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2009年8月22日

ラオスで、ヒヨドリ科の新種を発見

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 新種の鳥が、発見されました。場所は、東南アジアのラオスです。新種は、ヒヨドリ科の一種です。アジアでヒヨドリ科の新種が発見されたのは、約百年ぶりだそうです。
 どうやら、この鳥は、限定された地域にしか分布しないようです。これまで発見されなかったのは、そのためでしょう。
 新種には、日本語名は、まだ、ありません。ラテン語の学名を、Pycnonotus hualonと付けられました。英語名では、Bare-faced Bulbul(禿【は】げた顔のヒヨドリ)です。
 この鳥の特徴は、何といっても、「顔と頭に、羽毛がほとんどないこと」です。英語名も、そこから付きました。日本語名を付けるとすれば、ハゲヒヨドリでしょうか。
 世界には、顔や頭に羽毛がない鳥が、何十種もいます。ハゲワシの仲間が有名ですね。ハゲワシは、禿げている理由が、はっきりしています。彼らは、死肉を食べるため、死体に頭を突っこみます。その時、羽毛が汚れないように、頭や顔が禿げています。
 今回の新種が禿げている理由は、わかっていません。彼らは、死肉を食べるのではないようです。この鳥のように、禿げている小型の鳥は、世界に四十種ほどいます。これらの小鳥が禿げている理由は、解明されていません。
 アジアでは、今回の新種が、唯一、禿げた小型の鳥だそうです。一度見たら、忘れられませんね。こんな姿でも、日本のヒヨドリと近縁です。ヒヨドリは、日本の住宅地で、普通に見られる鳥です。ヒヨドリの外見は、今回の新種と、まるで違います。
 日本には、今回の新種と、もっと近縁な種もいます。シロガシラです。
 シロガシラは、日本では、南西諸島に分布します。南西諸島の中でも、台湾に近い八重山諸島(与那国島、石垣島など)と、沖縄本島の南部にしか、分布しません。沖縄本島のシロガシラは、人為的に持ち込まれたと考えられています。
 シロガシラと、今回の新種とは、同じヒヨドリ科シロガシラ属に属します。けれども、両者の姿は、まったく似ていません。シロガシラの頭には、白い羽毛が生えています。近縁なのに、こんなに姿が違うのは、不思議ですね。
 ラオスの新種ヒヨドリのニュースは、以下にあります。
ラオスで新種のヒヨドリ発見、はげ頭が特徴(AFPBBニュース 2009/07/30)
新種の鳴き鳥は"モヒカン刈り"(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/07/30)

図鑑↓↓↓↓↓には、今回の新種と近縁なヒヨドリ掲載されています。
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 過去の記事で、今回の新種と近縁なシロガシラを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
シロガシラ【愛鳥週間2009:5月10日~5月16日】(2009/05/13)
シロガシラ(2007/05/20)
シロガシラ(2006/10/17)
白い頭のシロガシラ(2006/04/30)

2009年8月 8日

コスタリカで、新種のカエルを発見

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 新種のカエルが発見されました。発見地は、中米のコスタリカです。
 このカエルには、Diasporus ventrimaculatusというラテン語の学名が付けられました。日本語名は、まだありません。
 この新種の分類は、はっきりと決まっていないようです。というのは、カエル全体の分類が、見直されている最中だからです。
 旧来の分類にしたがえば、今回の新種は、ユビナガガエル科に属します。けれども、この新種を発表したグループによれば、違う科に属するとされます。ラテン語で、Eleutherodactylidaeと表記される科です。日本語に訳せば、コヤスガエル科でしょうか。
 コヤスガエルの仲間は、従来は、ユビナガガエル科に含まれました。しかし、最近、「ユビナガガエル科から独立させて、コヤスガエル科を作る」考えがあるようです。今回の新種は、コヤスガエルに近縁なので、コヤスガエル科に属するとされたのでしょう。
 今回の新種の特徴は、体色です。成長段階と性別により、体色が、大きく異なります。
 幼い個体には、雌雄の差がありません。どちらも、全身がほぼ茶色です。腹部に、ベージュと黒の斑点があります。
 成長した雄【おす】は、全身が、赤みがかったオレンジになります。その地色の中に、白、黒、茶色の斑点が散らばります。
 成長した雌【めす】は、背中が、ほぼ真っ黒になります。腹部には、白と黒の鮮やかなまだら模様ができます。
 たとえば、鳥ならば、このような例はよくあります。成長段階と性別により、体色が異なる例です。でも、カエルでは、このような例は、珍しいです。なぜ、今回の新種がこのようになったのか、理由は、わかっていません。
 このカエルが棲むのは、コスタリカ南部のタラマンカ山脈です。標高二千五百メートルほどに生息します。他のコヤスガエルの仲間は、こんな高いところにはいません。この生息域も、新種の特徴の一つです。
 コスタリカの新種カエルのニュースは、以下に載っています。
多様な色彩のカエル、コスタリカで発見(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/08/05)
コスタリカで発見された新種のカエル(128Canopy Blog)※英文ですが、新種カエルの雌雄の画像が見られます。三枚の写真のうち、真ん中の真っ黒いのが雌【めす】で、一番下の赤っぽいのが雄【おす】です。


図鑑↓↓↓↓↓には、日本のカエルが十七種ほど掲載されています。
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 過去の記事でも、新種のカエルを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
エクアドルで、十二の新種を発見(2009/06/18)
マダガスカルで、両生類の新種を、二百以上も発見(2009/05/07)
世界最小のカエル?が発見される(2009/04/11)
コロンビアで、十種の両生類を発見(2009/02/05)

2009年7月14日

サルの新亜種と、サンショウウオの新種

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新種発見のニュースが二つありました。哺乳類と両生類のニュースです。

 哺乳類のほうは、サルの一亜種です。当初、新種と報道されましたが、後になって訂正報道がありました。新種ではなく、新「亜種」です。
 サルの新亜種が見つかったのは、ブラジルのアマゾン熱帯雨林です。オマキザル科のセマダラタマリンという種に含まれる、新しい亜種が見つかりました。
セマダラタマリンのラテン語の学名は、Saguinus fuscicollisです。
新亜種の学名は、Saguinus fuscicollis muraです。新亜種には、まだ、日本語名が付いていません。
 セマダラタマリン自体は、十九世紀に発見されています。名のとおり、背にまだら模様があります。新亜種は、この模様の部分が、普通のセマダラタマリンより広いようです。
 セマダラタマリンの新亜種については、以下に載っています。
再送:アマゾン熱帯雨林で新種の小型サルを発見(ロイター 2009/07/10)
アマゾンでの発見(米国の野生動物保護協会(WCS)のサイト内)※英文ですが、新亜種を描いた画像が見られます。

 両生類のほうは、サンショウウオの新種です。この新種のために、新しい属が作られました。つまり、新属新種の発見です。発見地は、米国のジョージア州です。
 新属新種のサンショウウオは、ラテン語の学名を、Urspelerpes bruceiと付けられました。日本語名は、まだ付いていません。アメリカサンショウウオ科に属します。
 この新種については、いくつか興味深いことがあります。
 一つは、米国で四足動物の新属が発見されるのは、五十年ぶりということです。先進国で、四足動物の新属となるとさすがにめったにありませんね。
 もう一つは、この種が、ジョージア州のアパラチア山脈付近で発見されたことです。アパラチア山脈の付近は、両生類に関しては、まるでガラパゴス諸島のようなところです。他のどこにもいない、珍しい種の両生類が多いのです。
 例えば、アンフューマ科の種は、みなアパラチア山脈付近に分布します。アンフューマ科は、両生類なのにウナギにそっくりです。同じように、細長い体を持つサイレン科の種も、この付近に分布します。
 なぜ、アパラチア山脈の付近に、特異的な両生類が多いのかは、まだわかっていません。ひょっとしたら、今回の新種がその謎を解く鍵になるかも知れませんね。
 新属新種のサンショウウオについては、以下に載っています。
最小クラス、サンショウウオの新種発見(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/07/09)
Urspelerpes brucei(Caudata Cultureのサイト内)※英文ですが、新属新種のサンショウウオの画像が、いくつも見られます。
などです。

2009年7月 4日

カワゴンドウの危機と、コウモリの新種

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 哺乳類について、二つのニュースがありました。良いニュースと悪いニュースです。

 先に、悪いニュースを片付けてしまいましょう。カワゴンドウというイルカの一種が、東南アジアのメコン川で絶滅の危機にあります。
 カワゴンドウは、河川の河口付近や海岸近くの海に棲みます。日本には、分布しません。インドや東南アジアに分布します。名前に「河」と付きますが、カワイルカの仲間(カワイルカ上科【じょうか】)ではありません。マイルカ科に属します。
 河川や海岸近くの海は、人間の活動が盛んですね。カワゴンドウにとっては、これが不運でした。人間による環境汚染が進んだのです。このため、生まれたばかりの子イルカが、次々に病死しています。子どもが育たなければ、種が絶滅するのは、明らかですね。
 カワゴンドウは、メコン川以外にも、広く分布します。けれども、メコン川以外でも、絶滅の危機にあるところが多いです。根本的な対策としては、汚染を除去するしかないでしょう。対策が取られる前に、絶滅しないことを祈ります。

 メコン川のカワゴンドウのニュースは、以下にあります。
メコン川のイルカ、絶滅寸前 70頭前後とWWF(北海道新聞 2009/06/18)
メコン川の淡水イルカ、水質汚染で絶滅寸前 WWF(AFPBBニュース 2009/06/18)
 過去の記事でも、絶滅に瀕したイルカや、淡水に棲むイルカを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
揚子江【ようすこう】に、イルカはいるか?(2008/06/24)
イルカは淡水で暮らせない?(2007/09/05)
伊勢湾のスナメリが危機に?(2007/06/12)
などです。

 もう一つは、良いニュースです。インド洋のコモロ諸島で、新種のコウモリが発見されました。日本語名は、「アレンユビナガコウモリ」となりそうです。ラテン語の学名は、Miniopterus aelleniです。これらの名は、まだ正式なものではないかも知れません。
 「アレンユビナガコウモリ」は、ヒナコウモリ科ユビナガコウモリ属に属します。この新種は、日本にはいませんが、近縁な種が日本に分布します。ユビナガコウモリなどの種です。同じユビナガコウモリ属に属します。
 この新種の特徴は、とても小さいことです。体重が5gしかありません。5kgではありませんよ。「5グラム」です。ヒトの親指ほどの大きさです。
 こんなに小さいのに、「アレンユビナガコウモリ」は、世界最小のコウモリではありません。世界最小と言われるのは、キティブタバナコウモリという種です。この種の体重は、1.5g(!)です。タイに分布する種です。
 今回の新種は、マダガスカルにも分布するそうです。今後のニュースにも、注目ですね。

 「アレンユビナガコウモリ」のニュースは、以下に載っています。
親指大のコウモリ、新種と判明(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/6/30)
シーラカンスの島に、新種の小さなコウモリ(Cryptomundo 2009/6/25)※英文ですが、新種コウモリの画像が、いくつか見られます。

図鑑↓↓↓↓↓には、「アレンユビナガコウモリ」と近縁なユビナガコウモリが掲載されています。
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 過去の記事でも、新種のコウモリや、今回の新種と近縁なユビナガコウモリなどを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
メコン川の流域で、千種以上の新種を発見(2008/12/18)
米国で、コウモリが、謎の大量死(2008/05/12)
コウモリと共存しよう、引越し大作戦(2008/04/28)
などです。

2009年6月18日

エクアドルで、十二の新種を発見

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 南米のエクアドルから、新種発見のニュースです。爬虫類、両生類、昆虫の新種と思われるものが、計12種、発見されました。
 この結果は、コンサベーション・インターナショナル(略称CI)という、自然保護団体の調査で、明らかになりました。
 内訳は、爬虫類がトカゲ一種、両生類がサンショウウオとカエル四種、昆虫がキリギリスの仲間を含む七種です。以下に、個別に説明しましょう。
 爬虫類の新種(らしきもの)は、イグアナ科の一種のようです。CIの発表によれば、ラテン語の学名で、Enyaloides属の一種らしい、とのことです。Enyaloides属には、日本語名が付いていません。この仲間は、日本には分布しないからでしょう。
 両生類のサンショウウオの新種は、アメリカサンショウウオ科ネッタイキノボリサンショウウオ属の一種です。ひしゃげたような、面白い顔をしています。
 カエルの新種では、ヤドクガエル科ヤドクガエル属の新種が、見つかっています。小さいけれども、美しい種です。このカエルの仲間には、なんと、「幼生(おたまじゃくし)を背負って運ぶ」という習性があります。その様子の画像が、公開されています。
 昆虫の新種は、キリギリスの仲間が、いくつか画像を公開されています。どれも、バッタ目キリギリス科に属する種のようです。新種というだけでなく、「属」のレベルでも新しい種が、ありそうです。「属」とは、種の一つ上の分類単位です。
 キリギリス科で、Mystron属らしき新種と、Typophyllum属らしき新種が、見つかっています。同じキリギリス科で、新属新種と考えられるものでは、Parangara属に近縁だとされる種が、見つかりました。これらの属には、日本語名はありません。
 Mystron属は、一九九九年に、同じエクアドルで発見されたばかりの属です。Parangara属は、隣国のペルーで、たった一種が発見されていただけでした。以前から、エクアドルに、この属に近縁な未知の種がいるのでは、といわれてきました。
 この地域では、まだまだ、新発見がありそうです。今後の調査が楽しみですね。
 エクアドルの新種のニュースは、以下に載っています。
E・T似のサンショウウオ??エクアドルで新種続々(47NEWS 2009/06/16)
エクアドル奥地の山脈で、科学者が新種の生物を多数発見(コンサベーション・インターナショナル)
エクアドルの新種――ヤドクガエル(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/06/17)


 過去の記事でも、今回、発見された種に近縁なネッタイキノボリサンショウウオや、イグアナなどを、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
コロンビアで、十種の両生類を発見(2009/02/05)
ガラパゴスより、ゾウガメとイグアナの報告(2009/01/27)
新種のフィジーイグアナを発見(2008/09/23)
などです。

2009年5月 7日

マダガスカルで、両生類の新種を、二百以上も発見

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 またもや、大量の新種が、発見されました。舞台は、アフリカの東の島国、マダガスカルです。なんと、一挙に200以上の新種が確認されました。すべて両生類です。
 正確には、221種が新種として確認されました。多くが、カエルです。たいへん美しい種が多いです。ぜひ、リンク先のニュース画像を御覧下さい。
 新種の全貌を、ここに挙げることはできません。あまりにも長くなってしまうからです。主なものだけ、紹介しましょう。
 今回、発見された新種の多くは、マダガスカルガエル科に属するようです。この科は、最近、創設された分類単位です。現在、マダガスカルガエル科に属する種は、以前には、アオガエル科に属するとされていました。
 マダガスカルガエル科の種は、名のとおり、ほとんどがマダガスカルに分布します。他のアオガエル科の種に比べ、特殊化が進んでいるために、別の科に分けられました。
 今回の新種には、マダガスカルガエル科イロメガエル属の種が、多く含まれます。どの種も、日本語名は付いていません。ラテン語の学名で、イロメガエル属(Boophis属)の新種を、いくつか挙げましょう。Boophis ulftunni、Boophis bottae vencesなどです。
 厳密に言えば、Boophis bottae vencesは、新種ではありません。新「亜種」です。Boophis bottaeという種は、これまでに発見されていました。その種のうちで、少し違うグループが発見されたので、新しい「亜種」Boophis bottae vencesとされたわけです。
 イロメガエル属の種は、小型で色鮮やかなものが多いです。樹上で生活します。
 他に、マダガスカルガエル科マダガスカルガエル属の新種も見つかっています。マダガスカルガエル属(ラテン語の学名では、Mantidactylus属)は、マントガエル属とも呼ばれます。今回の新種には、やはり、日本語名は付いていません。
 これほど新種が発見されたからには、よほどの「未開の地」では?と思いますよね。ところが、今回の調査地には、国立公園も含まれています。それなりに調査されていたのに、この結果です。ヒトの知識など、ちっぽけなものだと思い知らされますね。

 マダガスカルの新種両生類のニュースは、以下にあります。イロメガエル属の新種Boophis ulftunniの画像もあります。
マダガスカル、新種発見で両生類が倍増(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/05/06)
その他の新種の画像が、以下のページで見られます。【※解説は英語です。】
イロメガエル属の新種その1
イロメガエル属の新種その2
イロメガエル属の新種その3
イロメガエル属の新亜種Boophis bottae vences
マダガスカルガエル属(マントガエル属)の新種


