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2017年2月27日

山姥【やまんば】を呼ぶ木とは?

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 今回は、サワフタギという樹木を紹介しましょう。日本の野山に自生する木です。北海道から九州まで分布します。谷間や沢沿いに、よく生えます。沢に蓋をするかのように伸びることから、サワフタギ(沢蓋木)という種名になったといわれます。
 サワフタギは、別名の多い種です。有名な別名としては、ルリミノウシコロシと、ニシゴリとがあります。どちらの別名も、ある程度、意味が推定されています。
 ルリミノウシコロシは、「瑠璃実の牛殺し」の意味のようです。本種に、瑠璃色の果実が付くのは、本当です。けれども、「牛殺し」のほうは、実態がわかりません。本種を、ウシを殺すのに使ったという、明確な証拠は、ありません。
 ニシゴリのほうは、もとは「ニシコリ」でした。現在でも、方言名で、本種をニシコリと呼ぶ地方があるようです。ニシコリとは、漢字で書けば、錦織【にしこり】です。布に関係した名ですね。昔、本種の灰を、布を染める媒染剤にしたからといわれます。
 媒染剤【ばいせんざい】とは、布などを染料で染める時に、一緒に混ぜて、発色や色の定着を良くする物質です。昔は、特定の植物の灰が、よく用いられました。
 サワフタギや、サワフタギの近縁種の灰は、媒染剤として、平凡なものでした。サワフタギの近縁種で、ハイノキという種名のものがあります。サワフタギと同じ、ハイノキ科ハイノキ属に属します。ハイノキの名は、ずばり、「灰の木」の意味です。
 現在は、サワフタギを媒染剤に使う話は、ほとんど聞きません。かわりに、美しい瑠璃色の果実や、初夏に咲く白い花を観賞するために、栽培されることがあります。
 サワフタギについては、面白い言い伝えがあります。昔、山の中でこの木を焼くと、その匂いにつられて、山姥が現われた(!)というのです。昔の人は、山姥を呼ぶために、わざわざ、この木を焼いたそうです。なぜ、そんなことをしたのでしょうか?
 昔は、山の中で、長い間、孤独に暮らす人がいました。炭焼きや、狩猟などのためです。そういう人は、さびしくて、「山姥でもいいから、来て欲しい」と思うことがあったのでしょう。そんな願望が生んだ言い伝えだと思います。
図鑑↓↓↓↓↓には、
サワフタギ
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 過去の記事でも、サワフタギの仲間を取り上げています。また、染料や媒染剤にする植物も、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
クチナシは、口無し?(2014/1/3)
灰から錦【にしき】? ハイノキの仲間(2012/11/23)
万葉時代のハイカラ植物? ケイトウ(2010/8/20)
キブシ、キフジ、どちらが本当?(2009/2/27)
源氏物語のヒロインも嘆く? ムラサキの運命(2008/6/6)




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