な突起が並んだ構造を、モスアイ構造と呼びます。モスアイ構造は、ガ以外にも、さまざまな昆虫が持っています。
 ガの場合は、暗闇の中で飛ぶために、モスアイ構造が役立っています。セミの場合は、それを翅に利用して、無反射性を得ています。無反射性以外にも、モスアイ構造には、いくつもの利点があります。例えば、水をはじく効果があります。
 雨が降った時、翅が濡れて飛べなくなったら、セミにとっては、死活問題ですね。モスアイ構造のおかげで、セミの翅は、水をはじき、雨の中でも、飛ぶことができます。
 アブラゼミなど、不透明な翅のセミでも、モスアイ構造が確認されています。モスアイ構造には、前記の水をはじく効果など、利点が多いためでしょう。
図鑑↓↓↓↓↓には、日本に分布するセミが、八種ほど掲載されています。
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 過去の記事でも、セミの仲間を取り上げています。また、モスアイ構造についても、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ガ(蛾)は、どうやって暗闇で見る?(2016/6/10)
セミは、カメムシの仲間か?(2011/8/29)
孵化【ふか】と羽化【うか】とは、どう違う?(2008/8/29)
空蝉【うつせみ】とは、どんなセミ?(2008/6/30)
セミ(蝉)の幼虫は何年生きる?(2006/7/3)

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