図鑑↓↓↓↓↓には、日本に分布するカエルが、十種以上が掲載されています。
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 過去の記事でも、新発見のカエルを取り上げています。また、マダガスカルの希少な生き物も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
世界最小のカエル?が発見される(2009/04/11)
女装するトカゲと、男装するサル(2009/03/12)
コロンビアで、十種の両生類を発見(2009/02/05)
メコン川の流域で、千種以上の新種を発見(2008/12/18)
忙中に「食」と「農」あり、博物館へ(2008/12/06)などです。

2009年4月11日

世界最小のカエル?が発見される

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 南米のペルーから、新種発見のニュースです。アンデス山脈の、コスキパタ渓谷の上流で、新種のカエルが見つかりました。
 コスキパタ渓谷の上流部は、標高が、三千メートルを越えます。こんな高いところにも、カエルが棲むのですね。具体的には、雲霧林【うんむりん】と呼ばれる森林地帯です。名のとおり、湿度が高く、霧がかかることが多い森林です。
 発見された新種は、ラテン語の学名を、Noblella pygmaeaと付けられました。日本語名は、ありません。英語では、Noble's Pygmy Frogと呼ばれているようです。これは、ラテン語の学名の直訳ですね。
 この種の特徴は、その小ささです。大型の雌(メス)でも、体長12mmほどにしかなりません。「mm」ですよ。「cm」ではありません。おそらく、世界最小のカエルです。カエルだけでなく、サンショウウオなど、他の両生類を含めても、最小級といえます。
 この種の雌は、雄(オス)より大きいです。それでも、こんなに小さくて、卵を産めるのでしょうか? 雌は、どうやって、卵を腹に入れているのでしょう?
 雌は、一度に、たった二個しか産卵しないそうです。それより多くは、体に収まらないのでしょう。卵からは、小さなカエルが生まれてきます(!)おたまじゃくしの段階を飛ばして、いきなり、カエルになるわけです。
 生まれたてのカエルは、わずか4mmほどしかありません。こんなに小さくても、カエルは、独力で生きてゆかなければなりません。両生類は、普通、親が子の世話をしないからです。ただし、今回の新種は、卵の間だけは、雌が卵を守るそうです。
 この新種は、ラテン語の学名で、Strabomantidaeという科に属します。この科のカエルは、南米にだけ分布します。そのため、科名すら、日本語名がありません。
 二〇〇九年の二月にも、「Strabomantidae科の新種が発見された」ニュースがありましたね(コロンビアで、十種の両生類を発見(2009/2/5))この科には、まだまだ、未知の種がいそうです。これからの調査にも、期待が高まりますね。


 「世界最小のカエル?」のニュースは、以下に載っています。
ペルー、超ミニサイズのカエル(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/03/27)
Pygmy frog discovered in Peru ? Lays just 2 eggs(wildlifeextra.com) ※英文ですが、卵を守る雌(メス)の画像が見られます。



図鑑↓↓↓↓↓には、日本の両生類が、20種以上が掲載されています。
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 過去の記事でも、新種の両生類や、とても小さい生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
最小の脊椎動物?が発見される(2009/02/14)
世界最小のヘビ?を発見(2008/08/06)
パプア・ニューギニアで、五十以上の新種を発見か?(2009/3/27)などです。

2009年3月25日

オーストラリアで、十九の新種を発見

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 新種発見のニュースです。オーストラリアで、昆虫を含む無脊椎動物の新種が、まとめて発見されました。その多くが、西オーストラリア州に産します。
 発見された種の分類グループは、以下のとおりです。クモとそれに近縁な節足動物【せっそくどうぶつ】が11種、甲殻類【こうかくるい】(エビやカニの仲間)が3種、昆虫が2種、軟体動物【なんたいどうぶつ】が1種、蠕虫【ぜんちゅう】が1種、海綿動物【かいめんどうぶつ】が1種です。
 軟体動物と蠕虫と海綿動物については、詳しい報道がありません。ここでは、残りの節足動物と甲殻類と昆虫について書きましょう。
 今回、発見された種には、どれも、日本語名は付いていません。ラテン語の学名が付いています。以下に挙げるアルファベットの種名は、ラテン語の学名です。
 クモでは、Hickmanolobus linnaeiMicropholcomma linnaeiといった種が、見つかっています。この二種は、どちらもとても小さなクモです。
 クモに近縁な節足動物では、カニムシの仲間が、見つかりました。クモ綱【こう】のうち、カニムシ目【もく】に属する生き物です。この仲間は、一見、サソリに似ます。サソリのような鋏【はさみ】を持ちます。けれども、毒針のある尾を持ちません。
 甲殻類では、ヨコエビの仲間が発見されました。ヨコ「エビ」といっても、普通のエビとは違います。甲殻亜門【こうかくあもん】軟甲綱【なんこうこう】端脚目【たんきゃくもく】に属する生き物です。普通のエビは、軟甲綱の十脚目【じっきゃくもく】です。
 新種のヨコエビには、眼がありません。地下の川に棲むからです。
 昆虫では、ベッコウバチの仲間とヨコバイの仲間が発見されています。ベッコウバチは、クモを狩るハチとして有名ですね。ヨコバイの仲間は、植物食です。植物の上で、横に歩いたり、跳ねたりするので、ヨコバイと名づけられました。
 このようなニュースに接すると、「生物の世界は無限だな」と思います。まだまだ、多様な生き物が発見されずにいるのでしょうね。


 オーストラリアの新種のニュースは、以下にあります。新種のベッコウバチの画像付きです。
西オーストラリアで19種の新種を発見(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/03/10)
 以下のページで、新種の画像がいくつか見られます。※解説は英語です。
新種のクモHickmanolobus linnaeiの画像(National Geographic News)
新種のクモMicropholcomma linnaeiの画像(National Geographic News)
新種のカニムシの画像(National Geographic News)
新種のヨコエビ(甲殻類)の画像(National Geographic News)
新種のヨコバイ(昆虫)の画像(National Geographic News)



図鑑↓↓↓↓↓には、日本に分布するクモが九種ほど掲載されています。ベッコウバチ科やヨコバイ科の昆虫も、載っています。
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 過去の記事でも、オーストラリアの新種を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
オーストラリアの深海で、新種発見(2009/01/22)
百種を越える魚類が発見される(2008/09/30)
オーストラリアのサンゴ礁で、数百の新種を発見(2008/09/25)
などです。

2009年3月24日

ミフウズラは、ウズラじゃない?




 少し前に、「絶滅したと思われた鳥の一種が、再発見された」ニュースがありました。フィリピンのルソン島からのニュースです。
 再発見されたのは、ミフウズラ(三斑鶉)という鳥の仲間です。種名を、フィリピンヒメミフウズラといいます。ニュースの画像を見ると、ウズラにそっくりですね。
 ミフウズラの仲間は、どの種も、ウズラに似ます。けれども、ウズラとは遠縁です。
 ミフウズラとは、ミフウズラ科に属する種の総称です。ウズラのほうは、キジ科に属する一種です。キジ科の中のウズラ属やヤブウズラ属などを、まとめてウズラ類と呼ぶこともあります。
 ややこしいことにミフウズラ科の中に、単に「ミフウズラ」という種名のものがいます。種名ミフウズラは、日本の南西諸島にも分布します。種名ミフウズラとフィリピンヒメミフウズラとは、とても近縁です。同じミフウズラ科ミフウズラ属に属します。
 ミフウズラの仲間とウズラの仲間とは、生態が似ます。そのために、姿も似ました。小柄な体と地味な体色が、藪に隠れるのに都合が良いです。
 フィリピンヒメミフウズラも、隠れ上手なのでしょう。生存が確認されたのは、数十年ぶりとのことです。これまでは、まともな写真すらありませんでした。
 隠れ上手なのは、生存には有利です。しかし、生態の調査には、都合が悪いですね。ミフウズラの仲間は、大まかな生息数さえわからない種が多いです。
 種名ミフウズラもそうです。日本の南西諸島に、何羽くらいのミフウズラがいるのかは、はっきりしません。昔より、減っているといわれます。人間の開発により、すみかを奪われたり、ノネコなどに捕食されたりしているからです。
 今回、再発見されたフィリピンヒメミフウズラは、市場で売られていました。画像が撮影された後、食用にされたようです。なんとも、無念なことですね。
 日本のミフウズラは、まだ、絶滅していません。今なら、救えます。フィリピンヒメミフウズラのようになる前に対策を講じたいですね。


 再発見されたミフウズラの一種のニュースは、以下にあります。記事には『ウズラ』と書かれている部分もありますが、ミフウズラのことです。
希少ウズラの最後の一羽? 「市場」で撮影(AFPBBニュース 2009/2/23)
"絶滅"したミフウズラが食肉市場に(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/2/18)



図鑑↓↓↓↓↓には、残念ながら、ミフウズラは載っていません。ミフウズラに似たウズラやコジュケイが掲載されています。
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 過去の記事でも、フィリピンで発見された種や、狩猟がきっかけで再発見された種を取り上げています。また、新種の鳥も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
フィリピンで、ネズミの新種を発見(2009/02/26)
絶滅種?のシカとカエルが、再発見される(2008/10/14)
アフリカ中部で、新種の鳥を発見(2008/08/19)
などです。

2009年2月26日

フィリピンで、ネズミの新種を発見

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 新種発見のニュースです。今度は、ネズミの一種です。フィリピンのミンダナオ島で発見されました。ミンダナオ島の、ハミギタン山に分布します。
 この種には、まだ、日本語名が付いていません。ラテン語の学名は、Batomys hamiguitanと付けられました。生息地のハミギタン山にちなんだ名ですね。この新種は、齧歯目【げっしもく】ネズミ科ネズミ亜科ルソンモリネズミ属に属します。
 ルソンモリネズミ属は、すべて、フィリピンに分布する種ばかりです。例えば、ルソンモリネズミは、ルソン島でしか分布が確認されていません。今回の新種と同じミンダナオ島には、ミンダナオモリネズミが分布します。ミンダナオモリネズミは、レイテ島でも、分布が確認されています。
 紛らわしいことに、ルソンネズミ属という分類のグループもあります。今回の新種が属するのは、ルソン"モリ"ネズミ属のほうです。
 今回の新種は、ハミギタン山の小さな森でしか生息が確認されていません。ここが、世界で唯一の生息地という可能性があります。この森が失われたら、この新種は、地球から姿を消すことになるでしょう。
 今回の新種に限らず、ルソンモリネズミ属は、全種の数が少ないです。森が伐り開かれたりすれば、すぐ絶滅しかねません。ルソンモリネズミも、ミンダナオモリネズミも、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリスト(2006年版)に挙げられています。
 じつは、今回の新種は、2006年に発見されていたそうです。けれども、本当に新種かどうか、確認するのに時間がかかりました。正式に、新種として学名が付いたのは、2008年になってからです。
 ミンダナオ島の固有種の哺乳類は、今のところこのネズミ一種だけです。しかし、今後もそうだとは限りません。ミンダナオ島は、未調査の地域が多いからです。「調査が進めば、他にも新種の発見があるだろう」といわれます。
 このような未調査の地域は、野生をそのままに残して欲しいですね。
 ミンダナオ島の新種ネズミのニュースは、以下にあります。
 ミンダナオ島のネズミ、新種と認定(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/02/19



図鑑↓↓↓↓↓には、ネズミの仲間である齧歯目【げっしもく】が、二十種ほど載っています。
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 過去の記事でも、別のネズミの発見や、再発見を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ネットで、知りたいことを上手に知るには? 上級編(2008/07/28)
 再発見!オキナワトゲネズミ(2008/03/07)
 インドネシアのパプアで、新種の哺乳類を発見(2007/12/19)
 新種発見!トゲネズミ(2006/7/10)


2009年2月21日

北極と南極には、同じ生き物がいる?

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 北極と南極とは、似ているようで違いますね。北極にはホッキョクグマがいますが、南極にはいません。南極にはペンギンがいますが、北極にはいません。
 ところがこのほど「北極と南極では、多くの生き物が共通している」という調査結果が出ました。なんと、二百種以上が、北極と南極、両方に分布するそうです。
 ただし、これらが本当に同種であるのかはまだわかりません。今回、見つかった生き物には、研究が進んでいないものが多いからです。ほとんどが、無脊椎動物です。小さくて、種が見分けにくいものばかりです。中には、似た別種が含まれるでしょう。
 今回、両極で発見された種を、いくつか挙げてみますね。
 例えば、カイアシの仲間が、見つかっています。カイアシとは、小さな甲殻類です。エビやカニの仲間ですね。専門的には、節足動物門【せっそくどうぶつもん】甲殻亜門【こうかくあもん】顎脚綱【がっきゃくこう】カイアシ亜綱【あこう】に属する生き物を、カイアシと総称します。このグループには、一万種以上もの種が含まれます。
 カイアシ類は、北極でも南極でも重要な生き物です。彼らが、多くの生き物の餌になるからです。クジラや魚類やペンギンなどが、カイアシ類を食べます。
 ハダカカメガイも、北極・南極の両方で見つかっています。「ハダカカメガイなんて知らない」という方が多いでしょうね。では、クリオネは? ハダカカメガイとは、クリオネの正式な種名です。貝殻を持たない巻貝の一種です。以前、このブログで取り上げましたね(ハダカカメガイ(クリオネ)は流氷の天使か?(2006/01/09))。
 今回の調査は、「海洋生物のセンサスCensus of Marine Life」という国際プロジェクトの一環です。このプロジェクトは、二〇〇〇年から二〇一〇年までの、十年計画です。
 このプロジェクトにより、これまでに、たくさんの新種が発見されました。今回のように、新種の発見でなくとも、興味深い発見も、たくさんありました。
 今後も、このような発見が相次ぐでしょう。海について、人類が、いかに知らないか、痛感します。私たちは、もっと謙虚になるべきでしょうね。
 「北極と南極と、両方で発見された生物」は、以下に載っています。
 南北両極の海にすむ生物――浮遊性巻貝(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/02/15)
 南北両極の海にすむ生物――カイアシ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/02/15)
 南北両極の海にすむ生物――クリオネ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/02/15)
 「海洋生物のセンサス」プロジェクトでは、他にも、以下のような新種の生き物が、発見されています。
 深海生物の新種――ロブスター(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/11/10)
 深海生物の新種――エビと寄生虫(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/11/10)
 深海生物の新種――世界最大の尾腔亜綱(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/11/10)
 深海生物の新種――コブシガニ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/11/11)



図鑑↓↓↓↓↓には、ハダカカメガイ(クリオネ)など、無脊椎動物が、百種以上載っています。
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2009年2月14日

最小の脊椎動物?が発見される

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 新種発見のニュースです。五種の魚類が、発見されました。どれも、タツノオトシゴの仲間です。トゲウオ目【もく】ヨウジウオ科タツノオトシゴ属に属します。
 五種とも、たいへん小さい種です。成長しても、体の長さは2.5cm未満です。脊椎動物の中では、ほぼ、最小の生き物といえるでしょう。
 このような極小のタツノオトシゴは、通称、ピグミーシーホースと呼ばれます。英語での通称、pygmy seahorseを、そのまま読んだものですね。
 正式な学名は、ラテン語で付けられます。日本語名は、どの種も、まだ、付いていません。以下に、ラテン語の学名を、紹介しますね。
 Hippocampus severnsiは、標準的な体長が、1.5cmしかありません。severnsiという名は、ダイバーのMike Severnsさんの名にちなんで、付けられました。Severnsさんが、この種の発見や調査に、貢献したからです。
 Hippocampus pontohiは、標準的な体長が、1.7cmです。pontohi という名も、Hence Pontohさんというダイバーにちなんで、付けられました。
 Hippocampus satomiaeは、標準的な体長が、1.4cmです。satomiaeという名は、日本人の大西サトミさんにちなんで、付けられました。大西さんも、ダイバーです。
 Hippocampus waleananusは、前の三種と違って、地名から名づけられました。waleananusという名は、インドネシアの小さな島、ワレア島にちなんでいます。
 Hippocampus debeliusは、やはり、ダイバーの名にちなんで、名づけられた種です。その名誉を受けたのは、Helmut Debeliusさんという方です。
 これら五種のうち、最後のH. debeliusだけが、紅海に分布します。あとの四種は、インドネシアの海に分布します。
 こんな小さな種が、次々に発見されるなんて、素敵ですね。一般のダイバーの協力により、発見や調査がされたのが、素晴らしいです。「普通の人でも、科学の発見に関われる」と証明したからです。こんなダイバーが、増えて欲しいですね。

 新種のピグミーシーホース(極小のタツノオトシゴ)のニュースは、以下に載っています。
 世界最小の脊椎動物、新種5種を発見(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/02/05)
 新種のピグミーシーホースに日本人名(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/02/05)
 紅海で発見、新種のピグミーシーホース(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/2/5)
 H. severnsiと、H. pontohiおよびH. satomiaeの詳しい解説は、以下にあります。解説は英語です。
 Three new pygmy seahorses described from Indonesia(practical fishkeepingのサイト内)
 今回の発見に関わった日本人ダイバー大西サトミさんは、インドネシアのバリ島で、ダイビングショップを開いてらっしゃいます。興味がある方は、以下のサイトを御覧下さい。日本語で読めます。
 SARI Dive & cottage



図鑑↓↓↓↓↓には、タツノオトシゴと同じトゲウオ目【もく】の魚、アオヤガラヘラヤガラが掲載されています。
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2009年2月 5日

コロンビアで、十種の両生類を発見

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 南米のコロンビアより、新種発見のニュースです。十種の両生類が発見されました。
 場所は、パナマとの国境に近い、ダリエン山脈です。ここで、三週間にわたる調査が行なわれました。結果、十の新種が発見されました。
 十種の内訳は、カエルが九種、サンショウウオが一種です。どれも、まだ名前は付けられていません。いずれ、ラテン語の正式な学名が発表されるでしょう。
 今の段階で、わかっている分類を以下に挙げますね。なお、属名などの分類名は、日本語名がないものが多いです。そういうものは、ラテン語の学名で紹介します。
 アマガエルモドキ科のカエルが、三種です。Nymphargus属のもの、Cochranella属のもの、Centrolene属のものが、一種ずつです。これらのカエルは、体が透き通っていることが特徴です。英語で、グラス・フロッグglass frogと呼ばれるグループです。
 ヤドクガエル科の種も、三種です。Colostethus(コオイガエル)属、Ranitomeya属、Anomaloglossus属が、一種ずつです。この科のカエルは、毒を持つことで知られます。
 ヒキガエル科Atelopus属が、一種です。Atelopus属は、フキヤヒキガエル属、ヤセヒキガエル属などと訳されています。この属も、有毒なことが知られます。
 あと、二つの新種のカエルは、科の名前すら、日本語名がないようです。ラテン語では、Strabomantidaeという科名が付いています。属は、二種とも、Pristimantis属です。
 新種のサンショウウオは、アメリカサンショウウオ科ネッタイキノボリサンショウウオ属に属します。長くて、ややこしい名前ですね(笑)。 この属は、サンショウウオの中では珍しいものです。熱帯に分布するからです。意外なことに、熱帯には、カエルは多いのに、サンショウウオは少ないです。
 今回の調査では、新種の他にも、貴重な種がたくさん見られたそうです。哺乳類のベアードバクや、サルの仲間、イノシシに似たクチジロペッカリーなどです。
 たった三週間ほどの調査で、これほどの新種が見つかりました。この地域には、まだまだ新種がいそうです。今後の調査・研究が待たれますね。

 コロンビアの新種の両生類のニュースは、以下に載っています。
 新種の両生類10種、コロンビアで発見される NGOなどによる調査(AFPBBニュース2009/02/03)
 コロンビアで新種の両生類10種を発見-絶滅の危機に瀕する両生類の"ノアの箱舟"(コンサベーション・インターナショナル・ジャパン 2009/02/03)
 新種の画像は、以下で見られます。解説は英語です。
 A Wealth of Amphibians in Colombia【コロンビアの至宝の両生類たち】(Conservation International)



図鑑↓↓↓↓↓には、日本の両生類が二十種以上掲載されています。
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2009年1月29日

複数の科が、一つの科に? 魚の分類が変わる

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 先日、深海魚に関して、興味深いニュースがありました。これまで、違うグループに分類されていた魚が、同じグループだと判明したのです。
 それは、クジラウオ目【もく】と呼ばれるグループの魚たちです。クジラウオ目は、カンムリキンメダイ目【もく】とも呼ばれます。このグループは、いま、分類が見直されている最中です。今回は、目【もく】の下の、科【か】という分類単位が、変わりました。
 クジラウオ目には、いくつかの科が含まれます。中に、クジラウオ科、ソコクジラウオ科、リボンイワシ科という三つの科がありました。リボンイワシ科は、トクビレイワシ科とも呼ばれます。この三つの科が、一つの科にまとめられると、判明しました。
 たとえて言えば、これは、「ネコとイヌが、同種の雄と雌でした」という感じです。ネコとイヌとは、同じ食肉目【しょくにくもく】に属します。けれども、科のレベルでは、ネコは食肉目のネコ科に、イヌは食肉目のイヌ科に属します。
 深海魚は、研究が進んでいません。このような分類の見直しは、これからもありそうです。詳しい経緯は、以下のリンク先記事をお読み下さい。
 深海魚の3科、実は1つだった=DNA解析で判明・国際チーム(時事ドットコム2009/0/26)
 前記と似た別のニュースも、ありました。こちらは、魚類の新種のニュースです。
 南米のベネズエラで、ナマズの新種が、発見されました。ラテン語の学名を、Lithogenes wahariと付けられています。日本語名は、ありません。
 ナマズというのは、ナマズ目【もく】に属する魚の総称です。ナマズ目の中には、たくさんの科が含まれます。今回の新種は、ナマズ目のうちの、二つの科の特徴を持ちます。アストロブレプス科と、ロリカリア科です。
 この二つの科も、一つの科になるのでしょうか? そうなるかも知れませんし、ならないかも知れません。今回の新種のため、新しい科ができる可能性もあります。
 もともと、アストロブレプス科と、ロリカリア科とは、近縁だといわれてきました。今回の新種は、その証拠といえます。この二つの科の、共通の祖先の姿を残しているのではないか、と推測されています。詳しくは、以下のリンク先記事をお読み下さい。
 岩に登る奇妙なナマズ、新種に認定(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/01/22)
  


図鑑↓↓↓↓↓には、日本のナマズ四種を含む魚類が、五十種以上掲載されています。
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  過去の記事でも、深海魚や、ナマズの仲間を取り上げています。今回のニュースにあるように、雄と雌とが極端に違う深海魚のチョウチンアンコウも、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 超深海でも活発なのは、シンカイクサウオ?(2008/11/11)
 鮟鱇(アンコウ)鍋にはならないチョウチンアンコウ(2006/02/03)
 しゃべるナマズがいる?(2006/08/11)


2009年1月27日

ガラパゴスより、ゾウガメとイグアナの報告

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 南米エクアドル領のガラパゴス諸島より、貴重な生き物のニュースがありました。
 一つは、ガラパゴスゾウガメに関するものです。「孤独なジョージ」と呼ばれるガラパゴスゾウガメを覚えていますか? 以前、このブログで報告しましたね【「ひとりぼっちのジョージ」が、独りから脱出?(2008/7/025)】。これの続報です。
 二〇〇八年、ジョージと「お見合い」した雌が、卵を産みました。けれども、卵は、すべて無精卵だったようです。一つも孵化【ふか】しませんでした。
 今回は、残念な結果でした。来年以降に希望をつなぎましょう。
 もう一つは、新種のニュースです。ガラパゴスのイグアナのうち、陸に棲むもので、新種が確認されました。
 ガラパゴスには、海と陸とにそれぞれ別種のイグアナがいます。海に棲むのは、ウミイグアナという一種だけです。陸には、ガラパゴスリクイグアナとサンタフェリクイグアナ(バリントンリクイグアナ)の二種が棲みます。
 それが、第三の「陸のイグアナ」が確認されたのですね。じつは、この種のことは、一九八六年から、存在が知られていました。ただ、新種かどうか、疑問が持たれていました。このたび、イタリアの大学の研究で、新種と確認されました。
 この新種はラテン語の学名を、Conolophus rosadaと付けられました。日本語名は、まだありません。英語ではその体色から、Pink Iguanaと呼ばれています。
 このピンクのイグアナは、とても数が少ないです。生息する場所も、限られます。ガラパゴス諸島の中でも、イサベラ島という島のウォルフ火山にしかいないそうです。
 ガラパゴスでは、どの種のイグアナも、保護されています。とはいえ、今回の新種やサンタフェリクイグアナは、絶滅が心配されています。特に数が少ないためです。
 今回の新種は、ガラパゴスのイグアナの研究に、重要な成果をもたらすかも知れません。ガラパゴスのイグアナが、いつ、現在のような種に分化したのか、大きな手がかりを秘めているからです。そんな貴重な彼らは、将来安泰であって欲しいですね。

 ガラパゴスゾウガメの「ひとりぼっちのジョージ」のニュースは、以下にあります。
 「孤独なジョージ」卵、8個ふ化せず ガラパゴスの雄ゾウガメ(産経ニュース 2008/12/04)
 絶滅危機種の卵ふ化せず ガラパゴスのゾウガメ(産経ニュース 2009/01/23)

 ガラパゴスの陸生イグアナの新種のニュースは、以下にあります。
 新種のピンクイグアナ発見(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/01/05)
 ガラパゴス諸島でピンクの新種イグアナ発見される(AFPBBニュース 2009/01/06)


2009年1月22日

オーストラリアの深海で、新種発見

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 タスマニア島の南部沖から、いくつもの新種が発見されたニュースがありました。
 正確には、いくつの新種が発見されたのかはわかりません。私の知る限り、三つの新種の画像が公開されています。どれも、深海に棲むものです。
 一つは、ホヤの一種です。脊索動物門【せきさくどうぶつもん】尾索動物亜門【びさくどうぶつあもん】ホヤ綱【こう】に属します。植物に似ますが動物です。
 ホヤの成体は、海底の一箇所にくっついています。移動しません。普通のホヤは、海水中の小さな有機物を濾【こ】して食べます。おとなしい生き物です。
 ところが、今回の新種は肉食性です。魚などを、捕らえて食べるようです。体の前部が、漏斗【ろうと】状の罠【わな】になっていて、そこで、獲物を捕らえる仕組みです。このホヤは、なぜこんなふうになったのでしょう?
 そのヒントは、別種のホヤにあります。オオグチボヤという種です。日本の富山湾に棲みます。オオグチボヤも肉食性です。深海に棲むのも同じです。
 肉食性になったのは、深海に棲むことと関係するようです。食べ物の少ない深海で、生きる工夫でしょう。ただし、今回の新種のほうがずっと深くに棲みます。なんと、4000mを越える深海です。オオグチボヤが棲むのは、700mほどの深さです。
 他に、海綿動物【かいめんどうぶつ】らしきものと、サンゴの一種の画像が公開されています。サンゴのほうは、熱帯のサンゴ礁に多いイシサンゴとは違います。画像を見る限りでは、八放【はっぽう】サンゴの一種のようです。八放サンゴについては、過去の記事 「白保のサンゴは普通と違う? アオサンゴ」(2008/11/17)を参照して下さい。
 カイメン(海綿)らしきものは、本当にカイメンなのかどうかまだわかりません。情報が少ないからです。今のところ「おそらく、カイメンの新種」とされています。
 カイメンの仲間は、潮が引くと海上に出るようなところから、深海の海底まで広く分布します。形もたいへん多様です。画像だけでは、正体の判別は難しいです。
 今年も、続々と新種が発見されるのでしょうね。楽しみです。


 タスマニア沖深海の新種のニュースは、以下にあります。
 豪、深海で新種発見――罠をかけるホヤ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/01/18)
 豪、深海で新種発見――巨大海綿(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/01/18)
 豪、深海で新種発見――ヘビ頭のサンゴ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/01/18)
  


図鑑↓↓↓↓↓には、ホヤの仲間やカイメンの仲間、サンゴの仲間が掲載されています。
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2008年12月18日

メコン川の流域で、千種以上の新種を発見

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 今年も、たくさんの新種が発見されましたね。ここへ来て再び、大量の新種発見の報告がありました。東南アジアの、メコン川流域からの報告です。
 メコン川の流域とは、国名でいえばミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナムです。この地域は、多くの「未確認の種」がいることで知られます。
 過去十年間で、この地域からは少なくとも1068種(!)の新種が報告されたそうです。これまで、いかに調査されなかったかがわかりますね。調査が進むにつれ、さらに多くの新種が発見されるでしょう。
 新種といっても、地元の人には馴染みのある生き物かも知れません。けれども、ただ目撃されているだけでは「新種発見」ではありません。たとえ、捕まえて食べているとしてもそれだけではやはり「新種発見」ではありません。
 新種を発見するには、まず標本を採取することが必要です。次に、その標本を他の標本と比較します。これが膨大な作業になります。「どの標本とも違う」とわかって、やっと「新種発見」です。
 「発見」してもそれを公表しなければ世界の人々に知られませんね。公式には、新種のことを書いた論文が発表された時点で「新種発見」となります。
 この時点で新種には、ラテン語の学名が付けられます。これを「記載された」といいます。学名がない生き物は「記載されていない」状態です。「記載されていない」生き物は、公式には「未確認」の状態といえます。
 今回の「記載された」新種には、
 ハブに近縁なヘビ【学名:Trimeresurus gumprechti
 ショッキングピンクのヤスデ【学名:Desmoxytes purpurosea
 ウーリーコウモリ属のコウモリ【学名:Kerivoula kachinensis
などが含まれます。どの種も生態はよくわかっていません。見つかったばかりだからです。
 メコン川の流域は、開発が激しく進んでいる地域です。発見されて早々に、絶滅の危機にある種も少なくないでしょう。彼らと共存する方法を見出したいですね。


 メコン川流域の新種の画像は、以下のページで見られます。
 大メコンの新種――ピットバイパー(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース、2008/12/15) 
 大メコンの新種――ピンクの毒ヤスデ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース、2008/12/15)
 大メコンの新種――ウーリーコウモリ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース、2008/12/15)
 大メコンの新種――カワリアシダカグモ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース、2008/12/15) 
 大メコンの新種――ウデナガガエル(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース、2008/12/15)
 大メコンの新種――巨大アシダカグモ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース、2008/12/15)
 


図鑑↓↓↓↓↓には、今回発見されたヘビに近縁なハブや新発見のクモに近縁なアシダカグモが掲載されています。
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 過去の記事でも、新種の発見を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ヒヨケザルの新発見、メガネザルの再発見(2008/11/20)
 絶滅種?のシカとカエルが、再発見される(2008/10/14)
 タスマニア沖で、二百以上の新種を発見(2008/10/14)などです。

2008年11月20日

ヒヨケザルの新発見、メガネザルの再発見




 東南アジアから、二つの嬉しいニュースが届きました。新種の発見と絶滅したと思われた種の再発見です。

 新種のほうは、ヒヨケザルというグループの哺乳類です。サルと付いても、ヒヨケザルは、サル(霊長目【れいちょうもく】)ではありません。皮翼目【ひよくもく】というグループです。皮翼目は、ヒヨケザル目【もく】とも呼ばれます。
 これまで、ヒヨケザルには、二種しかいないと考えられていました。フィリピンヒヨケザルとマレーヒヨケザルです。ところが、マレーヒヨケザルのほうに、三種以上の種が含まれるとわかったのですね。DNA(遺伝子)を分析した結果です。
 マレーヒヨケザルは、マレー半島、タイ、インドネシアのスマトラ島やジャワ島などに分布します。これほど広い地域に、一種しか分布しない、と思われていました。
 それが、地域ごとに、違う種である可能性が、高くなりました。このような発見は、嬉しい驚きですね。反面、心配も出てきます。狭い範囲にしか分布しない生き物は、絶滅するおそれが高いからです。発見したての生き物を、滅ぼしたくありませんね。

 再発見のニュースは、メガネザルに関するものです。こちらは、本物の霊長目です。ピグミーメガネザルという種が、再発見されました。非常に小型の、夜行性のサルです。
 この種は、80年以上も、未確認でした。最後に確認されたのは、1920年代です。絶滅と思われたのは、無理もありません。
 再発見の舞台は、インドネシアのスラウェシ島(セレベス島)です。もともと、ピグミーメガネザルは、スラウェシ島のごく一部にしか、いなかったようです。
 その地域では、20世紀の後半に、大規模な森林伐採が行なわれました。このため、ピグミーメガネザルは、激減しました。彼らは、森林がないところでは、生きられません。
 再発見は、喜ばしいですね。けれども、ピグミーメガネザルの危機は、去ったわけではありません。生息地の破壊が続けば、今度こそ、彼らは、絶滅してしまうでしょう。
 ヒヨケザルとも、メガネザルとも、長く共存したいものです。


 ヒヨケザルの新種のニュースと、ピグミーメガネザル再発見のニュースは、以下にあります。
 "空飛ぶサル"は2種だけではなかった(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/11/10) 
 "絶滅"の霊長類、インドネシアで発見(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/11/17)


 過去の記事でも、DNA(遺伝子)分析の結果、わかった新種や、絶滅したと思われたのに再発見された種を、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 絶滅種?のシカとカエルが、再発見される(2008/10/14) 
 百種を越える魚類が発見される(2008/9/30)
 アフリカ中部で、新種の鳥を発見(2008/8/19) 
 新種・珍種がざっくざく、南硫黄島【みなみいおうとう】(2008/6/10)
などです。


2008年10月14日

絶滅種?のシカとカエルが、再発見される




 「絶滅したと思われていた生き物が再発見された」というニュースがありました。たて続けに二種です。一種はカエル(蛙)で、もう一種はシカ(鹿)です。
 カエルのほうは、中米のホンジュラスが舞台です。ラテン語の学名を、Craugastor milesiというカエルが再発見されました。約二十年ぶりのことです。
 この種には、日本語名はありません。通称、マイルズロバーフロッグと呼ばれているようです。英語名のmiles' robber frogを、そのまま読んだものですね。
 再発見されたものの状況は楽観できません。今、世界中にカエル・ツボカビ症が、蔓延しているからです。いつ、彼らが絶滅してもおかしくありません。
 私たちにできるのは、彼らの生息地を守ることくらいでしょう。それだけでもやらないよりましです。まずは、彼らの暮らしぶりを調査して欲しいですね。それがわかれば、生息地の守り方がわかるでしょう。

 シカのほうは、インドネシアのスマトラ島が舞台です。シカ科ホエジカ属の一種が再発見されました。こちらは、約八十年ぶりのことだそうです。
 ホエジカ属のシカはみな小型です。雄【おす】の角も小さいです。そのかわりでしょうか、雄には大きな犬歯がある種が多いです。いわゆる牙ですね。
 今回、再発見されたのは、スマトラホエジカという種のようです。「ようです」と書いたのは、以下の事情があるからです。
 じつは、スマトラホエジカは、「本当に『種』なのか?」という問題があります。他の地域のホエジカと同種かも知れない、というのですね。インドなどに分布するインドホエジカ(インドキョン)が、スマトラにまで分布しているのかも知れません。
 インドホエジカとスマトラホエジカが同種だという説では、「スマトラホエジカは、インドホエジカの亜種」という扱いです。種を分けるほどの差はない、ということですね。
 亜種だとしても、スマトラホエジカが貴重であることに変わりはありません。再発見は、嬉しいですね。彼らの保護策が、取られることを祈ります。

 再発見されたカエルとシカのニュースは、以下にあります。
 ホンジュラスで絶滅種のカエルを発見(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/09/26)
 再送:スマトラ島で、「絶滅種」のシカを発見(ロイター 2008/10/12)



図鑑↓↓↓↓↓には、日本に分布するカエルやシカが掲載されています。
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タスマニア沖で、二百以上の新種を発見




 またまた、オーストラリアから大量に新種発見のニュースです。タスマニア島の沖の海で、274もの新種が発見されました。そこは、水深2000mの深海です。
 これらの新種には、以下のグループに属するものがいます。魚類、棘皮動物【きょくひどうぶつ】、節足動物【せっそくどうぶつ】、刺胞動物【しほうどうぶつ】、海綿動物【かいめんどうぶつ】などです。魚類の他は、無脊椎動物ですね。
 発見された中には、ヒトデや、クモヒトデの仲間が、多いようです。ヒトデとクモヒトデは、棘皮動物に含まれます。ヒトデは、棘皮動物門【きょくひどうぶつもん】ヒトデ綱【こう】に属します。クモヒトデは、棘皮動物門クモヒトデ綱【こう】に属します。
 ヒトデ綱では、Marginaster属の新種などが見つかっています。Marginasterとは、ラテン語の学名です。一部で、Marginastersea属とされているのは、つづり間違いです。
 クモヒトデ綱では、トゲナガクモヒトデ科の新種やOphiomitrella属の新種、Amphioplus属の新種などが見つかりました。OphiomitrellaやAmphioplusというのも、ラテン語の学名です。日本語名がないグループが多いですね。
 節足動物では、カニやエビの新種が発見されました。カニでは、クリガニ科のTrichopeltarion属の新種などが見つかっています。日本の駿河湾などにいる、オオツノクリガニの近縁種です。Trichopeltarionという名もラテン語の学名です。
 エビでは、タラバエビ科ジンケンエビ属の新種などが見つかりました。ジンケンエビ属は、日本付近の浅い海にも多くいます。ハクセンエビや、エリマキエビなどです。
 刺胞動物では、サンゴの新種などが発見されました。なんと、二千年前から生きているサンゴの群体があるようです。このサンゴが、こんなに長生きなのは、深海に棲むためとされます。冷たい深海では、生き物の成長速度が遅くなるのです。
 オーストラリアの領海は、調査されていない海域のほうが広いそうです。調べれば、もっと多くの新種が発見されるでしょう。私たちが知る地球は、ほんの一部分でしかありません。そう思えば、謙虚になれますね。


 今回、発見された新種のニュースは、以下にあります。
 タスマニア島沖で、新種の海洋生物274種類を発見(AFPBBニュース 2008/10/09) 
 海洋生物の新種多数、再び豪近海で発見(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/10/09) 
 深海底に潜んでいた新種のカニ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/10/09)
 深海のサンゴに生息する新種のヒトデ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/10/09) 
 海の山に生息する新種のヒトデ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/10/09) 
 新種のトゲナガクモヒトデ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/10/09)
 などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、日本周辺に分布するヒトデ、カニ、エビ、サンゴなどが掲載されています。
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 過去の記事でも、オーストラリア周辺での新種発見を、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 百種を越える魚類が発見される(2008/09/30) 
 オーストラリアのサンゴ礁で、数百の新種を発見(2008/09/25) 

2008年9月30日

百種を越える魚類が発見される

 魚類について、びっくりニュースです。一度に113種もの新種が、発見されました。すべて、サメやエイの仲間です。軟骨魚類と呼ばれるグループです。
 先日、「百種以上の無脊椎動物が発見された」ニュースがあったばかりですね。( オーストラリアのサンゴ礁で、数百の新種を発見(2008/09/25)) 今回も、どこかの海域が調査されて、このような発見がされたのでしょうか?
 そうではありません。博物館を調査することにより、今回の発見がされました。
 博物館「による」調査でなく、博物館「を」調査したことに御注目下さい。「博物館の標本」を、調べたのです。複数の博物館の標本が、調査されました。オーストラリア、ニュージーランド、および、ヨーロッパの博物館です。
 どこの博物館にも、膨大な標本があるものです。それら全部が、詳しく調べられているとは限りません。調査が進まないままの標本が、多いものです。
 そうなる原因はいくつかあります。主な原因は、お金と人手が足りないことでしょう。
 今回の調査には、お金と人手が付いたのですね。おかげで、たくさんの標本を調べることができました。一年半をかけて、DNAの分析が行なわれたそうです。
 この「DNA分析」も、今回の調査で、注目すべきことです。百種以上もの新種を発見できたのは、これのおかげです。
 生物の種には、似たもの同士が少なくありません。外見だけでは、区別が難しいものが多いです。DNA(遺伝子)を分析すれば、似た種同士を区別できます。
 今回の調査では、「これまで一種だと思われていたものが、五種に分かれた」例が、あったといいます。外見がそっくりなため、そうなっていたのですね。このような例は、きっと、他にもたくさんあるでしょう。
 世界中の博物館には、まだまだ貴重な標本が眠っています。これから、「博物館で、新種発見」というニュースが、増えるかも知れませんね。そうなって欲しいです。標本を知ることは、今、生きているものを知ることにつながるからです。



 「113種の新種魚類」のニュースは、以下にあります。
 サメとエイの新種113種を認定(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/09/21)
 数億年泳ぎ続けていた新種のガンギエイ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/09/19)
 ノコギリザメの新種(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/09/19)
 豪最大の淡水動物オトメエイも新種(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/09/19)  
 新種のガルパーシャークは絶滅寸前(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/09/19)
 新種のスピアトゥースシャーク(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/09/19)



図鑑↓↓↓↓↓には、日本周辺に分布するサメとエイが、四種掲載されています。
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2008年9月25日

オーストラリアのサンゴ礁で、数百の新種を発見




 オーストラリアの海で、大量の新種が、一挙に発見されました。その数、なんと数百です。サンゴの新種だけでも、150種を越えるといわれています。
 発見されたのは、みな、無脊椎動物です。グレートバリアリーフと呼ばれる、サンゴ礁の海に棲みます。以下に、分類のグループ別に、紹介しますね。
 まず、サンゴの仲間です。通称、ソフトコーラル(軟質サンゴ)と呼ばれるグループが、たくさん発見されました。専門的にいえば、刺胞動物門【しほうどうぶつもん】花虫綱【かちゅうこう】のうち、硬い骨格を持たないサンゴです。
 節足動物門【せっそくどうぶつもん】に属するものも、多く発見されています。エビやカニの親類ですね。中で、軟甲綱【なんこうこう】端脚目【たんきゃくもく】に属する種が、百種以上、見つかっています。ヨコエビ、トビムシなどと呼ばれるものたちです。
 同じ節足動物門の軟甲綱で、別のグループも、発見されています。タナイス目【もく】や、等脚目【とうきゃくもく】です。タナイス目の形は、普通のエビに似ます。が、砂粒の間に棲めるほど、小さいです。等脚目は、ワラジムシやダンゴムシの仲間です。
 ヒルやミミズの仲間も、発見されました。環形動物門【かんけいどうぶつもん】というグループです。中でも、多毛綱【たもうこう】に属する種のようです。ケヤリムシや、ウミケムシの仲間ですね。名のとおり、毛が生えたグループです。しかし、もしかしたら、今回の新種のために、環形動物門の中に、新しい綱【こう】ができるかも知れません。
 ウミウシの新種も、見つかったようです。軟体動物門【なんたいどうぶつもん】腹足綱【ふくそくこう】後鰓目【こうさいもく】のうち、貝殻をなくしたものですね。簡単にいえば、「殻のない巻貝」です。
 サルパという生き物でも、新種が、発見されたようです。脊索動物門【せきさくどうぶつもん】タリア綱【こう】サルパ目【もく】に属します。広い意味で、ホヤの仲間です。
 たいへん広い分野にまたがって、新種が発見されたわけですね。これらの生き物が、どのように関連して、暮らしているのでしょう? 興味が尽きませんね。


 オーストラリアのたくさんの新種のニュースは、以下にあります。新種の美しい写真がいくつか見られますので、ぜひ御覧下さい。
 多様な未知の生物、豪サンゴ礁で発見(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/09/18)
 不思議な海洋生物――新種の軟質サンゴ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/09/18)
 不思議な海洋生物――新種のケヤリムシ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/09/18)
 不思議な海洋生物――新種のウミウシ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/09/18)
 不思議な海洋生物――新種のサルパ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/09/18)
 豪サンゴ礁で新種数百種発見される、国際的ネットワーク調査(AFPBBニュース 2008/9/20)
  


図鑑↓↓↓↓↓には、サンゴの仲間、ダンゴムシやワラジムシの仲間、ゴカイやウミケムシの仲間、ウミウシの仲間、サルパの仲間が、何種も掲載されています。
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2008年9月23日

新種のフィジーイグアナを発見

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 南太平洋のフィジー諸島から、新種発見のニュースです。発見されたのは、トカゲの仲間です。イグアナ科フィジーイグアナ属に属する種です。
 新種は、ラテン語の学名を、Brachylophus bulabulaと付けられました。日本語名は、まだ、付いていません。一部の報道では、「ブラブラ」という名だとされていますね。この「ブラブラ」は、ラテン語の学名のbulabulaを、そのまま読んだものです。
 今回の新種以外に、フィジーイグアナ属には、二種が属します。フィジーシロオビイグアナと、フィジータテガミイグアナです。どちらの種も、フィジー諸島に分布します。フィジーシロオビイグアナだけは、トンガ諸島にも分布します。
 フィジーイグアナ属は、研究が進んでいません。日本語の呼び名も、混乱しています。例えば、フィジー「シロオビ」イグアナは、「ヒロオビ」フィジーイグアナとも呼ばれます。フィジータテガミイグアナは、タテガミフィジーイグアナとも呼ばれます。
 フィジーイグアナ属には、大きな謎があります。「彼らの祖先は、どうやって、南太平洋まで来たのか?」です。一種の祖先から、この属の三種が、分化したようです。
 イグアナ科のトカゲは、大部分が、南北のアメリカ大陸に分布します。フィジーイグアナ属は、分布が、とび離れていますね。8000kmほども離れた地に、どうやって、分布を広げたのでしょうか?
 フィジーイグアナ属の祖先は、「約1300万年前に、フィジー諸島へ来た」と考えられています。今回の新種を調べることで、長年の謎が、解けるかも知れません。「祖先から、どの種が、いつ、分化したのか」は、重要な情報です。謎を解く手がかりになります。
 今回の新種を含めて、フィジーイグアナは、みな、絶滅の危機にあります。ネコ(猫)やマングースに食べられたり、ヤギ(山羊)に食べ物を奪われたりしています。
 ネコもマングースもヤギも、もとは、フィジーにいませんでした。ヒトが持ち込んだのです。フィジーイグアナを絶滅させないためには、ヒトが、何かをしなければなりません。
 フィジーイグアナの保護策が、成功することを祈ります。


 フィジーイグアナの新種のニュースは、以下にあります。
 フィジーで新種イグアナ発見=鮮やかな緑色-米豪チーム(時事通信 2008/9/20)
 フィジーイグアナの新種が発見される―長年の謎に手がかり(USGS 2008/9/18) 【英語の解説です。】


 過去の記事でも、新種の爬虫類を取り上げています。また、イグアナの仲間も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 世界最小のヘビ?を発見(2008/08/06)
 ブラジルで、14もの新種を発見(2008/05/03)
 絶滅からよみがえる? シャンハイハナスッポン(2008/04/22)
などです。



2008年9月 4日

新種のシャコガイ発見

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 またもや、アフリカから、新種発見のニュースです。貝の新種が、発見されました。
 発見されたのは、シャコガイの仲間です。熱帯の、サンゴ礁の海に棲む二枚貝ですね。新種は、シャコガイ科シャコガイ属に属します。
 日本語の報道では、この新種は、「ミル貝(ミルクイ)」とされていますね。けれども、これは、誤りです。同じ貝でも、「ミル貝」と「シャコガイ」とは、別ものです。
 新種は、ラテン語の学名で、Tridacna costataと名づけられました。今のところ、日本語名は、付いていません。
 新種のシャコガイは、とても数が少ないです。現在までに、確認されたのは、わずか13個体です。場所は、紅海のヨルダン沿岸です。世界一、希少な貝かも知れません。
 公開された画像では、大きさがわかりませんね。シャコガイ属であれば、大型になるかも知れません。シャコガイ属の種には、大きくなるものがいるからです。オオシャコガイなどは、殻の長さが、1mを越えることもあります。
 むろん、そんなに大きいものばかりでは、ありません。ヒメシャコガイなどは、殻の長さ10cmほどです。今回の新種も、大きさは、そんなものかも知れません。
 新種のシャコガイは、なぜ、こんなに数が少ないのでしょう? 古代に、ヒトが乱獲したのでは、と考えられています。シャコガイの仲間は、食用になるからです。
 今回の新種にとっては、浅い海に棲むことが、致命的でした。ヒトが獲りやすい場所に、いるわけですね。分布域が、紅海――アフリカ大陸とアラビア半島の間にある――なのも、災いしました。人類の生まれ故郷の、近くだったのです。
 化石の証拠によれば、十万年以上前には、この貝は、たくさん生息していたようです。それが、急激に減りました。その頃、人類は、アフリカ大陸を出て、他の地域へと広がるところでした。この貝は、食料として、ちょうどよかったのでしょう。
 人類の乱獲が、本当に、この貝を減らした原因かどうかは、まだ不確実です。かといって、今、保護しなくていい理由は、ありませんね。彼らを、後世に残したいです。

 新種のシャコガイのニュースは、以下にあります。日本語のニュースでは、「ミル貝(ミルクイ)」になっていますが、「シャコガイ」が正しいです。
 古代に乱獲された新種のミル貝(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/08/29)【日本語版】
 前記のニュースの英語版(National Geographic News, 2008/08/29)【英語版】
 New giant clam species discovered (BBC News, 2008/08/29)【英語版】 



図鑑↓↓↓↓↓には、今回の新種と近縁なオオシャコガイが掲載されています。
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 過去の記事でも、貝の仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ヒトデ退治は法螺【ほら】じゃない? ホラガイ(2008/07/25)
 安物から高級食材へ、アカガイ(赤貝)(2008/05/02)
 四百年、生きた貝がいる?(2007/11/01)
 魚と持ちつ持たれつ? イシガイ科の二枚貝たち(2007/04/02)
 真珠貝【しんじゅがい】の秘密(2006/06/16)



2008年8月26日

新種のエイ、新種のイルカを発見

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 二つの新種のニュースが、届きました。一つは魚類で、もう一つは哺乳類です。

 魚類のほうは、エイの新種です。通称「マンタ」と呼ばれるエイを、御存知ですか? 正式な日本語名では、オニイトマキエイという種です。この種が、二種に分かれるらしいことが、判明しました。新しい種名は、まだ、付いていません。
 これまで、「オニイトマキエイ」とされていたものには、大きさや、生態が違うグループが、二つあるようです。小さいほうのグループは、沿岸の海に棲みます。一年中、同じ海域にいます。ダイバーが出会うのは、ほとんどが、こちらのグループです。
 大きいほうのグループは、主に、外洋に棲むようです。広い海域を、回遊していると見られます。こちらのグループは、これまで、存在が知られませんでした。
 この研究成果により、「オニイトマキエイ」という種名は、なくなるかも知れません。少なくとも、新しい種名が、一つは、できるでしょう。

 哺乳類の新種は、カワイルカの一種です。南米のボリビアで、発見されました。
 以前から、ボリビアには、カワイルカ(淡水のイルカ)がいることが、知られました。それは、「アマゾンカワイルカ」だと思われていました。アマゾンカワイルカは、ブラジル、ペルー、コロンビア、ベネズエラなどに分布します。
 ところが、ボリビアのカワイルカは、「アマゾンカワイルカとは、別種らしい」と、判明しました。体色や、歯の数などが、他の水域のアマゾンカワイルカとは、違うそうです。
 ボリビアのカワイルカには、新たな種名が付けられました。ラテン語の学名を、Inia boliviensisといいます。日本語名は、「ボリビアカワイルカ」のようです。

 前記のように、今まで一つの種だと思われたものが、二つ以上の種に、分かれることがあります。新種の発見には、このような場合も、多いです。自然は、まだまだ多くの神秘を、人間から隠しているのでしょう。

 新種のエイのニュースと、新種のカワイルカのニュースは、以下にあります。
 マンタの新種が発見される(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/07/31)
 ボリビアのカワイルカは新種と判明(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/08/20) 



図鑑↓↓↓↓↓には、五十種以上の魚類と、八十種以上の哺乳類が掲載されています。
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2008年8月19日

アフリカ中部で、新種の鳥を発見

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 アフリカ中部にあるガボンから、新種のニュースが届きました。ガボンは、アフリカ西岸の、ギニア湾に面した国です。ここで、かわいい小鳥の新種が、発見されました。
 それは、日本のコマドリ(駒鳥)に、近縁な種です。同じヒタキ科、または、ツグミ科に属します。コマドリは、「ヒタキ科に属する」説と、「ツグミ科に属する」説とが、あります。今回の新種の外見は、コマドリより、ムギマキという種に似ています。
 今回の新種に最も近縁なのは、シロボシヒメコマドリという種です。シロボシヒメコマドリは、ギニア湾沿いの西岸から、インド洋に面した東岸まで、アフリカ中部に、広く分布します。ガボンにも、分布します。
 今回の新種は、ラテン語の学名を、Stiphrornis pyrrholaemusと付けられました。日本語名は、現在のところ、付いていません。
 これまで、ヒタキ科(または、ツグミ科)のStiphrornis属に属する種は、シロボシヒメコマドリだけ、とされていました。今回の新種が発見されたことで、Stiphrornis属に、もう一種、加わりました。ちなみに、日本のコマドリは、ヒタキ科(または、ツグミ科)のコマドリ属(ラテン語の学名では、Erithacus属)に属します。
 写真で見る限り、シロボシヒメコマドリと、今回の新種は、よく似ています。普通の人が野外で会ったら、区別が付かないでしょう。今回、ニュースで配信されている新種の画像は、雄(オス)のものだそうです。
 じつは、今回の新種が発見されたのは、二〇〇一年のことでした。新種だとわかるには、時間がかかるのですね。今回の場合、七年かかりました。
 まず、得られた標本を、他の標本と、比較しなければなりません。これだけで、膨大な作業です。近年では、それに加えて、DNA(遺伝子)解析がされることが、多いですね。今回も、DNA解析が、行なわれたそうです。
 今回の新種については、まだ、ほとんどのことが、わかっていません。食べ物も、分布域も、繁殖の仕方も、不明です。すべて、これからの調査にかかっています。


 コマドリに近縁な新種のニュースは、以下にあります。
 ガボンで新種の鳥発見??コマドリ似、胸はオレンジ(47ニュース 2008/08/16)
 ガボンでオリーブ色の背を持つ新種の鳥見つかる(AFPBBニュース 2008/08/17)

 今回の新種と最も近縁な「シロボシヒメコマドリ」の画像が、以下にあります。
 東アフリカの動物たち(Vladimir Dinets Homepage)※解説は英語です。ページの中央あたりにある「Forest robin」が、シロボシヒメコマドリのことです。
 シロボシヒメコマドリ画像(Birding Hotspots Around The World)



図鑑↓↓↓↓↓には、今回の新種と近縁なコマドリ、アカヒゲなどが、掲載されています。今回の新種と外見が似ているムギマキも掲載されています。ban_zukan.net.jpg
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 過去の記事でも、新種や珍種の鳥を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 新種・珍種がざっくざく、南硫黄島【みなみいおうとう】(2008/06/10)
 ダイトウウグイス復活!(2008/05/29)
 ガーナの宝冠:西アフリカの希少な生き物たち(2008/05/16)
 ブラジルで、14もの新種を発見(2008/05/03)
 楽園の鳥の楽園? インドネシアのパプア州とパプア・ニューギニア(2006/02/09)
などです。

2008年8月 6日

世界最小のヘビ?を発見




 カリブ海に浮かぶ島国、バルバドスから、興味深いニュースが届きました。「おそらく、世界最小と思われるヘビ(蛇)が、見つかった」というのです。
 そのヘビは、長さが10cmほどしかありません。太さは、細めのスパゲティくらいです。ヘビというより、黒っぽいミミズに見えます。無毒のヘビです。
 このヘビは、これまでに知られない新種です。ラテン語の学名を、Leptotyphlops carlaeと付けられました。日本語名は、付けられていません。ホソメクラヘビ科に属します。
 この新種は、石の下や、土の中に棲むようです。「シロアリの成虫や、幼虫を食べる」と推定されています。ホソメクラヘビ科の種は、みな、そのような生活だからです。
 日本には、ホソメクラヘビ科のヘビは、分布しません。よく似たメクラヘビ科の種が、分布します。ブラーミニメクラヘビという種です。ただし、この種は、近年になってから、日本に来ました。外来種ですね。いつ、どこから来たのかは、わかっていません。
 今回の新種ヘビは、二〇〇六年に、発見されていました。けれども、新種かどうか、確認するのに、時間がかかりました。やっと、二〇〇八年になって、発表できました。
 じつは、この新種の標本らしきものが、以前から、博物館にあったようです。英国のロンドン自然史博物館に一つ、マルティニーク島の博物館に二つです。マルティニーク島は、バルバドスと同じく、カリブ海に浮かぶ島です。フランスの領土です。
 前記のとおり、生物の研究には、時間がかかります。採集されたものの、研究が進んでいない標本が、少なくありません。特に、小さな生物は、そうなりやすいです。研究が、困難だからです。小さいものは、解剖するのも、大変ですよね。
 カリブ海の島々には、同じような小型のヘビが、分布しています。例えば、マルティニーク島には、今回の新種より5mmほど長いだけの種が、分布します。また、セントルシアという島国でも、今回の新種と似た別種が、発見されました。
 これらのヘビは、どの種も、絶滅の危機にあります。人間により、生息地の森林が、切り開かれているからです。貴重なヘビたちを、保護して欲しいですね。


 「世界最小のヘビ」のニュースは、以下にあります。
 世界最小のヘビを発見(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/08/03) 
 長さ10センチ、太さはめんほど??世界最小、新種のヘビ(47ニュース 2008/08/04)
 世界最小のヘビが発見される(BBC News 2008/08/03)  ※英語の解説です。
 スパゲティほど細い、世界最小のヘビ(ロイターUK 2008/08/03)※英語の解説です。



図鑑↓↓↓↓↓には、日本のヘビが、十五種ほど掲載されています。ban_zukan.net.jpg
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 過去の記事でも、いろいろなヘビを取り上げています。今回の新種の食べ物と考えられる、シロアリの記事もあります。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ベトナムで、新種の発見ラッシュ(2007/09/27) 
 春と秋しか行動しない? ジムグリ(2007/09/17)
 迷子のヘビが無事に故郷へ、サキシマバイカダ(2007/06/12) 
 シロアリとアリとは、どう違う?(2007/06/11)
 「三すくみ」は嘘だった? 蛇はナメクジも平気(2007/02/15)
などです。



2008年7月18日

灯台もと暗し。自然史博物館の庭に、新種?の昆虫




 英国から、興味深いニュースが届きました。ロンドン自然史博物館の庭で、新種らしい昆虫が見つかった、というのです。
 新種の発見自体は、珍しくありません。毎年、多くの新種が、発見されています。今回のニュースが珍しいのは、発見された場所が、大都会ロンドンの真ん中であることです。しかも、そこは、自然史博物館の庭でした。
 ロンドン自然史博物館は、決して、小さな博物館ではありません。昆虫の標本だけでも、2800万ほど収蔵されている、といいます。生物の研究では、世界有数の権威を持つところです。そんな博物館の庭先に、新種がいるとは、誰も思わなかったでしょう。
 見つかった新種?は、カメムシの仲間です。カメムシ目ナガカメムシ科に属するようです。博物館で調べた結果、ラテン語の学名でArocatus roeseliiという種に近縁ではないか、とされました。この種は、ヨーロッパ中央部に分布します。
 Arocatus roeseliiは、日本には分布しません。そのため、日本語名は付いていません。この種に近縁なものとしては、セスジナガカメムシという種が、日本に分布します。
 日本のセスジナガカメムシは、赤と黒の、美しい体色をしています。今回の新種も、体色は、赤と黒だとされます。ただし、発表された写真では、地味に見えますね。この写真は、幼虫を写したもののようです。成虫は、美しくなるのかも知れません。
 今回、見つかったカメムシは、「新種」と決まったわけではありません。今のところ、外見の特徴しか、調べていないからです。それだけでは、新種かどうか、決めることはできません。例えば、普通にいる種の中に、たまたま、色変わりをした個体がいて、その子孫が増えた、という可能性もあります。
 博物館では、明確な結果を出すために、DNAの調査をするそうです。こういった調査には、時間がかかります。新種が「新種である」とわかるには、たいてい、年単位の時間が必要です。学術調査とは、気長に、地道に、行なうものなのですね。私たちも、気長に結果を待ちましょう。

 「ロンドンの真ん中で新種?」のニュースは、以下にあります。
 ロンドンのど真ん中で新種の昆虫? 専門家も正体がつかめず(technobahn 2008/07/15)
  


図鑑↓↓↓↓↓には、今回の新種?と同じナガカメムシ科のオオメカメムシ、オオモンシロナガカメムシが掲載されています。
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ぜひご利用下さい。


 過去の記事でも、昆虫の新種の発見や、再発見を取り上げています。また、カメムシの仲間も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 新種・珍種がざっくざく、南硫黄島【みなみいおうとう】(2008/06/10)
 ガーナの宝冠:西アフリカの希少な生き物たち(2008/05/16)
 イネクロカメムシは福田【ふくだ】の虫?(2007/10/08)
 腸内細菌が進化の決め手? マルカメムシ(2007/06/21)
 カメムシはなぜ臭【くさ】い?(2006/11/03)
などです。


UK-JAPAN2008 WEBサイトに記事掲載!

2008年6月10日

新種・珍種がざっくざく、南硫黄島【みなみいおうとう】

 

南硫黄島という島を、御存知ですか? 大部分の方は、聞いたこともないでしょう。日本の南の果てのほうの、無人島です。小笠原諸島に属します。
 この島で、最近、重大な生物の発見が、いくつもありました。以下に紹介しますね。
 一つは、昆虫の珍種の再発見です。絶滅したと思われた種が、生きていました。ハナアブ(花虻)の一種です。オガサワラハラナガハナアブという種です。
 この種は、1963年に、小笠原の父島と母島で、発見されました。ところが、その後、父島でも母島でも、生息が確認できませんでした。40年以上を経て、再発見です。
 オガサワラハラナガハナアブは、何を食べるのかすら、わかっていません。「ハエ目ハナアブ科ハラナガハナアブ属に属するらしい」と知られるだけです。
 貝の仲間でも、再発見がありました。ナカダノミガイと、タマゴナリエリマキガイです。どちらも、陸の巻貝(カタツムリ)です。両種とも、戦前に、父島で記録されたきりでした。やはり、絶滅したと思われていました。60年以上の空白が、あったわけです。
 ワラジムシの仲間でも、珍しい種が発見されました。節足動物門【せっそくどうぶつもん】軟甲綱【なんこうこう】等脚目【とうきゃくもく】ミズムシ亜目に属する種です。昆虫にも、ミズムシと呼ばれる仲間がいますが、それとは違います。
 この種が新種かどうかは、まだ、確認されていません。けれども、たいへん貴重な種なのは、確かです。なぜなら、陸に棲むからです。等脚目のミズムシには、これまで、陸に棲む種が、見つかっていません。今まで知られる種は、すべて、海水や淡水に棲みます。もしかしたら、南硫黄島のミズムシは、世界初の「陸生ミズムシ」かも知れません。
 その他にも、世界中で、南硫黄島にしかいない生き物が、確認されました。植物のエダウチムニンヘゴ、鳥類のクロウミツバメ、昆虫のミナミイオウヒメカタゾウムシなどです。
 これ以外にも、昆虫や、クモや、カタツムリの新種が見つかっています。希少な生き物も、多数、確認されました。日本にも、まだ、こんな生き物の楽園があるのですね。末永く、この楽園が、維持されて欲しいです。


 南硫黄島の調査の報告は、以下に載っています。※直接、pdfファイルにつながりますので、御注意下さい。
 【速報版】主な調査結果(平成19年07月25日現在)
 【調査結果速報版 第二弾】南硫黄島調査で得られた成果(追加判明分)(平成19年11月22日現在)


 過去の記事でも、小笠原諸島など、島の貴重な生き物を取り上げています。また、数十年の空白を経て再発見された生き物も、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ダイトウウグイス復活!(2008/05/29)
 再発見! オキナワトゲネズミ(2008/03/07)

 海中のオブジェ? パイプウニ(2007/11/16)
 メグロはメジロと仲良し?(2007/11/12)
 大洋に生きるオガサワラトカゲ(2007/11/9) ※南硫黄島にもいるトカゲです。
 ヤシ? いいえシダの木です。マルハチ(2007/11/2) ※南硫黄島のエダウチムニンヘゴに近縁な植物です。
 虫が島を壊す? ナナツバコツブムシ(2007/6/28) ※南硫黄島のミズムシと同じ等脚目【とうきゃくもく】の生き物です。
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、マルハチ、ワラジムシ、オガサワラトカゲ、オガサワラオオコウモリ、オガサワラカワラヒワなど、南硫黄島に棲む生き物や、それらに近縁な生き物が掲載されています。
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2008年5月29日

ダイトウウグイス復活!

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 先日、嬉しいニュースがありました。「絶滅したかも知れない」といわれていた鳥が、再発見されたのです。その鳥の名は、ダイトウウグイスといいます。
 ダイトウウグイスは、ウグイス(鶯)の仲間です。普通のウグイスの亜種【あしゅ】です。亜種とは、「同じ種【しゅ】の中で、種を分けるほどではないけれども、特定の特徴を持つグループ」のことです。ダイトウウグイスは、「普通のウグイスと同種で、少しだけ、違う特徴を持つグループ」といえます。
 ダイトウウグイスの外見は、普通のウグイスにそっくりです。とても、区別が付けにくいです。いったい、どこが、普通のウグイスと違うのでしょう?
 まず、体色が違います。普通のウグイスは、くすんだ緑色ですね。ダイトウウグイスは、もう少し赤みが強いです。赤褐色に近い色です。
 もう一つ、嘴【くちばし】が違います。ダイトウウグイスのほうが、嘴が長いとされます。ハシナガウグイスという亜種と、紛らわしいですが、別亜種のようです。
 他にも、いくつか、細かい差があります。詳しいことは、研究途上です。
 最初に、ダイトウウグイスが発見されたのは、一九二二年です。場所は、南大東島【みなみだいとうじま】(現在は沖縄県に所属)でした。この地名より、ダイトウウグイス(大東鶯)と名づけられました。その後、ダイトウウグイスの消息は、途絶えてしまいます。
 一九八〇年代に、南大東島の隣の北大東島【きただいとうじま】で、ダイトウウグイスらしき鳥が、目撃されました。けれども、この時は、ダイトウウグイスであると、確認できませんでした。そのため、ダイトウウグイスは、「絶滅亜種」とされていました。
 それが、二〇〇八年になって、再発見されたのですね。ただし、場所は、喜界島【きかいしま】です。鹿児島県の奄美諸島【あまみしょとう】に属する島です。
 約八十年もの歳月を経て、再発見されるなんて、劇的ですね。これに関しては、いろいろとドラマがあるようです。詳しくは、以下のリンク先を御覧下さい。


 ダイトウウグイス再発見のニュースは、以下のページに載っています。
 <ダイトウウグイス>絶滅と思われていた鳥を喜界島で発見 1922年以降見つからず(Yahoo!ニュース 2008/05/21) 
 ダイトウウグイス:巣と卵を喜界島で発見 一時は絶滅説も(毎日新聞 2008/05/21)
絶滅鳥ダイトウウグイスが復活?(山階【やましな】鳥類研究所) ※二〇〇四年に開かれたワークショップの報告です。 
 絶滅ウグイス、沖縄で生きていたダイトウウグイス(野鳥ニュースNo.608 2001/11/21) ※二〇〇一年にも、「再発見」の報告がありました。


 過去の記事でも、「絶滅と思われた生き物が、再発見された」ことや、「野生で絶滅していた生き物が、復活した」ことを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ちょっと待って! メダカの放流(2008/04/25) 
 絶滅からよみがえる? シャンハイハナスッポン(2008/04/22)
 再発見! オキナワトゲネズミ(2008/03/07) 
 コウノトリとトキ、未来への一歩(2007/05/24)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、ダイトウウグイスは載っていませんが、普通種のウグイスが掲載されています。亜種ハシナガウグイスの画像もあります。
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2008年5月16日

ガーナの宝冠:西アフリカの希少な生き物たち




 今、横浜市が、アフリカに染まっています。第四回アフリカ開発会議が、横浜で開かれるからです。このブログも、便乗しますね(笑) アフリカの生物を、紹介しましょう。
 昨年(二〇〇七年)十二月に、西アフリカのガーナから、「多くの新種がいる」と発表されました。新種の発見場所は、アテワ自然保護区です。新種ばかりでは、ありません。これまで知られている種でも、希少なものの生息が、確認されました。
 例えば、カエルです。ラテン語の学名を、Conraua derooiという種がいます。日本語名は、ありません。アカガエル科ゴリアテガエル(ゴライアスガエル)属に属します。
 Conraua derooiは、「世界で最も絶滅に近いカエル」といわれます。今後、生き残る可能性があるのは、アテワに棲むものだけだ、と考えられています。
 鳥類では、モモグロサイチョウや、リベリアクロヒタキなどの生息が、確認されました。モモグロサイチョウは、サイチョウ科ナキサイチョウ属の鳥です。リベリアクロヒタキは、ヒタキ科クロヒタキ属に属します。どちらも、数が少ない種です。
 哺乳類では、霊長類(サルの仲間)で、絶滅に近い種が、確認されました。オリーブコロブスや、ラテン語の学名をColobus vellerosusという種(日本語名なし)などです。
 昆虫では、八種の新種が発見されました。すべて、キリギリスの仲間です。アテワでしか、生息が確認されていません。また、希少なチョウ(蝶)も、確認されました。ラテン語の学名を、Mylothris atewaという種です。日本語名は、ありません。シロチョウ科シロチョウ亜科に属します。モンシロチョウの類縁ですね。
 昆虫以外の節足動物でも、新種が発見されました。クモ綱【こう】クツコムシ目【もく】クツコムシ科の種です。クモとダニの中間のような姿をしています。ラテン語の学名を、Ricinoides atewaと名づけられたようです。
 魚類や植物でも、珍しい種が、確認されています。中でも、シダ植物のCyathea manniana(ラテン語の学名、日本語名はなし)は、興味深いです。この種は、ヘゴ科ヘゴ属に属します。木生シダといって、樹木になるシダです。Cyathea mannianaと似た種は、ブラジルとマダガスカルにしか、分布していないそうです。
 たった一つの自然保護区で、この様子です。アフリカ全体では、どれほどの生き物がいるのでしょう? この多様性を、保ち続けたいですね。


 西アフリカのガーナで発見/確認された生き物については、以下に載っています。
 ガーナの熱帯林で、キリギリスや節足動物など9種の新種、 希少な生物種を発見(コンサベーション・インターナショナル・ジャパン 2007/12/06)
 ガーナで、新種、希少種、絶滅危惧種【ぜつめつきぐしゅ】などを発見(コンサベーション・インターナショナル 2007/12/06) ※英語の解説です。
 新種動物をガーナで発見(OCCULuTION 2007/12/08) ※新種の節足動物(クツコムシ)などの写真が載っています。


 前記の、発見/確認された生き物の情報や、写真は、以下にもあります。
 最も絶滅に近いカエル、Conraua derooiの写真(Arkive) ※解説は英語です。
 アフリカ最大の蝶といわれるドルーリーオオアゲハの写真(ぷてろんワールド)
 シロチョウの一種Mylothris atewaの写真(ガーナの蝶たち) ※解説は英語です。

 クツコムシ目の解説(Wikipedia日本語版)

 シダ植物のCyathea mannianaの写真、全体像(metafro)
 シダ植物のCyathea mannianaの写真、ゼンマイ状の若葉(metafro)
 シダ植物のCyathea mannianaの写真、葉(metafro)

 横浜の、第四回アフリカ開発会議のサイト
 横浜の「アフリカ月間」の案内

2008年5月 3日

ブラジルで、14もの新種を発見

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 またもや、新種発見のニュースです。今度の舞台は、南米のブラジルです。なんと、一挙に、十四種が発見されました。
 種の内訳は、魚類が八種、両生類が一種、爬虫類が三種、鳥類が一種、哺乳類が一種です。うち、いくつかの種を、紹介しましょう。
 爬虫類三種のうちの一種は、脚【あし】がないトカゲです。ピグミーテグー科バキア【Bachia】属の一種、と考えられています。この仲間は、日本には分布しません。
 「脚がないトカゲとは、ヘビ(蛇)ではないのか?」と思う方がいるでしょう。トカゲとヘビの違いは、脚の有無だけではありません。他に、いくつもの違いがあります。
 大きな差の一つは、トカゲには、瞼【まぶた】があることです。ヘビには、瞼がありません。ですから、ヘビは、まばたきをしません。
 今回の新種「脚がないトカゲ」にも、瞼があります。バキア属の特徴として、透明な瞼を持つはずです。このため、バキア属のトカゲは、目を閉じても、見ることができます。
 鳥類の新種は、とても小さなキツツキです。キツツキ科ヒメキツツキ属の一種、とされています。ヒメキツツキの仲間も、日本には分布しません。
 両生類の新種は、一見、ヒキガエルに似ています。英語名を、「角のあるヒキガエルhorned toad」というほどです。けれども、ヒキガエル科ではありません。ユビナガガエル科ツノガエルモドキ属の一種、とされます。ツノガエルモドキも、日本には、分布しません。
 これらの種が発見されたのは、ブラジルのセラードと呼ばれる地域です。ここは、自然の宝庫です。前記の新種以外にも、たくさんの貴重な種がいます。
 例えば、鳥類のスミレコンゴウインコや、クロアイサや、マメシギダチョウ、および、哺乳類のアメリカヌマジカや、ミツオビアルマジロなどです。みな、絶滅の危機にある種です。彼らにとって、セラードは、最後の楽園かも知れません。
 残念ながら、この楽園が、おびやかされています。人間による開発が、進んでいるからです。何とか、この野生の王国を、残したいですね。


 ブラジルの新種のニュースは、以下に載っています。
 ブラジルの草原で、「脚がないトカゲ」などの新種が発見される(コンサベーション・インターナショナル 2008/04/29) ※英語の解説です。
 ブラジルの草原で発見された新種たちの写真(コンサベーション・インターナショナル、2008/04/29) ※英語ですが、写真集ですので、観るだけで楽しめます。


 過去の記事でも、新種の発見を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 両生類は、肺がなくても生きられる?(2008/05/01)
 タンザニアで、新種の哺乳類を発見!(2008/04/16)
 再発見! オキナワトゲネズミ(2008/03/07)
 インドネシアのパプアで、新種の哺乳類を発見(2007/12/19)
 霊長類【れいちょうるい】が絶滅の危機に?(2007/11/01)
 ベトナムで、新種の発見ラッシュ(2007/09/27)
 新種のクシクラゲ? 発見(2007/6/13)
などです。


2008年5月 1日

両生類は、肺がなくても生きられる?

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 先日、インドネシアのボルネオ島(カリマンタン島)で、新種のカエルが発見されたというニュースがありましたね。なんと、「肺がないカエル」です。このカエルは、どうやって、呼吸するのでしょうか?
 じつは、普通のカエルも、「肺だけ」で呼吸するわけではありません。皮膚でも呼吸します。しかも、皮膚呼吸の割合が、かなり高いです。どのくらいの割合かは、種によって違います。「肺呼吸より、皮膚呼吸のほうが主」という種もいます。
 カエルは、もともと、皮膚呼吸が盛んなのですね。今回、発見された新種は、その延長線上にいます。何らかの理由で、肺を捨てたほうが、有利になったのでしょう。すべての呼吸を、皮膚へと、集中させたわけです。
 皮膚呼吸が盛んなのは、カエルだけではありません。すべての両生類が、皮膚呼吸をします。両生類は、皮膚呼吸に頼る割合が、高いです。
 カエル以外の両生類では、成体でも、「肺がない」種が、なん種もいます。サンショウウオや、イモリの仲間に多いですね。両生類の中の、有尾目【ゆうびもく】というグループです。カエルは、無尾目【むびもく】というグループに属します。
 例えば、有尾目の中に、ムハイサラマンダー科というグループがあります。ムハイサラマンダーの「ムハイ」とは、「無肺」です。このグループの両生類には、肺がありません。成体は、皮膚呼吸だけで、生きています。
 ムハイサラマンダー科の種は、日本には分布しません。けれども、日本にも、「肺がない」両生類がいます。ハコネサンショウウオという種です。
 ハコネサンショウウオは、有尾目のサンショウウオ科に属します。ムハイサラマンダー科以外でも、肺がない種がいるのですね。一部では、「肺のない両生類」が、たいへん珍しいように報道されています。が、本当は、そうでもありません。
 カエル(無尾目)で「肺がない種」が見つかったのは、今回が初めてです。でも、他にもいるかも知れません。見つかっていないだけで、いるのではないか、と思います。


 新たに発見された「肺のないカエル」のニュースは、以下に載っています。
 インドネシアで発見の「肺のないカエル」、進化論に新たな光(AFPBBニュース 2008/04/11)
 ボルネオのジャングルで肺のない成体のカエルが発見(Technobahn 2008/04/08)


 過去の記事でも、「肺がない種」など、さまざまな両生類について、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ボルネオ島に肺【はい】のないカエルが発見される?!(2008/04/10)
 2008カエル年【amphibian ark 2008/YEAR OF THE FROG】(2008/02/29)
 真冬が恋の季節? サンショウウオ(2007/12/07))
 カエル・ツボカビ症のその後(2007/12/03)
 陸に棲むのに肺がないハコネサンショウウオ(2005/10/10)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、肺のないハコネサンショウウオなど、多くの両生類が掲載されています。
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2008年4月23日

世界で最長寿の樹木を発見!

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 スウェーデンから、びっくりニュースです。なんと、樹齢が九千年を越える樹木が、発見されました。発見したのは、スウェーデンのウーメオ大学の研究チームです。
 その樹木は、スウェーデンの西部、ノルウェイとの国境に近いほうにあります。マツ科トウヒ属の一種とされます。おそらく、ドイツトウヒでしょう。
 ドイツトウヒは、ヨーロッパトウヒ、オウシュウトウヒなどとも呼ばれます。クリスマスツリーにされる樹ですね。日本でも、防雪林として、北海道などに植えられています。
 トウヒ属の樹木は、多くが、寒い地域に生えます。なのに、常緑です。冬でも緑の姿を、昔の人は、生命力の象徴と見たのでしょう。最長寿の樹に、ふさわしいですね。
 今回、発見されたトウヒは、約9550歳といわれます。ほぼ一万歳です(!)
 これまで「最高齢の樹」とされたのは、北米大陸にある樹でした。二〇〇八年現在で、約4845歳という樹です。同じマツ科ですが、トウヒ属ではなく、マツ属の種です。日本語の種名は、確定していません。ラテン語の学名で、Pinus longaevaという種です。
 今回のニュースの樹は、なぜ、こんなに長生きできたのでしょう? その秘密は、「合体木」にあります。合体木とは、複数の樹がくっついて、一本の樹のようになったものです。巨木には、よく見られます。こうなると、丈夫になるのですね。
 今回のトウヒは、純粋に一本の樹ではなく、合体木だといいます。約9550年という樹齢は、合体しているうちの、一本の樹のもののようです。
 「ずるい、それじゃ『最長寿の樹木』じゃない」と思う方が、いるかも知れませんね。けれども、少なくとも、樹の一部は、九千年以上、生きてきました。
 この樹が最初に芽を出した頃には、まだ、マンモスがいました。ヒトは、石器時代でした。それから、ネット時代の今まで、生き延びたのです。これほどの年月に敬意を表して、「最長寿の樹木」という称号をあげても、いいでしょう。
 この樹の隣にも、樹齢五千年を越える樹が、生きているそうです。何千年も、身を寄せ合って、生き永らえたのでしょう。末永く、共に生きて欲しいですね。


 世界最高齢の樹木のニュースは、以下にあります。
 スウェーデンで世界最古の木発見、樹齢約1万年(AFPBBニュース 2008/04/18)
 樹齢8000年、世界最古の生きた樹木がスウェーデンで発見(technobahn 2008/04/12)


 過去の記事でも、ドイツトウヒを取り上げています。また、なみ外れて長寿の生き物も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 クリスマスツリーはモミではない?(2005/11/28)
 四百年、生きた貝がいる?(2007/11/01)
 亀(カメ)は本当に長生きか?(2006/01/02)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、残念ながら、ドイツトウヒは載っていません。そのかわり、同じトウヒ属のエゾマツと、ヤツガタケトウヒが掲載されています。
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2008年4月22日

絶滅からよみがえる? シャンハイハナスッポン

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 ベトナムから、嬉しいニュースが届きました。「野生では、絶滅したのでは?」といわれていたカメ(亀)の一種で、野生の個体が発見されました。
 そのカメは、シャンハイハナスッポンという種です。スッポン(鼈)の仲間ですね。スッポン科ハナスッポン属に属します。ラテン語の学名は、Rafetus swinhoeiです。
 確認される限り、シャンハイハナスッポンは、2008年現在で、三頭しかいませんでした。中国に二頭、ベトナムに一頭です。どれも、飼育されています。
 ただし、ベトナムの飼育個体は、新種のRafetus leloii(ラテン語の学名)だ、ともいわれます。Rafetus leloiiという種は、まだ、正式には、認められていません。
 確認個体のうち、雌(メス)は、中国の動物園にいる一頭だけでした。しかも、その個体は、百歳を越えています。これでは、絶滅が確定したようなものですね。
 それが、新たな個体が見つかったのです。場所は、ベトナム北部の沼です。
 シャンハイハナスッポンは、非常に大きくなるカメです。体長は、1mに達し、体重は、100kgを越えることもあります。寿命は、100年を越えます。
 ベトナムには、「国の危機を救ったカメ」の伝説があります。大きな金色のカメだそうです。その伝説のカメは、シャンハイハナスッポン、もしくは、近縁のRafetus leloiiだと、いわれます。ベトナムの人にとって、今回のニュースは、ことに嬉しいでしょう。
 ハナスッポン属のカメは、どの種も、危機にあります。ひどく数が減っています。シャンハナスッポンと別に、Rafetus leloiiという種がいたとしても、絶滅同然です。西アジアでは、メソポタミアハナスッポンが、「野生絶滅したのでは?」といわれています。
 シャンハイハナスッポンについては、現在、緊急の繁殖プロジェクトが、進んでいます。幸いなことに、たった一頭の雌に、繁殖能力がある、とわかりました。百歳の「お婆さん」なのに、驚きですね。この雌に、お婿さんを迎える計画です。
 この計画が、成功するといいですね。でも、野生の個体が増えるのが、理想です。今回見つかった個体は、野生で長生きして、子孫を増やして欲しいですね。


 シャンハイハナスッポンのニュースは、以下にあります。
 伝説の巨大スッポン、ベトナムで米チームが野生の個体を発見(AFPBBニュース 2008/4/19)
 鶴は千年亀は万年と言うけれど絶滅の危機100歳スッポン花婿を急募―湖南省長沙市(レコードチャイナ 2007/05/23)
 一九六八年に捕らえられたシャンハイハナスッポン、または、近縁種のRafetus leloiiの剥製【はくせい】写真があります

 驚いたことに、以前、日本で、シャンハイハナスッポンが見つかったことがあります。食用のスッポンに混じって、輸入されたものが、放たれたようです。奈良県の猿沢池というところです。
 猿沢池の外来カメの詳細  ※直接、pdfファイルにつながります。


 過去の記事で、スッポンなど、淡水に棲むカメを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 イシガメが絶滅寸前?(2007/11/19)
 スッポン(鼈)の故郷はどこ?(2007/02/23)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、スッポンなど、九種のカメが掲載されています。
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2008年4月16日

タンザニアで、新種の哺乳類を発見

 

先日、アフリカのタンザニアで、新種の哺乳類が発見されました。ハネジネズミ(跳ね地鼠)というグループの一種です。聞き慣れない名前ですね。
 ハネジネズミは、名前も姿も、ネズミに似ています。けれども、ネズミの仲間ではありません。長脚目【ちょうきゃくもく】(ハネジネズミ目【もく】ともいいます)というグループに属します。ネズミは、齧歯目【げっしもく】に属しますね。
 ハネジネズミは、まるでゾウ(象)のように、細長い鼻を持ちます。このために、ゾウトガリネズミという別名があります。今回見つかった種も、鼻が細長いです。
 トガリネズミ(尖鼠)とは、かつて、ハネジネズミと近縁だとされた哺乳類のグループです。そのため、ハネジネズミに、「ゾウトガリネズミ」という別名が付きました。
 近年、「トガリネズミとハネジネズミとは、縁が遠い」とわかりました。トガリネズミは、トガリネズミ目【もく】に属します。
 前記のとおり、ハネジネズミの分類は、何回も、組み直されました。生物学が、進歩しているのですね。科学は、より正しいものを求めて、変わってゆきます。
 しかし、おかげで、図鑑などの表記が混乱しています。書物やウェブサイトによっては、ハネジネズミを「食虫目」、「モグラ目」、「トガリネズミ目」などに分類しています。現在は、「ハネジネズミは、長脚目」ということで、ほぼ、意見が一致しています。
 ハネジネズミの仲間は、アフリカにしか分布しません。日本人には、馴染みがないわけです。全種で、十五種ほどしかいません。世界的に、珍しい生き物です。
 広い意味では、長脚目は、アフリカ起源の哺乳類と、類縁があります。アフリカ獣上目というグループに属します。上目【じょうもく】とは、分類学で、目の一つ上の段階です。
 アフリカ獣上目には、長鼻目【ちょうびもく】(ゾウの仲間)、海牛目【かいぎゅうもく】(ジュゴンの仲間)などが属します。こんなに違うものと類縁とは、驚きますね。
 今回の新種には、日本語名は付いていません。ラテン語の学名で、Rhynchocyon udzungwensisと名付けられています。


 新種のハネジネズミのニュースは、以下のサイトにあります。
 タンザニアの奥地で新種の小型哺乳類を発見(AFPBBニュース 2008/02/02)


 過去の記事で、ハネジネズミと同じく、「ネズミでないネズミ」を取り上げています。また、他の新種のニュースも取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ネズミでないネズミがいる?(2007/12/21)
 インドネシアのパプアで、新種の哺乳類を発見(2007/12/19)
 シーラカンスの新種?発見(2007/11/15)
 霊長類【れいちょうるい】が絶滅の危機に?(2007/11/01)
などです。


2008年4月 3日

ゾウのようなネズミ?!タンザニアで新種のネズミを発見!!




 先日、またまた新種の哺乳類が、アフリカのタンザニアで発見されました。
 詳しくは、以下のニュース記事をご覧ください。
 タンザニアの奥地で新種の小型哺乳類を発見(AFPBBニュース 2008/02/02)

2008年3月 7日

再発見! オキナワトゲネズミ




 南西諸島から、嬉しいニュースです。沖縄県で、「絶滅したかも知れない」と言われていた生き物が、再発見されました。ネズミの一種、オキナワトゲネズミです。生存が確認されたのは、なんと、約三十年ぶりだそうです。
 オキナワトゲネズミは、世界中で、日本の沖縄本島にしかいません。近縁種のアマミトゲネズミが奄美大島に、トクノシマトゲネズミが徳之島に、分布します。どの種も、ヒトの害にはなりません。森林に、ひっそり棲んでいます。
 トゲネズミの仲間は、全部で、この三種だけです。どの種も、数が減っています。その原因は、いくつかあると考えられています。
 特に、深刻なのは、外来種の存在です。主に、ジャワマングースと、ノネコ(家畜の猫が、野生化したもの)が、トゲネズミをおびやかしています。
 ジャワマングースは、ハブを退治するために、南西諸島に移入されました。ところが、ハブよりも、トゲネズミのような弱い生き物を食べています。捕るのが楽な生き物を捕るのですね。考えてみれば、当然です。
 ノネコの問題は、より深刻かも知れません。ネコは、ペットとして、可愛がられているからです。確かに、人間から見れば、ネコは可愛いですね。
 けれども、ネコは、肉食獣です。それを忘れてはいけません。ネズミなどの小動物から見れば、恐ろしい生き物です。ちょうど、ヒトから見たトラ(虎)のようなものです。
 例えば、ヒトが平和に暮らす街に、トラが放たれたら? どんな恐ろしいことになるか、想像できますよね。
 人間に飼われているネコは、おとなしいです。自分で、食べ物を捕る必要がないからですね。でも、野生化したネコは、そうではありません。トゲネズミの棲む森に、ノネコが来たら、人の街にトラが来たのと同じです。
 ネコを飼うな、というのではありません。「きちんと管理して飼おう」ということです。
正しくペットを飼うことが、トゲネズミなど、貴重な種を守ることになりますね。


 オキナワトゲネズミ再発見のニュースは、以下に載っています。
 幻ネズミ生きていた オキナワトゲネズミ(沖縄タイムス 2008/03/06)
 絶滅危機種オキナワトゲネズミの捕獲成功!(WWFジャパン 2008/03/05)


 過去の記事でも、トゲネズミなど、南西諸島の貴重な生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 新種発見! トゲネズミ(2006/07/10)
 指の数が違うカエルがいる?(2008/02/22)
 イグアナ? いえ、キノボリトカゲです(2008/02/11)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、トゲネズミが掲載されています。
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2008年2月 9日

華南虎【かなんとら】の再発見は、偽造だった?

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 残念なお知らせです。
 昨年(二〇〇七年)の十月に、「野生では絶滅したはずの華南トラ(アモイトラ)が、再発見された」というニュースがありましたね。どうやら、これは、誤報だったようです。
 「再発見」の発表をしたのは、中国、陝西省【せんせいしょう】の林業庁でした。「野生のアモイトラ」と称される写真も、公表されましたね。
 今回は、陝西省の同庁が「野生アモイトラの再発見には、充分な証拠がなかった」と発表しました。事実上、「写真が偽造だった」と認めている状況です。
 これで、振り出しに戻りましたね。「野生のアモイトラは、絶滅が確定的」です。
 幸いなことに、アモイトラは、完全に絶滅してはいません。まだ、飼育されているものがいます。けれども、その数は、わずか数十頭です。このままでは、十年経たないうちに、完全に絶滅してしまうでしょう。
 今、アモイトラを飼う施設では、懸命な努力が続けられています。たくさん繁殖させて、野生へ返そうという努力です。この努力が、実って欲しいですね。
 かつて、アモイトラは、害獣として駆除されました。急激に減ったのは、このためだといわれます。
 確かに、トラは、危険な肉食獣ですね。ヒトを襲うことがあります。地元の人にしてみれば、害獣と言いたくなるでしょう。
 しかし、最近では、肉食獣の役割が、見直されています。肉食獣がいなくなると、草食獣が増え過ぎる、などの害があります。結局、人間にとって、得になりません。
 中国では、いったん、野生で絶滅した生き物を、野生に復帰させたことがあります。シフゾウ(四不像)というシカ(鹿)の一種です。水辺に棲む、珍しいシカです。
 シフゾウの野生復帰は、簡単ではありませんでした。大型の動物を繁殖させたり、野生で暮らす場所を確保したりするのは、大変なことです。でも、やり遂げられました。
 実績があるのですから、アモイトラでもできる、と信じたいですね。


 「アモイトラ再発見は誤報」のニュースは、以下のページにあります。
 <華南トラ>発見の発表は「時期尚早だった」、陝西省林野庁が国民に謝罪!―中国(レコードチャイナ、2008/02/05)
 中国またか!「絶滅トラ発見」実は…偽スクープ写真(スポーツ報知、2008/02/06)


 過去の記事で、「アモイトラ再発見か?」というニュースをお伝えしています。ジャガーやヒョウ(豹)など、他の大型肉食獣も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 野生の華南虎【かなんとら】、二十四年ぶりに発見?(2007/10/22)
 ジャガーについて(2007/08/01)
 ボルネオ(カリマンタン)島で、新種の豹(ヒョウ)を発見(2007/03/17)
などです。

2007年12月19日

インドネシアのパプアで、新種の哺乳類を発見

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 東南アジアから、新種発見のニュースです。インドネシアのパプア州で、新たに、フクロヤマネの仲間と、ネズミの仲間が、発見されました。二〇〇七年の自然調査の結果です。
 フクロヤマネとは、「フクロ」の名が付くとおり、有袋類【ゆうたいるい】の一種です。カンガルーやコアラと、同じグループですね。カンガルー目クスクス亜目ブーラミス科に属します。ラテン語の学名は、Cercartetus nanusです。
 今回、発見された新種も、フクロヤマネと同じCercartetus属だと考えられています。正式な名は、まだ付いていません。樹上で、リスに似た生活をしているようです。
 もう一つの新種は、ネズミと同じ齧歯目【げっしもく】に属します。日本のハツカネズミなどと同じく、齧歯目の中の、ネズミ科ネズミ亜科に属します。ただし、ハツカネズミより、ずっと大きいです。なんと、体重1.4kgもあるそうです。
 ネズミの新種にも、まだ、正式な名は付いていません。Mallomys属の一種だと考えられています。Mallomys属のネズミは、今のところ、インドネシアとパプア・ニューギニアでしか見つかっていません。とても珍しいネズミの仲間です。
 前記の二種が発見されたのは、パプア州のフォジャ山脈です。ここでは、二〇〇五年にも、自然調査が行なわれました。その時も、数多い新種が発見されました。鳥類、両生類、昆虫類、植物など、数十種もの新種です。
 じつは、生物の新種は、毎年、たくさん発見されています。けれども、そのほとんどが、昆虫などの小さな生き物です。哺乳類の新種は、非常に珍しいです。大型のネズミさえ、見つからずにいたことを考えると、フォジャ山脈に、いかに人手が入っていないかわかりますね。世界有数の、自然の宝庫です。
 最近では、アフリカのガーナからも、「新種がまとめて発見された」報告がありました。中には、恐竜時代に起源がある、貴重な種も含まれます。
 このような地域は、世界には、ほとんど残っていません。わずかに残った自然の宝庫は、ぜひ、後世に引き継ぎたいですね。


 インドネシアの新種のニュースは、以下のページに載っています。二〇〇五年のインドネシア調査のニュースや、ガーナでの新種発見のニュースもあります。
 インドネシアの熱帯林で二種の新種とみられる哺乳類を発見(コンサベーション・インターナショナル 2007/12/17)
 インドネシア・パプア州で多くの新種が発見される(コンサベーション・インターナショナル 2006/02/07)
 ガーナの熱帯林で、希少な生物種を発見(コンサベーション・インターナショナル 2007/12/06)


 過去の記事でも、さまざまな新種発見のニュースを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ベトナムで、新種の発見ラッシュ(2007/09/27)
 ボルネオ(カリマンタン)島で、新種の豹(ヒョウ)を発見(2007/03/17)
 新種発見! トゲネズミ(2006/07/10)
 楽園の鳥の楽園? インドネシアのパプア州とパプア・ニューギニア(2006/02/09)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、今回の新種と同じ日本で見られる齧歯目【げっしもく】ネズミ科のネズミが、十種以上が掲載されています。
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インターネット生物図鑑-zukan.net-
http://www.zukan.net
ぜひご利用下さい。


2007年11月15日

シーラカンスの新種?発見

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 生きている化石のシーラカンスは、話題に事欠きませんね。近年、「インドネシアのスラウェシ島近海で、シーラカンスの新種が見つかった」というニュースがありました。
 それまで、「シーラカンスは、アフリカ南東部のコモロ諸島近海にしかいない」と考えられていました。ラテン語の学名を、ラティメリア・カルムナエLatimeria chalumnaeという種です。インドネシアのシーラカンスは、これとは違う新種だと判断されました。ラティメリア・メナドエンシスLatimeria menadoensisという学名が付いています。
 最近、さらに、第三の生息域が発見されました。東アフリカのタンザニア沖です。ここで、続々とシーラカンスが捕獲されました。漁師さんたちが、普通の魚を捕ろうとしていたのに、シーラカンスが捕れてしまった、といいます。
 はじめ、タンザニアのシーラカンスは、「本来の生息域であるコモロ近海から、流されてきたのでは?」と考えられました。けれども、二〇〇七年に行なわれた調査により、「タンザニア沖に、シーラカンスの生息域がある」と確認されました。なんと、日本の調査隊による成果です。福島県にある水族館「アクアマリンふくしま」の調査隊でした。
 タンザニアのシーラカンスは、第三の種なのでしょうか? これは、まだわかっていません。現在までの調査では、新種の可能性があるようです。
 新種でなくとも、新しい生息域が判明したのは、嬉しいですね。しかし、喜んでばかりはいられません。判明した理由が、問題だからです。なぜ、今になって、タンザニア沖で、シーラカンスが捕れるようになったのでしょうか?
 その理由は、タンザニア沿岸の海で、魚が減ったためです。漁師さんたちは、困ってしまいました。魚を求めて、より沖の海へ行ったのですね。そこが、シーラカンスの生息域でした。漁業資源の枯渇という、深刻な問題が、根底にあります。
 このままでは、シーラカンスの生存も、危うくなりかねません。海全体が健全でないのに、一種だけ無事なことは、あり得ないからです。シーラカンスを含めた魚も、漁師さんたちも、豊かに暮らせる海にしたいですね。


 タンザニア沖シーラカンスのニュースは、以下にあります。
 【科学】生きた化石シーラカンスの謎を追え(Yahoo!ニュース・産経新聞 2007/11/05)
 シーラカンス続々捕獲/タンザニア沖で30匹以上(東奥日報 2007/09/21)


 タンザニア沖で、シーラカンスの撮影に成功した「アクアマリンふくしま」のウェブサイトは、以下にあります。また、東京工業大学、国立科学博物館などでも、シーラカンスの研究が進められています。
 アクアマリンふくしま(日本語トップページ)
 東京工業大学 岡田研究室(右上にシーラカンスのページ入口があります)
 国立科学博物館(トップページ)



 二〇〇七年の11月24日(土)に、シーラカンスのシンポジウムが開かれます。会場は、福島県にある「 いわき明星大学」です。一般の人でも、参加費を払えば、参加できるようです。興味がおありの方は、以下のページを御覧下さい。
 ザ・シーラカンス シーラカンスの謎に迫る!2007(アクアマリンふくしまのサイト内ページ)


 過去の記事でも、シーラカンスを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 えっ シーラカンスを捕まえた?!(2007/5/22)
 シーラカンスの動画撮影に成功! その後は?(2007/1/20)
 シーラカンスはなぜ「生きている化石」か?(2006/6/1)

などです。


2007年10月22日

野生の華南虎【かなんとら】、二十四年ぶりに発見?




 中国から、嬉しいニュースが届きました。野生では絶滅したと思われたトラが、発見されたそうです。中国南部のトラの亜種、アモイトラです。華南トラとも呼びます。
 トラは、多くの動物園で見られますよね。しかし、「動物園にいるから安心」ではありません。じつは、トラは、「絶滅する可能性が、非常に高い」と、心配されています。
 トラは、どこの地域でも、最強の肉食獣です。それが、なぜ、絶滅寸前なのでしょう?
 人間の活動のためです。人間が、森を切り開いたり、過度に狩猟したりしたために、ひどく数が減ってしまいました。
 例えば、中東にいたトラの亜種、カスピトラは、二十世紀の半ばに絶滅しました。かつてのペルシャ帝国で、尊敬された生き物です。別名、ペルシャトラとも呼ばれます。
 インドネシアのジャワ島の亜種、ジャワトラは、二十世紀の終わり頃、絶滅しました。同じインドネシアのバリ島にいたバリトラは、二十世紀の前半に絶滅しました。
 バリトラは、トラの亜種の中で、体の大きさが最小でした。その他にも、いくつか、変わった特徴を持っていました。絶滅が、とても惜しまれます。
 残るトラの亜種も、安泰なものはいません。例えば、アムールトラは、本来の分布地のうち、朝鮮半島では絶滅したようです。別名を、チョウセントラというくらいですのに。他に、シベリアトラ、ウスリートラ、マンシュウトラなどとも呼ばれます。
 トラの亜種としては、他に、インドシナトラ(別名マレートラ)、ベンガルトラ(別名インドトラ)、スマトラトラがいます。どの亜種も、人間の開発によって、すみかを奪われています。今や、トラは保護動物なのに、いまだに密猟もなくなりません。
 アモイトラは、「最も絶滅に近いトラの亜種」と呼ばれます。確認される限りでは、七十頭未満が、動物園にいるだけです。今回、本当に、野生個体が発見されたのだとしても、安心どころではありません。
 大切なものを、「虎の子」といいますよね。トラが、子どもを大切にすることから、こう言うそうです。すべてのトラが、そんなふうに大切にされるといいですね。


 再発見された野生のアモイトラについては、以下のページに載っています。
 絶滅危機の野生の「華南トラ」、子供の生存を確認 中国(CNN 2007/10/13)
 華南トラ、24年ぶりに目撃(産経ニュース 2007/10/13)
 ※追記【その1】
 その後、撮影された華南トラの写真は、ねつ造か?というニュースが報じられています。 以下のページに載っています。行方を見守りたいと思います。
  華南トラ写真の偽造疑惑、省当局はとりあわず―中国(Record China 2007/10/24)
  「華南トラ」写真 真偽めぐり中国で大論争(IZA 2007/10/23)
 ※追記【その2】
 残念ながらねつ造だったようですね。以下にまとめました。
  華南虎【かなんとら】の再発見は、偽造だった?(2008/02/09)


 トラの危機については、WWFジャパン(世界野生生物保護基金 日本委員会)のページに、詳しく載っています。
 トラについて(WWFジャパン)
 ウィキペディアの英語版に「アモイトラ」が紹介されています。「アモイトラ」の項を紹介しておきますね。英語版ですがご興味ある方はご覧ください。
 アモイトラについて(Wikipedia・英語版)


 過去の記事でも、絶滅が危惧される生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ホッキョクグマが絶滅する?(2007/09/12)
 人食いザメより、サメ食い人のほうが多い?(2007/05/31)
 ツシマヤマネコの撮影に成功、対馬の下島【しもじま】にて(2007/05/10)
 ボルネオ(カリマンタン)島で、新種の豹(ヒョウ)を発見(2007/03/17)
などです。
   

2007年9月27日

ベトナムで、新種の発見ラッシュ

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 東南アジアのベトナムで、新種の生き物が、相次いで発見されています。つい先日も、ベトナム中部で、十一種もの新種が見つかった、というニュースがありました。
 発見された新種は、爬虫類のヘビが一種、昆虫のチョウが二種、植物が八種だそうです。これらの中には、近縁な種が、日本に分布するものもいます。
 例えば、新種のヘビです。このヘビは、通称「白ひげ」と呼ばれるようです。口の周囲が白いからです。「白ひげ」は、日本のヒバカリというヘビに、とても近縁です。同じナミヘビ科ヒバァ属に属します。「白ひげ」とヒバカリとを、写真で見比べると、横顔が似ています。ヒバカリも、少しですが、口の周囲が白っぽくなっています。
 新種のチョウのうち、一種は、セセリチョウ科に属します。セセリチョウの仲間は、日本にもたくさん分布します。おおむね、小型で、茶色っぽいチョウです。写真で見る限り、新種のチョウも、同じ特徴を持っていますね。ただし、同じセセリチョウでも、日本には、同じ属の種はいないようです。
 新種の植物の中には、何種かのランが含まれています。ラン科の植物は、日本にもたくさんありますね。けれども、ランの仲間は、形態がとても多様です。同じ科なのに、似ても似つかない種が多いです。
 今回、見つかったランの中には、まったく葉がない種があります。葉どころか、葉緑素もありません。全体が、ほぼ真っ白です。これでは、光合成ができませんね。どうやって、エネルギーを得るのでしょう?
 このランは、腐った落ち葉などから、エネルギーを得ます。このような生活の植物を、腐生植物と呼びます。腐生植物は、日本にもあります。ギンリョウソウなどがそうです。ギンリョウソウも、外見がほぼ真っ白です。今回の新種に似ています。でも、ギンリョウソウは、イチヤクソウ科に属します。ラン科の新種とは、遠縁です。
 ベトナムで、新種の発見が多いのは、自然が豊かな証拠でしょう。これほどの豊かさは、末永く維持したいですね。


 ベトナムの新種のニュースは、以下のページに載っています。
 ヘビなど11の新種動植物=ベトナムの森林で発見-WWF(時事通信 2007/09/26)
 新種の動植物、ベトナムで発見される(WWF)※英語です
 ベールをはがされたベトナム、写真ニュース(BBC News) ※英語です。発表された種の画像がいくつか見られます。

 過去の記事で、新種のヘビに近縁なヒバカリを取り上げています。また、近年、アジアで発見された生き物も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 毒がないのに毒蛇? ヒバカリ(2007/7/15)
 新種発見!! 体色が変わるカエル(2007/5/24)
 ボルネオ(カリマンタン)島で、新種の豹(ヒョウ)を発見(2007/3/17)
などです。


図鑑↓↓↓↓↓には、ヒバカリ、セセリチョウ科のチョウ、ラン科の植物、ギンリョウソウが掲載されています。
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ぜひご利用下さい。

2007年6月13日

新種のクシクラゲ? 発見




 深海魚のメガマウスに続き、再び深海生物のニュースです。沖縄本島の近くの深海で、新種らしき生き物が発見されました。
 発見されたのは、クシクラゲと呼ばれる生き物です。クラゲと付いても、クシクラゲは、普通のクラゲとは違います。
 普通のクラゲ(アンドンクラゲ、カツオノエボシ、ミズクラゲなど)は、刺胞動物【しほうどうぶつ】というグループに属します。対して、クシクラゲは、有櫛動物【ゆうしつどうぶつ】というグループに属します。
 クシクラゲは、櫛板【しつばん】という、櫛【くし】に似た器官を持ちます。このために、有櫛動物=クシクラゲと呼ばれます。刺胞動物のクラゲには、櫛板がありません。
 普通のクラゲ(刺胞動物のクラゲ)とクシクラゲは、そっくりに見えますね。そのため、昔は、学者の間でも、同じグループだと思われていました。けれども、研究が進むにつれ、まったく違う生き物だとわかってきました。
 普通のクラゲとクシクラゲとは、ヒトと魚類以上に、類縁が遠いです。譬えて言えば、ヒトと昆虫くらい違うでしょう。専門的には、門【もん】という分類レベルで違います。
 今回、発見されたものと同じように、深海に棲むクシクラゲがいます。コトクラゲという種です。映像を見る限り、今回の「新種」とコトクラゲとは、全然似ていません。でも、同じ有櫛動物です。深海にいて、海底にくっついて生活するところも、同じです。コトクラゲも、相模湾【さがみわん】などの、日本の近海にいることが確認されています。
 偶然ですが、つい先日、神奈川県にある新江ノ島水族館が、コトクラゲの採集に成功しました。ちょうど、この六月に、鹿児島湾で、深海生物の調査をしていたのですね。その調査で、採集されました。
 深海生物の調査は、とても難しいです。それでも、少しずつ、いろいろなことが解明されています。現場の研究者の方々が、がんばってくれるおかげですね。日本では、海洋研究開発機構(JAMSTEC)という機関が、主に深海の調査を行なっています。


「新種」のクシクラゲのニュースは、以下のページにあります。
 新種?の深海生物を発見=沖縄の南、水深7000メートルで-無人機「かいこう」(時事通信 2007/06/12)
 新種クラゲ?深海7000m無人カメラに映った謎の生物【映像】(ANN news 2007/06/12)
 クシクラゲの一種、コトクラゲを採集した新江ノ島水族館の航海・採集日誌は、以下にあります。
 2007/06/08 鹿児島湾野間岬沖(8) 最終調査「珍しい」とは
 新江ノ島水族館 トップページ
 海洋研究開発機構(JAMSTEC)トップページ
 過去の記事でも、クシクラゲ=有櫛動物【ゆうしつどうぶつ】を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 深海生物が好きな人、集まれ! 相模湾【さがみわん】の生物展覧会(2007/4/21)【生物展覧会 相模湾の生物 きのう・きょう・あすは『2007年6月17日』まで】

2007年5月24日

新種発見!! 体色が変わるカエル




 また、嬉しいニュースが飛び込んできました。タイで新種のカエルが発見されました。
 周囲の環境によって、体色が変わるカエルだそうです。英名は、発見されたプールアン国立公園の名前からちなんでつけられたようですね。
 続報がありましたら、またご案内します。
 英名:Phu Luang Cliff frog【プールアン・クリフ・カエル】
 学名:Odorrana aureola
 

 プールアン・クリフ・カエルに関する最近のニュースは、以下のとおりです。
 タイで新種のカエルを発見=周囲に応じて体色が変化(時事通信社 2007/05/24)
 タイで発見された新種のカエル【画像】(Yahoo News 2007/05/24)

2007年3月17日

ボルネオ(カリマンタン)島で、新種の豹(ヒョウ)を発見

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 新種発見のニュースです。インドネシアのボルネオ(カリマンタン)島とスマトラ島で、新種のヒョウが発見されました。
 ヒョウの中でも、ウンピョウと呼ばれる仲間の一種です。普通のヒョウと違い、体の斑紋が、円形ではありません。大きく流れて、雲のような形をしています。だから、ウンピョウ(雲豹)と名付けられました。
 普通のウンピョウは、昔から、広い範囲に分布するといわれてきました。台湾、中国南部、インドシナ半島、インドネシアなどです。これだけ広い範囲にいても、「ウンピョウは、すべて、一つの種である」と思われてきました。
 ところが、それが、違うことがわかったのですね。「普通のウンピョウ」のうち、ボルネオ島とスマトラ島にいるのは、新種のウンピョウだと判明しました。
 新種は、日本語で「ボルネオウンピョウ」と名付けられたようです。ラテン語の学名では、Neofelis diardiです。学名とは、国際的に通用する生き物の名称です。
 普通のウンピョウと、ボルネオウンピョウとは、どう違うのでしょう? 外見では、きわめて区別が難しいようです。遺伝子を調べて、別種であることがわかりました。
 発見されて早々、ボルネオウンピョウは、絶滅に瀕しています。そもそも、ウンピョウの仲間は、全部合わせても、一万頭もいないと推定されています。これは、とても危機的な数字です。台湾のウンピョウは、もう絶滅したといわれています。
 ボルネオウンピョウ以外にも、「普通のウンピョウ」の中に、別種がいるのではという説があります。例えば、台湾のウンピョウは、別種かも知れません。だとすれば、私たちは、一つの種を滅ぼしてしまったことになります。
 ウンピョウ属は、ネコ科動物の中で、特異な位置にあります。ライオンやトラなどの大型ネコ類と、イエネコのような小型ネコ類との、中間に位置すると考えられています。
 ネコ科の進化を知る上で、ウンピョウ属は、重要です。今後、さらに研究を進めて欲しいですね。そのためにも、絶滅は避けたいものです。
 新種のヒョウ発見のニュースは、以下に載っています。
 ボルネオ島で発見されたヒョウは「新種」=WWF(ロイター 2007/1/15)
 ボルネオ島で発見されたヒョウは「新種」【画像】=WWF(ロイター 2007/1/15) 

 過去の記事で、ボルネオ(カリマンタン)島や、同じインドネシアで発見された、別の生き物も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 楽園の鳥の楽園? インドネシアのパプア州とパプア・ニューギニア(2006/2/9)
 日本にもいるジャコウネコ、ハクビシン(2005/12/8) 

2006年7月10日

新種発見! トゲネズミ

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 つい先日、日本で、哺乳類の新しい種が見つかりました。南西諸島の徳之島【とくのしま】に分布する種です。ネズミの一種で、トクノシマトゲネズミと名付けられました。
 ネズミというと、害獣のドブネズミなどが有名ですね。実験動物のマウス(ハツカネズミ)を思い浮かべる方もいるでしょう。トクノシマトゲネズミを含むトゲネズミ属は、ドブネズミやハツカネズミとは、全く違うネズミです。ヒトには害を及ぼしません。
 トゲネズミ属は、とても貴重な生き物です。世界中でも、日本にしかいません。日本の中でも、沖縄本島・奄美大島・徳之島の三ヶ所にしか分布しません。
 沖縄本島のトゲネズミと、奄美大島のトゲネズミとは、以前から別種といわれてきました。それぞれ、オキナワトゲネズミ、アマミトゲネズミと名付けられています。徳之島のトゲネズミについても、別種という意見が有力でした。けれども、データが少ないために、別種かどうか不明でした。それがはっきりしたのは、地道な研究の成果ですね。
 これで、トゲネズミ属は、ごく狭い範囲に三種が分布する、と判明しました。日本が生き物の宝庫であることを、世界に示しましたね。これは、喜ばしい反面、不安なことでもあります。狭い範囲に多くの種がいれば、一種一種の数が少なくなるからです。数が少なければ、それだけ絶滅しやすいですね。
 ネズミのような小さな生き物は、関心を呼びにくいです。新種発見にしても、種の絶滅にしても、あまりニュースになりません。しかし、体が小さくても、自然の中で果たす役割は、小さくありません。三種のトゲネズミは、南西諸島の生態系を支えています。
 三種のトゲネズミは、名のとおり、棘状の毛を持ちます。ヤマアラシやハリネズミほど強力な棘ではありません。また、彼らはたいへんジャンプ力が強いです。棘状の毛とジャンプ力により、彼らはハブから逃げられることがわかっています。南西諸島の自然の中に、昔から組み込まれてきた証拠ですね。
 トゲネズミがいなくなれば、自然のバランスが崩れるでしょう。どんな害があるかわかりません。彼らを守ることは、私たち自身を守ることにつながります。


徳之島で新種トゲネズミ(東京新聞 2006年07月09日)

徳之島 新種トゲネズミ確認 国産哺乳類で8年ぶり(西日本新聞 2006年07月09日)


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には、哺乳類のトゲネズミ、ハツカネズミ、ドブネズミ、爬虫類のハブが掲載されています。ぜひご利用下さい。

2006年2月 9日

楽園の鳥の楽園? インドネシアのパプア州とパプア・ニューギニア

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 先日、インドネシアのパプア州で、未知の生物が大量に発見されたというニュースがありましたね。新種の鳥やカエルが発見されました。新種でなくても、稀少な生物が多数生息するといいます。まさに「未知の生物の楽園」ですね。
 パプア州とは、ニューギニア島の西半分を占める州です。もう半分の東側は、パプア・ニューギニアという別の国です。国境は人間が勝手に引いた線ですから、他の生き物には関係ありませんね。島の西にも東にも、貴重な生き物がたくさんいます。
 ニューギニア島で一番有名なのは、鳥類のゴクラクチョウの仲間でしょう。英語名のbird of paradiseを直訳して、極楽鳥(ゴクラクチョウ)と名付けられました。ゴクラクチョウは、フウチョウとも呼ばれます。風鳥(フウチョウ)とは「風に宿る鳥」の意味です。
 なぜ、この鳥たちが「極楽(楽園)の鳥」なのか、実物を見ればすぐにわかります。ほぼすべての種が、この世のものとは思えないくらい美しいのです。日本のオシドリや、インドのクジャクに勝るとも劣らない美鳥が、ぞろぞろいます。
 オシドリやクジャクがそうであるように、ゴクラクチョウも、美しいのは雄です。雄は、自分の美しさを雌に見せびらかします。「ぼくはこんなに健康だよ、結婚しておくれよ」というわけです。健康でなければ、羽毛の美しさが衰えますからね。
 こんな「楽園の鳥」たちが、なぜニューギニア島に何十種もいるのでしょう? ニューギニア島には、大型の肉食獣がいなかったためです。
 大昔、ニューギニア島は、オーストラリアと同じ大陸の一部でした。その頃には、カンガルーなどの原始的な哺乳類が、のちに島となる地域にいました。やがて地殻変動が起こって、島が大陸から離れます。それは、進化した大型肉食獣が現われる前でした。
 その後の島は、大陸とつながりませんでした。そのため、進化した肉食獣が、大陸から渡ってきませんでした。鳥たちの楽園が守られたわけです。
 しかし、ヒトが来てから、楽園は様変わりしました。乱獲のため、ゴクラクチョウは激減しました。楽園からの授かりものの鳥を、私たちの代で滅ぼしたくはありませんね。

2月7日付ニュース1 
2月7日付ニュース2

※ニュースはリンクが外れてしまうかもしれませんので、外れてしまいましたらごめんなさい。